青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

屋上デモクラシー 作:高羽彩(青春アドベンチャー)

作品:屋上デモクラシー
番組:青春アドベンチャー
格付:A-
分類:少年
初出:2012年3月12日~3月23日(全10回)
作 :高羽彩
演出:渡辺哲也
主演:三田村陽斗

原田ヒデオは中学2年生。
信条は「静かに、大人しく、波風たてない傍観者であれ」。
そんな彼にとって、教室の人間関係の息苦しさから逃れられる屋上は大切な場所だった。
しかし、隣の中学で起きた屋上からの転落事故が原因で、彼の通う中学校の屋上も閉鎖されることになってしまう。
矢も楯もたまらず屋上に駆け出すヒデオ。
そこには、同じように屋上閉鎖に反対する田端ヤスナリと木村マノが、金属バットで屋上の南京錠を破壊する姿があった。
とっさに屋上には来たものの、特にこれといって何かをしたいと思ってはいなかったヒデオ。
しかし、美少女マノの気を引くために曖昧な態度を取っているうちに「屋上閉鎖反対運動」に巻き込まれてしまう...

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大阪局制作の中学生の青春物語で、青春アドベンチャーでは比較的少ない原作のないオリジナル脚本のドラマです。
この話、「青春」であるのは確かだとしても、どこが「アドベンチャー」やねん、という見方もありそうですが、学校に逆らって運動を展開するのは、中学生にとっては十分過ぎるほど「アドベンチャー」だと思います。
余談ですが、考えようによっては、社会人が会社に逆らうのはそれ以上に「アドベンチャー」ではあります...

さて、本作では、最初は、反骨心の強いヤスナリや自分の居場所が絶対に必要なマノに流されるだけだったヒデオが、段々と自分にとっての屋上の意味を考え、主体的にやるべきことを探していく姿が描かれています。
といっても真面目一方の作品ではなく、舞台が大阪で登場人物達が皆、大阪弁で話すこともあり、全編にどことなくユーモラスな雰囲気もあります。
それにしても作中で使われている「運動」の用語、私もそれを体感した年代とはほど遠いのですが、リアルな中学生リスナーが聴いていたとしても恐らくは全く意味がわからない単語だと思います。
他国を排斥することに汲々とし内向きの同調圧力が強くなるばかりの今のわが国では、この作品はあまり受けない内容だと思います。
それにさっぱりと背を向けた脚本家の高羽さん(タカハ劇団主宰。本作品の翌年にはテレビアニメ「サイコ・パス」の脚本に参加)とNHKの制作陣こそ一番気骨があるのかも知れません。
ただ、主人公達の成長物語としてみると、後半、この3人の活躍というより、世慣れた生徒会長の活躍が目立つようになったのが少し思いがけない展開でした。
まあ、反骨心の強すぎるヤスナリや頼りないヒデオやマノだけでは物語を着地させることはできなかったかも知れません。

なお、登場人物の台詞は、原作つきの作品のような小説の紙上の台詞をそのまま切り取ったようなものではなく、しゃべることを前提にした凝った台詞だと感じました。
また、第8話のほぼ全編は、取材に来たテレビクルーに登場人物たちが返答している形式という凝った構成です。
さすがプロの劇作家、高羽さんの脚本です。

主役のヒデオ役の三田村陽斗さんは出演当時15歳だったようです(三田村さんは同じ大阪を舞台にした「プリンセス・トヨトミ」にも出演されています)。
準主役のヤスナリ役の小西武さんは14歳、木村マノ役の田尻二葉さんも13歳(いずれも出演当時)で、登場人物達の年齢設定にあわせた配役です。
子どもの役を大人がやるべきか、同じ年代の子どもの役者がやるべきかは色々議論があるところだと思います。
本作はヒデオのモノローグの部分が多く、高羽さんの凝った台詞もあり、さすがに本職の声優さんと比べると流ちょうとは言いがたい部分もあるのですが(もちろん皆さん下手という訳ではありません)、このような日常系(ジャンル区分はこちら)の作品ではやはり実際の年代の役者さんがやった方が雰囲気が出ると思います。
もちろん全員大阪出身で、全員大阪弁ネイティブのようです。
さすが大阪局製作です。
ちなみに、後日、このブログの読者の方が、どんな検索ワードで辿り着かれたかを調べたところ、なぜか田尻さんが上位にkました。
ひょっとして人気のある方なのでしょうか?

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