メゾン・ド・関ケ原 作:西村有加(青春アドベンチャー) - 格付:B

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作品:メゾン・ド・関ケ原  
番組:青春アドベンチャー  
格付:B  
分類:コメディ  
初出:2018年3月26日~3月30日(全5回)  
作 :西村有加  
音楽:AViA(ラップ音楽)  
演出:川上剛  
主演:伊藤沙莉  

「関ケ原」駅至近で売り出し中の新築分譲マンション「メゾン・ド・関ケ原」。
駅至近といっても1日あたりの乗車人数はわずかに1,002人(2015年)、しかも日中の普通列車は毎時2本という歴としたローカル駅。
そこに13階建(←不吉?)の建物が建っているのも場違いだが、白いロココ調の外装も明らかに悪目立ちしている。
こんな問題物件、昨日まで引きこもりだった自分じゃなくても売れないよ、と思ったけど、売れないのはどうも別の理由もあるみたいだ。
近所の噂によれば。この物件、新築なのに「出る」らしいのだ。



Yo!
うらぎりうらぎり、うるせえな
おまえら何年言ってんだ
そもそもそこは、せ・ん・ご・く
負ければそっこー、じ・ご・く
Yo!

「戦国武将」+「ラップ」+「コメディ」という謎の組み合わせがリスナーを戸惑わせるのが、このオリジナルラジオドラマ「メゾン・ド・関ヶ原」です。
毎年春先に個性の強い作品を送り出してくるNHK名古屋局ですが、2018年は2月に放送した自虐系・つぶやき童話「ハリネズミの願い」に続いて、2作品目もなんとも訳のわからない作品をぶつけてきました(褒めいています)。
ちなみに脚本の西村有加さんは、過去青春アドベンチャーでは「幻坂」、「know~知っている」、「ちいさなちいさな王様」で原作付き作品の脚色を担当されましたが、オリジナルの長編脚本を書き下ろされるのは初めてです。

物語は主人公・遠藤文恵が関ヶ原駅に降り立つところから始まります。
関ケ原と言えば「関ヶ原の合戦」で有名ですが、現在の「関ケ原町」は総人口7,000人強の小さな町。
そしてJR東海道本線「関ヶ原」駅も、東海道本線の割にはごく寂しい駅であり、さらに、販売しなければいけないマンションはいわゆる「事故物件」。
事故物件とは、いわゆる事件や事故、自殺などがあった物件(事故物件の公示サイト「大島てる」とか有名ですよね)で、当然、買いたい人は少なく、価格は一般の物件より大きく落ちてしまいます。
起こった「事故」の性格によりますが、一説には3割とも5割ともそれ以上とも。
建物の場合、一回取り壊して再築してしまえば、心理的な瑕疵はなくなると考えることが多いようですが、本作品の「メゾン・ド・関ケ原」はその程度では消えない強烈な瑕疵を持っている物件です。
いや、心理的な瑕疵としというより本当に「出て」いるわけですし。
すでに冒頭から文恵の運命に暗雲が垂れ込めています。
しかも、祖母の死去によりやむなく引きこもり生活に終止符を打った文恵なので、普通の人以上に人付き合いが苦手。
なぜ、よりにもよってマンションの販売員などと言うコミュニケーションスキルが最重要視される仕事に就いちゃったんだろうとはだれでも思うところですが、近所のおばちゃん(実は町内会長)におびえ、職場の上司に恫喝されながらもなんとか販売の仕事を始めたとたん、前評判どおり亡霊の出現です。
しかも登場した亡霊はなぜか戦国武将・大谷吉継、しかもそれを演じるのはなぜか藤岡弘、さん、しかも登場する時のBGMはなぜかトルコのイェニチェリ音楽!
さっぱりわかりません。
大谷吉継に続いて、安国寺恵瓊(あんこくじ・えけい、演:丹羽文雄さん)、小西行長(演:矢野智久さん)、島津豊久(演:玉腰佳弘さん)といった西軍武将たちが登場することにより、マンションはさらに異様な雰囲気に。
そしてついに現れた大谷吉継の宿敵・小早川秀秋はなぜかラッパー風。
あくまで亡霊だけど現代に適応しちゃっているらしい。
この小早川秀秋、日本史上でも著名な裏切り者として知られており、本作品でも文恵が検索しようとしたら、検索予測として「小早川秀秋 裏切者」と出てくるシーンがあったりするのですが(念のため実際に試してみたら「裏切者」とは出ませんでした)、本作品ではいきなり開き直って冒頭のラップを披露する始末。
ますますわかりません。
このトルコ音楽の大谷刑部とラッパーの小早川との対決で何が起こるか。(特に何も起こらないけど)
恩讐の彼方にふたりが見たものとは。(そんなに大げさな話か?)
…何はともあれ聴いてのお楽しみです。

さて、本作品で主人公の遠藤文恵を演じるのは現在23歳の女優・伊藤沙莉(いとう・さいり)さん。
有村架純さんが主演された連続テレビ小説「ひよっこ」にも出演されていた伊藤さんですが、2003年、9歳の時にドラマ「14ヶ月~妻が子供に帰っていく~」で芸能界デビューをされているそうですので、もう立派なベテラン女優ですね。
そして何より本作品で印象的なのは、大谷吉継と小早川秀秋を演じたおふたり。
大谷吉継は、仮面ライダー1号・本郷猛こと藤岡弘、さんが演じていらっしゃいます。
青春アドベンチャーでは「封神演義」の「紂王」役以来かな。
昔までさかのぼれば「長く孤独な狙撃」(アドベンチャーロード・1988年)なんていうものもありました。
大まじめに芝居をするだけでコメディになってしまうのは、藤岡弘、さんのキャラクターあってです。
そして、小早川秀秋を演じたのは主にVJ(ビデオジョッキー)、DJ(ディスクジョッキー)、MC(司会)として活動している鉄平さん。
ラッパーである本作品の小早川秀秋にぴったりの配役ですね。
ラップといえば本作品のラップ音楽は、名古屋出身の3人組音楽ユニット「カルテット」に所属するDJ・AViAさんが制作されています。
ただ、公式ホームページの紹介から予想したよりは、ラップシーンが少ないのがちょっと物足りない。
私は、ラップについては最近、曽田正人さんの漫画「Change!」を読んで得たくらいの知識しかないのですが、本作品では戦国武将同士のサイファーなんかも聞いてみたかったなあ、というのが正直な感想です。



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Hirokazu
Posted byHirokazu

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