青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

スフィア 原作:マイクル・クライトン(青春アドベンチャー)

作品:スフィア -球体-
番組:青春アドベンチャー
格付:AAA-
分類:SF(海外)
初出:1993年7月19日~7月30日(全10回)
原作:マイクル・クライトン
脚色:じんのひろあき
演出:中島由貴
主演:西岡徳馬

心理学者のノーマンは、軍によりサモアとフィジーの間にあるという「飛行機の墜落現場」へと連れて行かれる。
通常の飛行機の墜落とは思えない厳重な情報統制がなされていることに不信感を覚えるノーマン。
現場に到着後に明かされた目的地の新の姿は「300年前に墜落した宇宙船の墜落現場」という驚くべきものであった。
ノーマンのほか、米軍のバーンズ艦長、動物学者のベス、宇宙物理学者のテッド、数学者のハリーで構成される調査チーム、そして通信連絡担当のティナ、記録保管係のジェーン、食料係のローズの支援チームは一緒に海底に設置された居住施設で調査を開始する。
そして、宇宙船の中で謎の球体<スフィア>が発見されるが、そのころ海上には猛烈な嵐が来て、彼らは海底で孤立してしまう。
そして様々な事件が起こり始める...

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「深海・謎の未確認生命体」シリーズの最終回(第1回第2回第3回はリンク参照)は、「アンドロメダ病原体」や「ジュラシック・パーク」で有名なSF界の重鎮、マイクル・クライトン原作のSF小説のラジオドラマ化作品です。
青春アドベンチャーでは同時期に「ジュラシック・パーク」もラジオドラマ化されています。
余談ですが「ジュラシック・パーク」と聞くと、昔、素人の投稿番組だった(芸人が騒ぐだけの番組になってしまう前の)タモリのボキャブラ天国で放送された「ジュラシック・パーク」→「聚楽一泊(じゅらくいっぱく)」という駄洒落が思い出されるのは私だけでしょうか?
私だけか...

さて、気を取り直して本作ですが、ほぼ海底の滞在施設と海中に沈んでいる宇宙船だけ舞台となるSFサスペンスです。
次々と不気味な事件が起こり精神的なプレッシャーを受け続けるチームの面々。
そして謎の知性体「ジェリー」が登場し、チームの中から次々と犠牲者が出るに及んで、パニック一歩手前の状況になります。
水泡の音、スピーカー越しの声などのラジオらしい演出に加えて、本作はダミーヘッド録音であるため、登場人物たちの声の大きさや左右のステレオの音量差などを活用した演出がなされています。
惜しむらくは、現在私の手元にある音源の質が悪く、放送当時の雰囲気がほとんど再現できないこと。
こういうのを聞くたびに、「公式で高音質の音源を出してくれれば、録音を手元に持っている人でもお金を出してでも買うだろになあ」と思います。
そもそも当時は今ほどラジオの録音が容易ではなく、番組途中で録音に失敗してそのまま続きの録音を放棄したり捨ててしまった番組がたくさんあるのです。
はじめに」でも書きましたが、NHKさんに何とかして欲しいものです。
さてさて、またしても脱線してしまいましたが、本作はSFではありますが、主題はどちらかというと閉鎖環境でストレスを受けた人間のパニックもの、起こった事件をめぐるサスペンスものです。
マイクル・クライトンの作品は、「ジュラシック・パーク」が典型だと思いますが、SF的なギミックはあくまで冒険にリアリティを与える小道具であり、単純に冒険もの、アクションものの娯楽作品として質が高いことが特徴だと思います。
本作もその例に漏れず、パニックもの、サスペンスものとしてよくできたお勧めの娯楽作品です。
ただし個人的に気になったのは、最終の2話で事件の謎は一応解明されるのですが、より大きな謎である宇宙船や球体の正体があいまいな状態のままで終わったこと。
個人的にはややモヤモヤ感が残る終わり方でした。
同じ脚本家の「五番目のサリー」と同じように、作品の中心となる舞台に描写が特化しており、プロローグ、エピローグは簡単なものになっています。
原作ではもう少し説明があったのかも知れませんが、未読なのでこの辺は説明できません。ご容赦ください。

本作の脚色はこの時期、多数の青春アドベンチャーの脚本を書いていらっしゃったのじんのひろあきさん。
以前、小川一水さんの「天涯の砦」を青春アドベンチャー化のお勧め作品として記事を書いたのですが、この青春アドベンチャー版スフィアを聞いてしまうと「天涯の砦の脚色はじんのさんで」とお願いしたくなります。

主役のノーマンを演じるのは俳優の西岡徳馬さん。
皆さんご存知の有名な俳優さんですので、もちろん演技はばっちりで文句のつけようがありません。
しかし、本作では、聞いている間中、西岡さんの顔が浮かんでしまいました。
そのため、当たり前ですが西岡さんは明らかに日本人の顔ですので、想像力を発揮して楽しむという点では完全に楽しめない面もありました。
もちろん西岡さんのせいではないのですけど。
声を聞いただけで顔を想像できてしまうほど有名な俳優さんを起用することが良いのか悪いのか、少し考えてしまいます。

なお、「深海・なぞの未確認生物」特集は一応、これで終わりですが、青春アドベンチャーには「Meg」など他にも海を舞台にした作品があります。
こちらの記事も是非、見てみてください。

【じんのひろあき脚本の他の作品】
スピーディーな展開、的を絞った見せ場。
青春アドベンチャー初期の名脚色家・じんのひろあきさんの担当作品一覧はこちらです。



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