おいしいコーヒーのいれ方Ⅰ~キスまでの距離~ 原作:村山由香(青春アドベンチャー) - 格付:A

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作品:おいしいコーヒーのいれ方Ⅰ~キスまでの距離~
番組:青春アドベンチャー
格付:A+
分類:恋愛
初出:1997年1月6日~1月10日(全5回)
原作:村山由佳
脚色:佐藤ひろみ
音楽:梶本芳孝
演出:千葉守
主演:内田健介  

父親が急に転勤することになった和泉勝利(いずみ・かつとし=ショーリ)は、いとこの花村かれん・花村丈の姉弟と3人で同居することになった。
普段疎遠だったいとこ達との同居に気が進まない勝利。
しかし、久しぶりにいとこ達にあった勝利はびっくりした。
3年ぶりに会った5歳年上のかれんが美しい女性へと成長していたのだ。
そして偶然にも、かれんは勝利の通う高校にも美術の教師として赴任してきた。
年上だが、おっとりとしていてどこか浮世離れしているかれんのことが気になって仕方がない勝利。
そして勝利はかれんと一緒に暮らし彼女の秘密を知つにつれ、一層、彼女に惹かれていく。

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村山由佳さんの初期の恋愛小説を原作とするラジオドラマです。
後日「星々の舟」で直木賞を受賞する村山さんですが、デビューは漫画雑誌である週刊少年ジャンプが主催した「ジャンプ小説新人賞」(第1回・佳作)でした。
そのためこのシリーズの原作はジャンプジェイブックスから刊行されています。
そのため、「星々の舟」や「ダブル・ファンタジー」といった村山さんが後に書くことになる、かなり濃厚な恋愛小説と異なり、本作品はあくまで爽やかな甘酸っぱい恋愛小説です。
かといって村山さんの作品傾向が完全に変わってしまったというとそういう訳でもなさそうです。
この「おいしいコーヒーのいれ方」の原作シリーズは2013年現在で17作になり、最新作は2011年発表されています。
人気作故にやめるにやめられないという事情もあるのかも知れませんが、両方の種類の作品を書くことで精神的なバランスを取っている面もあるのかも知れません。
ちなみに漫画雑誌が主宰する小説賞、という突飛な企画であった「ジャンプ小説新人賞」。
恐らくライトノベルと漫画を組み合わせを新しい商売にしようという集英社の企みだったのだと思いますが、村山さんのほか、乙一さんや小川一水さん(受賞時のペンネームは河出智紀)などライトノベルの枠を超えて活躍される作家さんを生んでいます。
最近、どのような方が受賞されているかはわからないのですが、それなりに大成功した賞なのではないでしょうか。
なお、小川一水さんについては「イカロスの誕生日」の紹介記事や「青春アドベンチャー化して欲しい作品」の記事をご参照下さい。

さて、上記のとおり原作は超長期のシリーズなのですが、この青春アドベンチャー版のラジオドラマもかなりの長期作です。
詳しくは、青春アドベンチャーの長期作品を特集した、こちらの記事でご確認頂きたいのですが、青春アドベンチャー史上に残る大長編シリーズです。
本ブログでこれを一挙に紹介し始めると、当分アップする記事はこればかりになってしまいますので、何作かずつに分けて紹介していこうと思います。

さて、本作品の内容は、もう何というか、甘酸っぱいとしか表現のしようがない作品です。
同じ青春アドベンチャーでも、「ぼくは勉強ができない」(山田詠美さん原作)と比較すると、同じ高校生男子と年上の女性との恋愛であるのに、もうびっくりするほどの違いです。
おっとりしているとはいえ社会人の女性がこんなにぼーっとはしていないだろ、とか、いやいや高校男子はもっとガツガツしているだろ、とか、こんな甘ったるい話し聴いてられるか~、とも思うのですが、これが意外と聴いてしまいます。
何やかんや言っても勝利は誠実な好青年です。
また、私、おっとりしている女性キャラクターってあんまり好きではないのですが、長谷川真弓さん演じるかれんは、ぽややんとしつつも微妙に艶っぽく、不思議と嫌みな感じも受けません。
それに、結局、やっぱり彼らの歯がゆい気持ちが分かる自分もいたりして...
まあ、あんなには純情ではなかったですけどね。
ちなみに、本作品は概ね勝利の高校3年生の1年間を描いており、次作から勝利は大学生になってしまいます。
女性教師との秘められた恋、というシチュエーションはもっと続いても良かった気もします。
しかし、どうも本作品はこの1作だけの予定で始まり、予想外の大長編になってしまった作品のようです。
当初から長編と分かっていればもっと高校生編も長かったのかも知れません。
さて、もどかしい二人の恋は1年間でどこまで進むのか。
キスまでの距離はあと何センチなのか。
詳しくは聴いてのお楽しみと言うことで。

出演陣を紹介しますと、主人公の勝利(ショーリ)役は内田健介さん。
このおいコーシリーズの他に、ライフシリーズでも主役としてレギュラー出演しています。
2012年に放送されたライフシリーズ最新作の「カラー・ライフ」を聴いていると、さすがに安定していて上手いと感じるのですが、本作が放送されたのはその約15年前の1997年。
特に本作品では、勝利のモノローグという形でのナレーション役も兼ねており、正直言って、まだラジオドラマに慣れていないなあ、という印象を受けます。
すぐに慣れていらっしゃるんですけどね。
一方、ヒロインのかれん役は長谷川真弓さん。
とてもおっとりと話すかれんを艶っぽく演じており、色々とたまりません...

さて、言うまでもなく、この作品は人気シリーズなので、続編へと続いていきます。
勝利とかれんの関係はどうなっていくのか、続編である「おいしいコーヒーのいれ方Ⅱ~僕らの夏~」の紹介はこちらです。


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Hirokazu
Posted byHirokazu

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