青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

最後の惑星 原作:ユルゲン・ローデマン(アドベンチャーロード)

作品:最後の惑星
番組:アドベンチャーロード
格付:AAA
分類:SF(宇宙)
初出:1990年1月24日~2月2日(全10回)
原作:ユルゲン・ローデマン
脚色:岡本螢
演出:江澤俊彦
主演:安原義人

東西冷戦下の西ドイツ。
ソビエト連邦による東西対話の動きは見えるものの、まだまだ緊張状態が続く西ドイツに、久しぶりの明るいニュースが舞い込んできた。
アメリカ合衆国が世界初の有人火星探査を計画し、イギリス・西ドイツなどの西側ヨーロッパ諸国からもパイロットを選ぶという。
ドイツ人の宇宙物理学者フェリックス・レーマンはこの千載一遇のチャンスに応募することを決意し、妻子に相談する。
応募条件は、宇宙工学と宇宙物理学をはじめとする諸分野に詳しく、若く運動神経も良い人間という厳しいもの。
しかし楽天家のレーマンは密かに合格する自信があり、息子も大賛成してくれた。
妻と娘は心配そうだがそれでもレーマンの意思を尊重してくれた。
火星探査計画への参加に向けて動き出したレーマンだが、彼は後に驚くべき事実を知ることになる。

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本ブログをお読みいただきありがとうございます。
実はこの記事は本ブログで丁度、100作品目のラジオドラマを紹介する記事になります。
相変わらずコメントもごくわずかの過疎ブログですが、それなりに閲覧者数がいる(現在の概ねの閲覧者数はこの記事をご参照下さい)ことを励みにして何とか継続してくることが出来ました。
改めてお礼申し上げます。
自己満足で次回から暫く100作品を振り返る記事を書こうと思っていますが、まずは何より100作品目の記事を書かなければいけません。
一番最初に紹介した作品は大好きな「北壁の死闘」でした。
折角の節目の100作目もやはりお気に入りの作品を紹介したいと思い、思いついたのがこの「最後の惑星」です。
「北壁の死闘」と「最後の惑星」とは全く性格が違う作品ですが、奇しくも両作品とも同じ外国作家の原作作品で、しかも主人公がドイツ人であることも同じです。
不思議な偶然ですね。
ちなみに101作目もドイツに絡んだ作品になる予定。
お楽しみにしてください。
さて、それでは「最後の惑星」の紹介を始めます。

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ドイツ人のユルゲン・ローデマンの小説を原作とするラジオドラマで、アドベンチャーロード末期の傑作のひとつだと思います。
本ブログでは本作品のジャンルを”SF系”に分類しており、実際、ハードSF的な要素もあるのですが、非常にテーマ性の強い作品で、「火星」というSF的な小道具を作者の訴えたいテーマに密接に結びつけています。
ただし、本作品のテーマを具体的に書いてしまうと、ネタバレになってしまうのが苦しいところです。
以下のURLのローデマンさんへのインタビューがあります。
とってもネタバレな内容を含んでいますので、本作を聞いていない方は読まないで下さいね。
それにしてもこの原作、決してベストセラーではなかったと思います。
良くこんな作品を探してくるなあ、番組スタッフ。

↓(外部リンク:訳者の酒寄進一さんのページのようです)
http://www.wako.ac.jp/~michael/03works/003jtf.html

とはいえ少しだけ本作の内容に関連することを書きますと、本作品のタイトルである「最後の惑星」ですが、作品中でこの言葉がでてくることは一度もないはずです。
だいたい面白い作品というものは読んだり見たりしているうちに、タイトルなどはどうでも良くなってしまうものだと思います。
本作も同様で、聞いているうちにタイトルの意味など全く考えなくなるのですが、終盤まで聞いていると自然とこのタイトルの意味が分かってくるのです。
…すでにネタバレに近い感じになっていますのでこの辺で辞めます。
是非、直接聴いて欲しい作品です。

なお、この作品は1990年に放送された作品です。
ベルリンの壁が崩れたのが1989年ですので、未だ冷戦の雰囲気が色濃く残っている時期でした。
本作品の少し前に同じアドベンチャーロードで放送された「A-10奪還チーム出動せよ」は東ドイツに不時着した西側のパイロットを救出する話であり、「黄昏のベルリン」は東西ベルリンが分断されている状況を上手くトリックのタネに使った作品です。
本作「最後の惑星」も含めて、正直言って、このような冷戦構造を前提とした作品の真の緊張感は当時の雰囲気を僅かでも覚えていないと理解できないもののような気もします。
しかし、それでも、世界中の人類がお互いを滅ぼしかねないほど嫌いあっていた時代があったこと、そしてそのようなことは形やスケールこそ違え、今でも世界中で続いていることは心のどこかに感じていて欲しいような気がします。
かなりクサい文章ですね。ちょっと反省。

本作のスタッフのうち、演出の江澤俊彦さんは、青春アドベンチャー系列の番組の演出を1980年代から現在(2013年1月現在最新は2012年5月の「カラー・ライフ」)までの長い期間、担当されている方です。
本作は江澤さんのごく初期の担当作品にあたります。
江澤さんはなぜか頻繁に担当されている時期とそうでない時期があり、2002年から2004年は1作も担当されていません(単に担当の問題かも知れません)。
また、脚色の岡本螢さんはNHK-FMのラジオドラマ向きに非常に脚本を書いている方ですが、青春アドベンチャー系列よりFMシアターや特集番組のイメージが強いです(イメージだけです実際にどうか数えたことはありません)。
どちらかというとリリカルな内容の作品が多い岡本さんの作品の中では本作はやや異色な印象ですが、本作品は個人的には岡本さん脚本の作品でも特に気に入っている作品です。
なお、本作品では毎回、作品が終わったあとに比較惑星学者で東京大学助手(当時。現在は名誉教授)の松井孝典先生による約2分間の「火星ワンポイント講座」というコーナーが付いていました。
番組終了後のミニコーナーといえば、「封神演義」の「封神演義一口メモ」や、「しゃべれどもしゃべれども」の「落語一口メモ」、「吸血鬼ドラキュラ」の「ドラキュラをもっと知りたい」などの例もありますが、「火星ワンポイントレッスン」の場合、本編の出演者とは全く関係ない学者が出てくる点で他とは全く違います。
この構成を決めたのがどなたか分かりませんが、他に例のない異色の構成です。

出演者は(事実上の)主役のレーマン役が安原義人さん。
イカロスの誕生日」・「ラジオ・キラー」・「海賊モア船長の遍歴」など青春アドベンチャー系のラジオドラマで多くの作品に出演されています。
安原さんの魅力が一番発揮されているのは「成層圏ファイター」のライアン役だとは思うのですが、作品内容、演じるキャラクターの魅力を含めれば安原さんのベストはこの「最後の惑星」のレーマン役だと思います。
その他、カレーおじさんを演じた内海賢二さんもなかなかの快演。
内海さんのベストの役は「遠い海から来たCOO」の哲郎役だと思いますが、このカレーおじさん役も内海さんらしさが光る役です。
ただしこのカレーおじさんという役、ストーリー上の重要性はほとんどないのですけど...
あとはレーマンの娘バブスを演じた青木愛さん。
とても可愛い声の方で、本作品の少し前に放送された「夢の旅」にも主演されていたと記憶します。
この方、恐らく後に衆議院議員になった青木愛さんだと思います。
また、あまり出番がないのですが機動戦士ガンダムのシャア・アズナブル役で有名な池田秀一さんがでていたりします(機動戦士ガンダム声優の青春アドベンチャー出演についてはこちら)。
池田秀一さんといえば、青春アドベンチャー系の番組では「仮想の騎士」で重要な役を演じていますが、この「最後の惑星」では本当にちょい役です。
色々とびっくりですね。



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