青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

赤糸で縫いとじられた物語 パート2 原作:寺山修司(カフェテラスのふたり)

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Hirokazu
作品 : 赤糸で縫いとじられた物語 パート2  
番組 : カフェテラスのふたり  
格付 : B  
分類 : 幻想(その他)  
初出 : 1985年5月6日~5月10日(全5回)  
原作 : 寺山修司  
脚色 : (不明)  
演出 : 多田和弘  
主演 : 中尾幸世、柴田侊彦  

詩人で劇作家でもあった寺山修司さんによるファンタジー作品「赤糸で縫いとじられた物語」を原作としたラジオドラマの第2弾が、この「赤糸で縫いとじられた物語 パート2」です。
この「パート2」は前年に前番組の「ふたりの部屋」で放送された第1弾「赤糸で縫いとじられた物語」とほぼ同じスタッフ、キャストで制作され、1話完結の短編×5作品という構成も同じです。
ただ「ふたりの部屋」(後期)が1回15分の番組であったのに対して、「カフェテラスのふたり」は1回10分の番組である点が大きな違いになっています。
とはいえ、イメージ喚起型、情景描写省略型のファンタジックな小品(寺山さんご自身はこのような散文詩とも童話ともとれる作品を「ジュリエット・ポエット」と呼んでいたそう)ですので、無理に圧縮されたような悪い印象はありません。
ちなみにNHK-FMの帯ドラマで番組を跨いで続編が制作されたのはなかなかレアな事例です。
他には「CF愚連隊」(アドベンチャーロード)→「ロンリーランナー」(青春アドベンチャー)、「カムイの剣」(FMアドベンチャー)→「カムイの剣・Ⅱ」(アドベンチャーロード)」くらいでしょうか。
まあ、本作品の場合、感覚が1年もあいていませんし、「ふたりの部屋」と「カフェテラスのふたり」は時間こそ変わったものの、ほぼ同一番組だったと言うことなのかも知れません。

さて、この「パート2」でラジオドラマ化されたのは以下の5作品です。
原作に収録された12編のうちパート1・2あわせて10作品がラジオドラマ化されたのですが「数字のレミ」と「影の国のアリス」の2編のみはラジオドラマ化されなかったようです(ひょっとしてどこかの回に盛り込まれているのかも。原作未読なのではっきりとはわかりません)。
いずれの回も先ほど述べたとおり、歌人として出発した寺山さんのファンタジックでシュールな側面が強調された作品群であり、競馬好きといった俗物的な側面での寺山さんが好きな人から見るとちょっと趣向が違う作品なのかも知れません。

話数 タイトル 一言
1 踊りたいけど踊れない 勝手に動く手足。体に逆らっているのは手足かそれとも頭の方か。
2 1センチ・ジャーニー 徐々に小さくなっていく少年テレス。それを見た少女アリスの決断は?
3 思い出の注射します 味気ない過去の代わりに楽しい思い出を体の中に入れることができる「思い出の注射」。でも…
4 イエスタデイ コマドリと話をすることができる少年。やがて少年は少女と仲良くなったのだがコマドリは…
5 書物の国のアリス 絵を切り抜くとすべて活きているものになる不思議なハサミ。実は文字も切り抜くことができるのだが。

「パート2」ということで私が慣れたからか、あるいは今回チョイスされた作品群がたまたまそうだったからか、いずれかよくわかりませんが、「パート1」よりわかりやすい作品が多いように感じました。
「1センチ・ジャーニー」は「賢者の贈り物」(オー・ヘンリー)的な明確なオチがありますし、「思い出の注射します」は意地の悪い展開と思いきや「年を取ることはすてきなこと」というメッセージが感じられるハッピーエンドの作品になっています。
これらと比較して暗喩的な印象が強い「踊りたいけど踊れない」や「イエスタデイ」も割とメッセージははっきりしています。
ただ、「書物の国のアリス」だけは今ひとつわかりませんでした。
残念な私…

さて、出演者は前作と同じ中尾幸世さんと柴田侊彦さんのおふたり。
中尾幸世さんについてはパート1の記事でも書きましたが、高校3年の夏休みに佐々木昭一郎演出のTVドラマ「夢の島少女」に出演してデビュー。
その後、多摩美術大学の学生やグラフィックデザインの仕事をしながら兼業で女優業を継続。
「四季・ユートピアノ」、「川の流れはバイオリンの音」、「アンダルシアの虹」、「春・音の光」に出演されましたが、結局映像作品にはこの5作品にしか出演されなかった幻の女優さんです。
ただ、テレビにでなくなった後もラジオドラマにはそれなりに参画さてており、FMシアターの作品に多数出演されているほか、帯ドラマ枠でも本シリーズのほか「カフェテラスのふたり」では、「時には母のない子のように」や「10人のシンデレラ」に、「サウンド夢工房」では「愛と幻想の小さな物語」に出演されています。


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北海タイムス物語 原作:増田俊也(青春アドベンチャー)

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Hirokazu


本記事は、現在、放送中の作品について仮の記事をアップするものです。
完結次第、正式な記事に修正します。




作品 : 北海タイムス物語  
番組 : 青春アドベンチャー  
格付 : (未格付け)  
分類 : 職業  
初出 : 2019年2月11日~2月22日(全10回・予定)  
原作 : 増田俊也  
脚色 : 池谷雅夫  
音楽 : 川崎良介、堀口純香  
演出 : 吉田浩樹  
主演 : 柄本佑  

米米CLUBの「浪漫飛行」が流行っていた1990年。
新聞記者になるために一人の男が北海道に降り立った。
しかし…

逆境とは!?
「早稲田大学教育学部卒業・野々村巡洋(ののむら・じゅんよう)入りますっ!!」
「整理部だっ!!」
逆境とは - 思うようにならない境遇や不運な境遇のことをいう!!
「そっそれは… 決定ですか!?」
「大手マスコミに落ち続け、記事の見出しするまともに書くことができない。そんな若造を記者にすることは無駄だという圧力がかかってな…社会部には君の同期の浦ユリ子君が配属される。」
「なぜ…浦さんに…」
「彼女は力があるからな。力がある人間にしか私は興味はない!!」
「わっ私は新入社員ですよっ」
「ふだんの問題意識がないことが意欲の差にも現れる。なまはんかな職業意識なら記者になんかならないほうがましだ!!」
「部長!!」
「くどいっ」
これだ
これが逆境だ!!
(参考:島本和彦「逆境ナイン」)



ご自身が「北海タイムス」(1998年まで北海道に実在した地方紙)の元記者でもあるノンフェクション作家・増田俊也さんによる小説「北海タイムス物語」をラジオドラマ化した作品です。
本作品の前日譚ともいえる「七帝柔道記」に続く自伝的・私小説的な作品ですが、「七帝柔道記」は北海道大学の学生であった増田さんご自身が主人公であるのに対し、本作品「北海タイムス物語」の主人公は早稲田大学卒業の野々村巡洋(ののむら・じゅんよう)なる若者であり、明らかに増田さんとは異なる人物像になっています。
一方で、この「北海タイムス物語」では元北海道大学柔道部で、北海道大学を中退して「北海タイムス」に入社する「松田」なる人物が登場するため、本作品において増田さんが擬制されているのはこの「松田」なのではないかと思います。

で、ここからがややこしいのですが、実は「七帝柔道記」も2016年に一足先に青春アドベンチャーにてラジオドラマ化されています。
そしてそこでは主人公の名前がはなぜか原作の「増田」から「松田」と変更されていたのです。
実は同様の名称変更はノンフェクションを原作とする「闘う女。~そんな私のこんな生き方」でも行われていたため、当時は、この名称変更も「本作品がノンフェクションではなくフィクションであることを明確するにやっているのかな」と思っていました。
しかし、この「北海タイムス物語」で増田さん役を担うキャラクターが原作時点ですでに「松田」とされていることを知ると…
もしかしてこの(ほぼ続編として)「北海タイムス物語」を制作することを睨んで最初から敢えて「増田」ではなく「松田」にしていたのかも?! …考えすぎでしょうか。

で、さらにややこしいことに、両作品とも主役を演じた方は同じ柄本佑(えもと・たすく)さん。
つまり「七帝柔道記」で主役「松田」を演じた柄本さんが、「北海タイムス物語」では別人である主役「野々村」を演じており、「北海タイムス物語」での「松田」は別の俳優である桐山漣さんが演じているという複雑な関係にあります。

ちなみに両作品で主役を演じた柄本佑さんは、昨年、第92回キネマ旬報ベスト・テンにおいて主演男優賞を受賞した、まさに旬の俳優さん(受賞作は「きみの鳥はうたえる」、「素敵なダイナマイトスキャンダル」「ポルトの恋人たち ~時の記憶」の3作品)。
柄本佑さんは俳優の柄本明さんの息子さんにして、女優・安藤サクラさんの旦那さんです。
安藤さんの御父上は俳優の奥田瑛二さん(FMシアター「遥かなり、ニュータウン」紹介済み)ですので、奥田瑛二さんの義理の息子さんということにもなります。
ちなみに安藤サクラさんはNHK-FMのラジオドラマとしては2016年の「あいちゃんは幻」に主演されていますが、昨年の第92回キネマ旬報ベスト・テンでは夫・柄本佑さんと同時に「主演女優賞」を受賞されているとのこと。
恐るべき芸能一家ですね。


さて、随分と脱線してしまいましたが、今更ですがストーリーの紹介に移ります。
本作品は地方の極貧新聞社を舞台にした、お仕事もの。そして若者の青春ストリーです。
それもド直球の。
就職試験に落ち続けて不本意ながら入社した地方の新聞社。
しかも配属されたのは地味な整理部。
給料は激安だし、先輩から理不尽なまでのシゴキを受けるし、挙句の果てには学生時代からの恋人からも愛想をつかされる始末。
今の仕事を腰かけと考えて嫌々こなす野々村もダメダメだけど、職場環境はあまりにブラック。
ただ、ダメダメっぷりもブラックさもテンポよく展開されるのがこの作品のいいところ。
前半折り返しとなる第5話終盤で微妙なロマンス的な展開も生まれ、どうも聞くところでは後半は仕事面でも怒涛の展開らしい。
これは聴くしかないでしょう(全部を聴き終わった後でこの記事は修正予定です)。
ちなみに冒頭で「七帝柔道記」との関連を紹介しましたし、実際、銀河万丈さんのナレーションなど雰囲気も良く似ています。
しかし、スト―リー上、つながりは全くありません(シリーズものとして取り扱わなかった「天下城」→「獅子の城塞」以上に関係なし)ので、後半からでも安心してお聞きいただけると思います。

なお、前半5話分の各回のサブタイトルは以下のとおりです。

1 雪の舞う新聞社
2 鬼の権藤
3 こんな会社、愛せますか
4 こんな俺でもモテますか
5 本当の僕を愛して欲しい





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