声の訪問者 作:菅谷昌弘(FMシアター) - 格付:AA

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作品:声の訪問者  
番組:FMシアター  
格付:AA-  
分類:日常  
初出:2016年4月16日(全1回)  
作 :櫻井智也  
音楽:菅谷昌弘  
演出:佐々木正之  
主演:甲本雅裕  

柳田雄一は39歳の独身男性。
ボイスという、声を使った業務なら何でも請け負う会社で働いているが、本業は売れない役者である。
ある日、ホームページのボイスサンプルを聴いて、彼を指名して仕事が入った。
依頼人は工藤絵美という38歳の女性。
絵美は雄一に対し、自分に電話をかけてきたうえで、指定した内容で会話することを求めてきた。
依頼目的はわからなかったものの、依頼されたこと自体は特別なものではなかったので、指示どおりに電話してみた雄一であったが、雄一が話し始めた途端、なぜか絵美は泣き始めてしまうのだった。



劇団MCRを主宰する脚本家・俳優の櫻井智也(さくらい・ともなり)さんによるオリジナル脚本のラジオドラマです。
櫻井さんはNHK-FMでは、「ヘブンズコール」(2012年)、「イジメの彼方」(2013年)、「すばらしい日々」(2014年)などFMシアター向きに多数の脚本を書かれています。
その経験を踏まえているからか、本作品はちょっと意外性もありつつ、安定感のある、聞きやすいストーリーの作品です。
そもそも題材として「声」を使っていることがラジオドラマにとても相性がいい。
当ブログで実施した2016年のFMシアターの人気投票でも本作品は第2位に入っています。

さて、それでは簡単に本作品の紹介をしますと、主人公はアラフォーの役者である柳田雄一。
ボイスの仕事は劇団の先輩に紹介された、という設定であり、声だけとはいえ、演技をする仕事に劇団所属の人間が就いている、というのはなかなかリアリティがあります。
作品の冒頭も、いきなり仕事上で「演技」をしているシーンから入っており、リスナーを掴むのに十分な導入部です。
そして終盤のちょっと意外な展開も(絵美の○の登場がいささか唐突ではありますが)主人公が俳優であることが生きており、なかなか考えられた展開だと思います。
正直、「死んだ恋人と声がそっくり」というのは、ありがちな設定ではあります。
本作品は、その範囲内でも人情ものとして悪くない雰囲気の作品でしたが、最後の一騒動のおかげで随分締まったストーリーになったと思います。
また、演技の面でも、主人公を演じる甲本雅裕(こうもと・まさひろ)さんの声と演技がこの売れない役者という役によくあっています。
甲本雅裕さんは、THE BLUE HEARTS、ザ・ハイロウズの甲本ヒロトさんの実兄なのですが、弟の七光りではなく、甲本雅裕さんご自身が多数のドラマに出演されている評価の高いバイプレイヤーですので、「売れない役者によくあっている」という表現は大変、失礼なのかもしれません。
すみませんでした。
ちなみに甲本さんは2017年のFMシアターでも「声命線」という声が重要な役割を果たすドラマに出演されています。

その他の出演者としては、ヒロインの工藤絵美役が高橋理恵子さん。
青春アドベンチャーで「ブルボンの封印」(1993年、主役のマリエール役)の「夏への扉」(1995年、ヒロイン?のリッキー役)頃はまだ20代だったはずですが、その後も継続的にラジオドラマでお声を聞きますね。
また、当ブログ的には「おいしいコーヒーのいれ方」で有名な内田健介さんも出演されていますが、「劇団の演出家」という割とマニアックな役です。

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Hirokazu
Posted byHirokazu

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