青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

ラジオ・キラー 原作:セバスチャン・フィツェック(青春アドベンチャー)

作品:ラジオ・キラー
番組:青春アドベンチャー
格付:AAA-
分類:サスペンス
初出:2008年9月15日~10月3日(全15回)
原作:セバスチャン・フィツェック
脚色:小松與志子
演出:真銅健嗣
主演:山像かおり

ドイツ・ベルリンのラジオ局、ラジオ101(ワン・ゼロ・ワン)の名物コーナー「キャッシュ・コール」。
無作為にかけられた電話を取ったリスナーが予め放送されたパスワードを答えられれば現金がもらえるという人気のコーナーだ。
しかし、スタジオ見学に来た松葉杖の男が、番組中に突然人質を取りラジオ101に立てこもってしまったことにより番組は一変してしまう。
犯人は番組を乗っ取り、彼自身のルールにより「キャッシュ・コール」を再開したのだ。
「ハロー、ベルリン。もし電話を受けたあなたがパスワード以外のことを言ってしまったら僕はこのスタジオにいる誰かを射殺します。101をお聞きの皆様に最悪の悪夢をお届けします。」
この犯人と交渉に当たるのはドイツ警察・特別出動隊SWATの交渉人イーラ。
イーラは娘を自殺させてしまった自責の念からその日、自らも死のうとしていた。
しかし、その直前で同僚であるゲッツに見つかり、この犯人の相手をさせられることになったのだ。
当初は精神異常者と思われた犯人だが、交渉が進む中でやがて予想もできない展開を迎える。

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ドイツの人気小説が原作のラジオドラマです。
海外の原作作品であるだけでなく、登場人物達は基本的に大人で、出演陣も舞台俳優や吹き替え中心で活躍される声優を揃えており、全体的に洋画の吹き替えのような趣きがあります。
1980年代の番組であるアドベンチャーロードではこのような作品も結構放送されていました。

さて、作品内容ですが、急遽、事件現場にかり出されたイーラですが、犯人ヤンと交渉をしているうちに、事件解決だけではなく、自分の家族の名誉と安全を守るためにも奮闘せざるを得なくなります。
やがて事件の背景に捜査当局と犯罪組織との暗闘があることが分かり始め、しかも捜査本部に内通者がいるらしいということも分かり、徐々に誰が信用できるのかわからなくなっていきます。
終盤に判明する内通者はm作中でかなりはっきりと怪しい行動を取っているので、実はかなり早い段階で正体が推測できてしまうのですが、それでも敵味方が入れ替わっていく展開はスリリングです。
あと本作を聞き終えて満足感が残るのは、結末の後味が良いことが原因の一つだと思います。
作品の性格からしてすべての登場人物にとってハッピーエンドになる訳はないのですが、基本的には爽やかなエンディングです。
内容についてあまり書いてしまうと面白くないので、この辺にします。
本作は、ラジオ放送や電話が重要な小道具になっており、音声だけが表現手段であるラジオドラマによくあう作品です。
そういえば、本作はNHK-FMというラジオ局が、ラジオ局を舞台にしたドラマを作ったわけで、そう考えると面白いですね。
演出は真銅健嗣さんです。
真銅さん演出の作品は個人的には「これはなかなか」と思う作品(「蜩ノ記」など)と「これはちょっと」と思う作品(「穴(HOLES)」、「ごくらくちんみ」など)の両極端があるという印象なのですが、本作品は前者の方です。
脚色の小松さんは青春アドベンチャーを担当したのは本作だけだと思います。
オーソドックスな脚本ですが本作は15話と通常より長目の枠ですので、伸び伸びとつくられていると思います。
ただ、スリリングな内容ということもあり本作の15話を一気に聞くと結構疲れます。

主役のイーラ役は文学座の山像かおりさん。
洋画の吹き替えを中心に声優業にも積極的な方のようです。
青春アドベンチャーでも「モンテ・クリスト伯」や「着陸拒否」といった海外ものに多く出演されています。

↓本作品出演時の山像かおりさんのブログ(外部リンク)
http://kaoriokaki.exblog.jp/8995912/

準主役級のふたり、犯人ヤン役は元男闘呼組の俳優高橋和也さん、イーラの相棒のゲッツ役は第三舞台の大高洋夫さん。
その他、序盤、色々とひっかきまわすシュトイアー本部長役が大友龍三郎さん、謎の行動を取るファウスト検事長役が勝部演之さん、そして全編を通じてイーラの味方であり続けた数少ない人物であるディーゼル制作部長役が斉藤暁(さとる)さん。
実に重厚な配役です。
斎藤さんといえば「西風の戦記」での宰相ノビリッシモス役の怪演が印象的ですが、本作も妙に剽軽なディーゼル制作部長を独特の調子で演じていらっしゃいます。
そして本作の出演陣で忘れてならないのは、語りの安原義人さん。
青春アドベンチャー系の番組の常連出演者さんですが、特定の時期に出演が集中するタイプではなく、アドベンチャーロード時代(「成層圏ファイター」・「最後の惑星」に主演)から青春アドベンチャー(紹介済み作品では「イカロスの誕生日」)まで長い期間に出演を続けていらっしゃいます。
さすがに多少、声に年齢を感じなくもないですが、タイトルコールの、「せいしゅ『んあ』どべんちゃー」、の「ん(n)」と「あ(a)」がリエゾンして「な(na)」に聞こえる感じなど、外国人っぽいしゃべり方を持ち味にする安原さん口調で非常に雰囲気が出ていると思います。



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テーマ:ラジオドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント

いかにも海外作品

アメリカの洋画のようなドラマでした。良く聴いています。

  • 2017/09/24(日) 16:01:37 |
  • URL |
  • じおう #-

Re: いかにも海外作品

じおうさま

コメントありがとうございます。
確かに内容といい、配役といい、海外ものっぽい雰囲気満載でしたね。
21世紀に入って以降では、青春アドベンチャーでは数少ないサスペンスもの。
今後も期待したいものです。

  • 2017/09/25(月) 06:56:04 |
  • URL |
  • Hirokazu #-

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