青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

「原作」と「作」

特集【何でもベストテン④】「原作」と「作」について

前回の「最多放送回数編」からしばらく時間が空いてしまいました。
久しぶりの何でもベストテンです。
今回は藤井青銅さん特集の一環としてオリジナル作品についてのランキングです。
でも、実はランキングにベストテンというほどの厚みがなく、看板に偽りありなのです。
すみません。

さて、今回取り上げるのは「作」の作品です。
青春アドベンチャーのスタッフを聞いていると、「原作」と「脚色」のスタッフが読み上げられる場合と、「作」のスタッフのみが読み上げられる場合があります。
一般的に前者は小説などの原作がある作品、後者はオリジナル脚本の作品のようです。
ただし、例えば藤井青銅さんの一部の作品などはラジオドラマ化される前に原作小説が存在したものの、原作者自身がラジオドラマの脚本も書いている(原作者=脚本家)ため「作」表記とされているようです。
原作表記のものと作表記の作品数を年ごとに記載すると以下の表のとおりです。
圧倒的に原作つきの作品が多く、これがラジオドラマとしての青春アドベンチャーのひとつの大きな特徴だと思います。
なお、この表は前回の何でもベストテンと同じように、青春アドベンチャー・サウンド夢工房・アドベンチャーロードの作品を集計しており、10分番組だった「カフェテラスの二人」や、昔過ぎて調べるのが困難な「二人の部屋」および「FMアドベンチャー」の作品は除外しています(いつかこの辺のデータもまとめたいものです)。

初出作品数 原作作品数 原案作品数 「作」作品数
合計 うち競作 うち藤井 うちその他
1985 17 16 0 1 0 0 1
1986 17 16 0 1 0 0 1
1987 23 23 0 0 0 0 0
1988 20 19 0 1 0 0 1
1989 25 23 0 2 0 0 2
1990 28 21 0 7 0 0 7
1991 27 16 0 11 0 4 7
1992 22 14 0 8 0 2 6
1993 19 16 0 3 0 1 2
1994 17 15 0 2 0 2 0
1995 20 16 0 4 0 2 2
1996 17 14 0 3 1 2 0
1997 21 17 0 4 1 2 1
1998 18 12 0 6 1 2 3
1999 16 12 0 4 2 2 0
2000 13 9 0 4 2 2 0
2001 15 10 0 5 2 2 1
2002 15 8 0 7 2 1 4
2003 12 8 0 4 3 1 0
2004 9 8 0 1 0 1 0
2005 9 5 1 3 2 1 0
2006 18 15 1 2 1 0 1
2007 15 8 1 6 3 1 2
2008 8 6 0 2 0 2 0
2009 10 8 0 2 0 2 0
2010 11 8 0 3 2 1 0
2011 17 12 1 4 3 0 1
2012 13 10 0 3 1 0 2
合計 472 366 4 103 26 32 45
割合 100.0% 77.3% 0.8% 21.8% 5.5% 6.8% 9.5%


大まかに見るとアドベンチャーロード時代(~1990年3月)は「作」作品が少なく、サウンド夢工房時代(1990年4月~1992年3月)に急増します。
その後、青春アドベンチャー時代(1992年4月~)は徐々に減少していきますが、なぜか2002年・2007年のように突発的に半分近くが「作」作品の年もあります。
合計で見ると全体の約77%を原作作品が占め、「作」作品は約22%になります。
ちなみにわずかにある「原案」作品はタイムスリップシリーズの一部のみが該当します。
「作」作品が約22%を占めるというと結構ありそうですが、22%のうち5.5%は多数の脚本家さんが1話ごとに競作する短編集です。
具体的にはライフシリーズ不思議屋シリーズなどが該当します。
正直、この1話ごとの脚本家さんまで集計すると大変なので、今回の特集はこの5.5%を除外して残る16.3%の作品を調べてオリジナル作品が多く採用されている脚本家さんのベストテンをつくろう、というのがもくろみでした。

しかし、何と残る16.3%のうち6.8%を藤井青銅さんというひとりの脚本家さんが占めています。
年末恒例の干支シリーズなどを担当されていたため1991年から2010年まで(2006年を除き)毎年、藤井さん作品が制作されていたことになります。
その他、サウンド夢工房時代の奇作「愛と青春のサンバイマン」やオリジナル脚本で唯一の続編が放送された「ゴー・ゴー!チキンズ」()シリーズなどの作家さんであり、まさに青春アドベンチャーの看板オリジナル脚本家
もはや数を数えてランキングするまでもなく、第1位であることは明確でした。
さらに、残りの9.5%の作品を調べてその他のベストテンを作ろうと思ったのですが、藤井さんを除いて3作品以上オリジナル脚本をつくられている方はいらっしゃらないことが判明しました。
もちろん短編集の1話だけ担当を入れればもう少し差がつくと思いますが、ここは全員同率2位ということでご紹介して今回のランキングとしたいと思います。

○佐々木守さん
 ・ステレオ歌謡ファンタジー黒いドレスの女(アドベンチャーロード・1985年)
 ・イソップ紅白夢合戦(サウンド夢工房・1990年)
○綾瀬麦彦さん
 ・ブラックホール(宮崎由香さんと共同表記・青春アドベンチャー・1992年)
 ・猿がヂャラヂャラ(サウンド夢工房・1992年)
○北野勇作さん
 ・日常生活の冒険(青春アドベンチャー・1997年)
 ・路地裏のエイリアン(青春アドベンチャー・1998年)
○ウォーリー木下さん
 ・645~大化の改新・青春記~(青春アドベンチャー・2001年)
 ・スウィート・アンダーグラウンド(青春アドベンチャー・2002年)
○伊佐治弥生さん
 ・オーバー・ザ・ハポン ~空の彼方(かなた)へ(青春アドベンチャー・1995年)
 ・珊瑚の島の夢(青春アドベンチャー・2011年)
○樋口ミユさん(※1)
 ・僕たちの宇宙船(青春アドベンチャー・2013年)
 ・ニコイナ食堂(青春アドベンチャー・2015年)
○オカモト國ヒコ(※2)
 ・泥の子と狭い家の物語~魔女と私の七〇日間戦争~(青春アドベンチャー・2013年)
 ・人喰い大熊と火縄銃の少女(青春アドベンチャー・2015年)

原作付きの作品は原作者の力を借りられるため良質な作品になる可能性も高いのですが、原作はもともとラジオドラマ向けに作られているわけではないですし、脚本家さんの原作者さんへの遠慮があるのかどうかはわかりませんが、原作以上の脚本にするのは難しい面もあるのが現実だと思います。
もちろん、原作者自ら替え歌を大量に盛り込んだ「愛と青春のサンバイマン」(藤井青銅さん脚色)や、女性出演陣と渡辺いっけいさんの会話に的を絞った「五番目のサリー」(じんのひろあきさん脚色)、一部の登場人物の設定を大幅に改変した「妖精作戦」(関澄一輝さん脚色)のように工夫されているなあ、と感じる脚本もあります。
一方、オリジナル作品は脚本家さんの腕次第で、最初からラジオドラマにあった脚本を作ることが可能です。
最近の作品では「屋上デモクラシー」の第8回(高羽彩さん作)がほぼ全編インタビューへの回答という形式を取っているのは面白い例だったと思います。
原作作品にしろ、オリジナル作品にしろ、脚本家さんの腕が重要というのはラジオドラマの共通の特徴だと感じます。

************************************************************************
次の特集は「お勧め作品:妖精作戦シリーズ編」です。
次の何でもベストテンは「最多原作者」シリーズです。
************************************************************************

★本文内のリンクについて★
本ブログは、紹介したラジオドラマからスタートして、関連している作品、していない作品、原作などの様々な作品に興味を持っていただきたいと思い、本文の随所にリンクを設置しています。
特に外部リンクと明示してあるものと、アマゾンの画像以外は原則として本ブログ内へのリンクに限定しておりますので、安心してリンク先の記事をお楽しみください。


【2013/8/28追記】
本記事で「作」扱いしている作品のうち一部は、この記事のアップ後に、ラジオドラマ以前に原作小説があることがわかりました。
具体的には以下の記事ですが、現在、これらの作品は本ブログでの扱いを「原作」扱いに変更してます。
本来遡って、本記事も修正すべきですが、再集計が大変なのと、今後も同様のことが判明する可能性もあることから、特に修正していません。
ご容赦ください。

・成井豊さん「あたしの嫌いな私の声
・藤井青銅さん「超能力はワインの香り
・藤井青銅さん「愛と青春のサンバイマン
・村田喜代子さん「盟友」
・竹内真さん「カレーライフ

【2013/8/31追記】
「夢のたてがみ」(サウンド夢工房)も原作扱いに変更したが本記事は修正せず。

【2013/12/23追記】
以上のものとは逆に、「21世紀のユリシーズ」はこの特集では「原作あり」扱いにしていたのにオリジナルだったようです。
これも本記事の集計は変更していません。

【2015/2/3追記】(※1)
2015年2月放送の「ニコイナ食堂」をもって樋口ミユさんが「2作品採用脚本家」に仲間入りしたので、追加。

【2015/7/18追記】(※2)
2015年7月放送の「人食い大熊と火縄銃の少女」をもってオカモト國ヒコさんが「2作品採用脚本家」に仲間入りしたので、追加。

関連記事

□スポンサーリンク□

テーマ:ラジオドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://seisyunadvroad.blog.fc2.com/tb.php/55-b739da63
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad