青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

バイオレンスジャック 原作:永井豪(青春アドベンチャー)

作品:バイオレンス・ジャック
番組:青春アドベンチャー
格付:A
分類:冒険(秘境漂流)
初出:1994年10月11日~10月22日(全9回)
原作:永井豪
脚色:じんのひろあき
演出:川口泰典

199X年(かどうかは不明)…
関東は超巨大地震に見舞われた。
建物は倒壊し。
地は裂け。
あらゆる人たちが絶滅したかにみえた…
だが、関東の住民は死に絶えてはいなかった!

「関東地獄地震」と呼ばれる超巨大地震により本州と分断され無法地帯と化した関東地方で、少年・逞馬(たくま)はジャックという巨人と出会う。
スラム街近くで少年たちのリーダーとして毎日を必至に生きていた逞馬だが、謎の男ジャックによりスラム街を取り仕切るスラムキングとの戦いに巻き込まれてしまう。
ジャックとは何者なのか。ジャックの目的は何なのか。
逞馬はこの無法地帯でどのように生きればよいのだろうか。

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いきなり北斗の拳のパロディで冒頭の作品紹介をさせて頂きましたが、本作は永井豪の漫画を原作とする世紀末救世主伝説...ではなくてバイオレンス・アクションです。
さすがに原作の「人犬」のような極端な残虐描写はありませんが、敵側だけでなく主人公側のジャックや逞馬も(逞馬はイヤイヤですが)バンバン人を殺す作品で、NHKとしては異色の作品だと思います。
ジャンルは、「SF(その他)」か「冒険(秘境漂流)」かとも考えましたが、現実とは全く異なる荒廃した関東地方を舞台としているので「異世界」にしてみました。

さて、作品の概要は上記のとおりであり、ある種のダーティーヒーローが荒廃し暴力が支配するようになった世界を暴力で変えていく話しであり、有り体にいえば映画「マッドマックス」や漫画「北斗の拳」と同じジャンルの作品です。
本作の原作が特筆すべきなのは、1979年公開の「マッドマックス」よりも、1983年連載開始の「北斗の拳」よりもずっと早い1973年に連載が開始されていることでしょう。
そういう意味で、夢枕獏さんなどはバイオレンスジャックこそがこの手の作品の元祖と考えているようです。
一般的には「北斗の拳」は「マッドマックス」及び「マッドマックス2」の影響を受けているとよく言われますが、実際この作品を聞いてみると「北斗の拳」はむしろバイオレンスジャックに近い気がします。
その意味で、本作はラジオドラマなのですが、原作を読んでいなくても、マッドマックスや北斗の拳を見ていればその映像イメージで十分補完可能という利点?もあります。

なお、原作(完全版)は全18巻の大作ですので、本ラジオドラマの枠(15分×9回←イレギュラーな9回放送作品)ではとてもとても全体を収めることはできず、関東スラム街のエピソードだけで構成されており、最後にジャックが黄金都市(エルドラド)へ向かったところで話は終わります。
当然、冒頭に書いた「ジャックとは何者なのか。ジャックの目的は何なのか。」ということもラジオドラマの中では全く謎のまま終わっています。
本作品の放送からすでに10年以上が経過しており、残念ながら続編がつくられる可能性は低いと思います。
それは大変残念ではありますが、本作だけでも全9話なりに起承転結がきちんと出来ており「北斗の拳」の一エピソード的な話しとして、単体でも十分楽しめると思います。

脚色はこれまでも何度も書いているのですが、メリハリのきいた脚本を書かれるじんのひろあきさん。
本作は全9回しかないのに、最初の2回をプロローグとして、ジャックを出演させないという大胆な構成です。
残念ながら結果として大長編にはならなかったので、プロローグの占める割合が目立ってしまいますが、このプロローグで起こる出来事が主人公・逞馬の生き抜く意思を強く裏付けており効果的な演出になっていると感じました。

出演者は、(本ラジオドラマでの主人公?)逞馬をあづみれいかさんが演じています。「わたしは真悟」の悟役と同様に少年の役を女性が演じる形です。
その他、女性の出演陣は、前田悠衣さんなど「わたしは真悟」や「五番目のサリー」などとかなり被っています。
男性の出演陣は(原作の主人公?)ジャックが小西崇之さん、ライバルのスラムキングは松重豊さん。
ジャックはそもそも台詞が少ないうえに、低音でぼそっと話す役なので、小西さんの印象は薄いです(笑)。
スラムキングの松重豊さんは、2012年に実写版「孤独のグルメ」で、主役である井之頭五郎を演じて、一部でマニアックな脚光を浴びました。
松重さんは「孤独のグルメ」で49歳にして連続テレビドラマ初主演だったそうですが、1990年代にはNHK-FMのラジオドラマに幾度も出演されている常連でした。
本作では五郎だったら絶対に上げないような大声を幾度も上げており必聴?です。
その他にもこの時期の常連出演者であった松本保典さんがナレーションをしています。
番組最後の配役紹介では言っていませんが、ナレーションだけでなく結構重要な脇役もやっているようです。
その他では生瀬勝久さんも出演しています。
生瀬さんというとドラマ「トリック」やバラエティ「サラリーマンNEO」などでのコミカルな演技・コントのイメージが強いのですが、本作では無法者(チンピラ)のちょい役をガラ悪く演じています。
決して世間一般でメジャーな方々ではありませんが、マニアック的に見ると妙に豪華な配役です。
 
【じんのひろあき脚本の他の作品】
スピーディーな展開、的を絞った見せ場。
青春アドベンチャー初期の名脚色家・じんのひろあきさんの担当作品一覧はこちらです。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。





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