黄金のアポロ 原作:高千穂遥(アドベンチャーロード) - 格付:B

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作品:黄金のアポロ  
番組:アドベンチャーロード  
格付:B-  
分類:SF(その他)  
初出:1986年2月3日~2月14日(全10回)  
原作:高千穂遙  
脚色:森直也  
演出:野中英一、高沢裕之  
主演:村上弘明  

その日、ついにレオンは第21代「黄金のアポロ」の座に登り詰めた。
「黄金のアポロ」、それはこの管理社会「ポリス」において最高の格闘士に与えられる称号。ポリスにおける最高の栄誉といってよい。
そして、孤児として育ったレオンこと、レオンセラトスがついに掴んだ最高の栄誉は、最高の恋人をも伴うものだった。
レオンはまさに得意の絶頂にあった。
しかし、まさにその晩、ポリスの外に住まう蛮族「バルバロイ」がポリスを強襲。
祝いの席はめちゃくちゃにされてしまう。
そして、それのみならず、バルバロイたちは口々に衝撃的な言葉を叫び始めたのだ。
「黄金のアポロ、レオン万歳! バルバロイの王!」



この「黄金のアポロ」はSF作家・高千穂遙さんによる同盟の格闘技SF「黄金のアポロ」を原作とするラジオドラマです。
高千穂遙さんについては「銀河番外地、運び屋サム」(1988年アドベンチャーロード)及び「夏・風・ライダー」(1985年FMアドベンチャー)の記事で紹介しているとおり、わが国で最も早い時期にスペースオペラ(クラッシャージョウ)やヒロイックファンタジー(美獣)を書かれた方であり、日本初のSFアートスタジオ「スタジオぬえ」(後にTVアニメ「超時空要塞マクロス」を企画して有名に。)の設立メンバーでもあります。
高千穂さんは自著の中にご自身の趣味に関する要素を盛り込むことが多い方で、上記の「夏・風・ライダー」はバイクの趣味がこってりと盛り込まれた作品ですが、本作品は上記の「美獣」や「ダーティペア・シリーズ」と同様に高千穂さんの格闘技好きが大きく反映された作品です。

さて、本作品は終盤まで世界観の説明がほとんどなく、いつの時代、どこの星ともわからない場所が舞台となった作品です。
実はこの「舞台がわからない」ということ自体が、本作品の最後で明かされるSF的な種明かしの前振りだったりはするのですが、逆に言えばSF的な知識が全くなくても楽しめる作品ということもできます。
というのも、光線銃や未来的な乗り物、鋼鉄のハゲワシ型ロボットやちょっとした超能力(エコーズ)など要素が出てはくるのですが、基本的には肉弾戦が中心の内容。
上記のSF要素さえなれば、古代や架空の世界を舞台にしたファンタジー作品に置き換えても何ら違和感がありません。
その観点からいうと、脚色・演出面で残念なのが戦闘シーンの描かれ方。
具体的にいうと戦闘シーンに入った瞬間に音楽が流れて、その音楽が戦闘を暗示的に表現したうえで、音楽が終わると戦闘は終わっている。
すなわち戦闘自体をきちんと描写しない(言い方が適切かはわかりませんが)かなり古風な演出法です。
SFとはいえ肉体派の作品である以上、どのような戦術が駆使され、どう肉体が動いたのかたのか。
音だけのラジオドラマでは描写に限界があるのは確かですが、セリフやナレーション、SEを駆使して表現にチャレンジしていただきたかったというのが正直な感想です。

また、物語前半で衝撃の事実を知らされるレオンですが、それを確たる根拠もなく、早々に受け入れてしまうことも少々拍子抜けです。
もっと葛藤があってもよかったと思います。

出演者は、まず主人公のレオンを演じたのは俳優の村上弘明さん。

1979年の「仮面ライダー(スカイライダー)」の主役として役者デビュー。
61歳の今でも十分すぎるほど2枚目ですが、本作品出演時は30歳のイケメンでした、
仮面ライダーの主役といえば今では若手イケメンの登竜門としてすっかり認知された感がありますが、その草分けのような方といってもよいと思います。
ちなみに村上さんはスカイライダーのあと、1985年からは「必殺仕事人」に「花屋(鍛冶屋)の政」として出演され、1988年の大河ドラマ「武田信玄」では高坂昌信役に抜擢されています。
本作品は1986年2月の放送ですので、ちょうどこの2作品の中間の時期にあたります。

また、ヒロインのヌムーを演じたのは女優の山口未知さん。
本作品は、ナレーションの岡部雅郎(おかべ・まさお)さんをはじめとして名古屋放送劇団(NHK名古屋局専属の劇団)の方が出演されていることから、名古屋局の制作と思われますが、佃典彦さん主催の名古屋の劇団である「劇団B級遊撃隊」の山口さんがご出演されているのは、この名古屋局つながりだからだと思います。
ちなみに原作者の高千穂遥さんも名古屋のご出身です。

その他、先年亡くなられた名声優・熊倉一雄さん(エルキュール・ポアロの吹き替えで有名)が、胡散臭いハゲワシ型ロボット(実は単なるロボットではない)デラデラを準主役と言ってもよいセリフ量で演じており、全編を通じて強烈な存在感を発揮しています。



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Hirokazu
Posted byHirokazu

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