唄娘 作:森脇京子(FMシアター) - 格付:A

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作品:唄娘  
番組:FMシアター  
格付:A  
分類:少年  
初出:2017年3月4日(全1回)  
作 :森脇京子  
音楽:篠田大介  
演出:川恵実  
主演:小芝風花  

「待ってぇ~、乗ります!乗りますからぁ~!」
岐阜県は白山の麓にある小さな集落・君丈村(きみたけ・むら)のバス停。
いつもぎりぎりにバス停に現れる民宿君竹屋の看板娘・君丈みさとを待って、バスが発車を遅らせるのは、もはやこの村の風物詩。乗客の老人たちも心得たものだ。

君丈村は、みさとが通う高校までバスで1時間もかかる山間の集落。
みさとはこの小さな集落で、周囲の大人たちの暖かい目に囲まれて育ってきた。
しかし、最近悩んでいる。
実は高校を卒業したらこの村を出て行きたい。
自由な社会で精一杯生きてみたい。
でも、母は、祖父は、そして村のみんなは、みさとが民宿を継ぎ、神事で村の民謡を唄う「唄娘」をも受け継いでくれることを期待している。
もう高校3年生だ。
でも、みさとはまだ迷っている。



NHKらしい、ごく普通のラジオドラマ。
それがこの「唄娘」の第一印象です。
ただ、それは決して悪い印象ではない。
悪い印象がない理由のひとつに、小芝風花さんの澄んだ声を挙げることができる思います。
作中でみさとが唄うオリジナル民謡「君丈華唄(きみたけはなうた)」も恐らく小芝さんご自身が唄っているのではないかと思います。
民謡の上手い下手は私にはさっぱりわかりませんが、とても綺麗な声です。
この記事は、2018年4月現在、青春アドベンチャーにて放送中の「王妃の帰還」で、小芝さんが主役のノリスケを演じていらっしゃることに触発されてアップした記事です。
しかし、「王妃の帰還」で小芝さんが演じている「ノリスケ」が都会のお嬢様学校に(それなりに)適応している、意外とややこしい性格の少女であるのに対して、本作品の「みさと」は(色々悩みはありつつも)善意に囲まれて健やかに育った少女。
ふたりとも母子家庭であるという共通点はありますが、ものの考え方はかなり違います。
その違いに合わせてか、本作品での小芝さんの演技は、ノリスケを演じるときの少し過剰な演技とはひと味異なった素直なものです。
小芝さん、現在20歳らしいのですが、意識的に演じ分けられているのでしょうから、すでに立派な女優さんですね。

さて、物語はみさとの一家が営む民宿に、東京から高校2年生の高橋希星(きらら)とその母親がやっているところからスタートします。
大方のリスナーの予想どおり、この母子は何らかの事情を抱えているらしく、仲があまりよろしくない。
それが進路の問題で悩んでいるみさと側の母子の事情と絡み合って、物語は進んでいくのですが…
「高校生の将来への不安」、「僻地の過疎化・高齢化」、「親子問題」…
FMシアターらしいまじめなテーマですが、同様にFMシアターでよく取り上げられる「老人介護」的な話と比べると、未来への希望がある若者が主人公な分だけ、過度に暗い作品にならずに済んでいます。
その象徴が小芝さんの明るい演技だと思います。

なお、公式ホームページ(外部サイトはこちら)によれば、本作品の舞台となった村、アイコンである大杉には明確なモデルがあるのだそうです。
具体的には舞台となった村は、岐阜県郡上市の石徹白(いとしろ)地区。
鳥の声や川や風の音、雪下ろしの音は実際に石徹白で録音したものであるほか、石徹白の住民が唄う民謡も使っているそうです。
この辺は、岐阜局制作ならではですね。
そして、作中重要な位置づけにある大杉も、石徹白に実際に存在する樹齢1800年余の大杉がモデル。
作中で岡野真也(おかの・まや)さんが演じる希星が「ジブリの世界じゃん!」と感嘆する古木。
有名な屋久島の縄文杉が発見されるまでは、日本有数の杉の古木として有名だったそうで、国の特別天然記念物にも指定されています。
これは行ってみたい!と思いますが、作中でも示されているとおり、最寄りのバス停からさらに登山道を徒歩で2時間と聞くと挫けてしまいそうです…

さて、小芝さんと岡野さん以外の出演者を挙げると、荘加真美さん、宮璃アリさん、藤尾年樹さん、田井順三さん、市野成美さん、棚橋真典さん、高橋ケンヂさん、内田藍子さんと言った面々です。
このうち、みさとのクラスメイト・香織を演じた市野成美さんは本作品放送当時、SKE48のメンバーだった方。
考えてみれば岐阜県は愛知県の隣ですね。
SKEのメンバーが出演した作品としては、野島樺乃さん、髙塚夏生さん、髙寺沙菜さん、町音葉さんの4名が出演された青春アドベンチャーの「逢沢りく」が目立ちますが、こんなところにも出演されていたんですね。
ちなみに、この市野成美さん、つい先日である2018年3月に卒業公演を行ってSKE48としての活動を終了されているそうです。
このほかも、岐阜の劇団ジャブジャブサーキット所属の荘加真美さん以外は名古屋関係者がそろっているキャスティングです。



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Hirokazu
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