愛のふりかけ 原作:草上仁(青春アドベンチャー) - 格付:B

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作品:愛のふりかけ
番組:青春アドベンチャー
格付:B+
分類:活劇
初出:2000年4月3日~4月14日(全10回)
原作:草上仁
脚色:吉田玲子
演出:川口泰典
主演:宮吉康夫  

深刻な食糧危機と細菌性のドラッグ“ブラッグ”の蔓延に見舞われた日本は厳密な管理社会になっていた。
その中では全国民は「全国民総合重要度」により生き残りの優先順位を決められ、重要度の上昇に汲々としていた。
そんなある日、無職の独身男である宗一は、就職の面接で訪問した官庁で、面接官に皮肉を言って重要度の順位が大幅に下落してしまった。
焦った宗一は、製薬会社に勤める兄と組んで、“ブラッグ”の特効薬の密造を思いつくが...

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草上仁さん原作の小説をラジオドラマ化した作品です。
当ブログで草上仁さん原作の作品を取り上げるのはこの「愛のふりかけ」が初めてですが、草上さんの小説は1993年から2000年にかけて5作品が青春アドベンチャー化されています。
青春アドベンチャーでは、知られざる(?)メジャー原作者さんということになります。

さて、本作品をどのジャンルに分類するか、相当迷いました。
冒頭の紹介のとおり、いわゆるディストピアもの(反ユートピア社会、通常は極端な管理社会を舞台にした作品)という意味ではSF的であり、“ブラッグ”の設定もSF的ではあります。
しかし典型的なSFギミックと言えるほどのSF要素ではありませんし、あまり科学的な考証を重視した作品でもないようです。
そのほか、銃弾が飛び交うアクションシーンもあれば、スパイが発覚するなどサスペンス的な展開もあります。
結局、アクションシーンのある冒険ものであるという点を重視し、このブログでは活劇に分類しました。

さて、ストーリーは主人公・宗一とその兄が、“ブラッグ”の解毒薬を密造し、それを適当に摘発することにより、重要度の向上と一儲けの両立を狙うことから始まります。
密造なのでもちろん犯罪ですが、多くの人を悩ましているブラッグの解毒薬を世の中に広める行為でもあるので、宗一としては、さしたる罪悪感もなしに手を染めます。
しかし、“ブラッグ”の中毒者の組織である「リージャン」(=良心的なるジャンキーの会)と「キョージャン」(凶悪なジャンキーの集団)という二つの秘密結社の争いに巻き込まれ、しかも国家からはあらぬ汚名を着せられて追われる身となってしまいます。
本来、普通の青年であったはずの宗一が、その争いの中で何を見つけていくのかが小説のメインテーマです。
...と書くと堅苦しい話しのようですが、ストーリーはあくまで軽快に、というかユーモラスに進行していきます。
終盤に各勢力が激突する場面でさえ、思いも寄らぬコメディ状態に陥ったりして、深刻にならずに聴ける作品です。
また、さすがに名手、川口泰典さん(「ジュラシック・パーク」、「ブラジルから来た少年」ほか)演出、吉田玲子さん(「サンタクロースが歌ってくれた」、「分身」など)脚色のコンビですので、作品全体のテンポも良好です。
正直言って、自分でも今ひとつなぜだか分からないのですが、本作品のやや唐突な設定と軽めのノリが今ひとつ馴染めなかったからか、本ブログでは冒頭の格付けにしました。
しかし、全般的にとても楽しい作品ですし、この作品のタイトル「愛のふりかけ」の意味が明らかになる結末はなかなか好印象でした。
このノリが好きな方なら格付けはもう数段階上だと感じると思います。

出演は主役の小倉宗一役が宮吉康夫さんで、ヒロインの山中京子役が毬藻えりさんです。
毬藻さんは既に紹介した作品では「バイオレンス・ジャック」にご出演ですが、その他、「アナスタシア・シンドローム」、「アリアドニの遁走曲」など多くの川口泰典作品にご出演されていました。
その他、作中で突然チェーンソーを振り回す(青春アドベンチャーでチェーンソーと言えば「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」ですが...)“かまぼこりつ子”こと大川りつ子を演じる華村りこさんや、小暮役の山西惇さんなど独特の存在感のある脇役が光る作品です。


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Hirokazu
Posted byHirokazu

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