青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

家族ホテル 原作:内海隆一郎(青春アドベンチャー)

作品:家族ホテル
番組:青春アドベンチャー
格付:AA
分類:少年
初出:1997年5月5日~5月16日(全10回)
原作:内海隆一郎
脚色:下川博
演出:岩谷可奈子
主演:山本耕史

僕は村上吾郎、18歳。日本人の父親とアメリカ人の母親を持つ。
父と一緒に移住したアメリカで、ある問題を起こしてしまった僕は、父の元を離れ、若者の集まる街、渋谷で自活しようと一人で日本に戻ってきた。
しかし、日本に着く早々、スリに全財産を盗まれてしまい、たまたま出会ったチンピラのケンジに紹介されたバーのギタリストという仕事も、マスターとトラブルになり、逃げだしてしまった。
結局、父親のコネを頼って、日本橋、水天宮近くの小さなホテルに持ち着いくことになったのだが、そこで僕は、逃げ出す際に殴ったマスターが、その日のうちに死んでいたことを知った。
僕は人を殺してしまったのか、それとも…

―――――――――――――――――――

本作品「家族ホテル」は、下町の小さなホテル「フォレストホテル」を舞台とした少年の成長物語で、内海隆一郎さんの書いた小説を原作とするラジオドラマです。
主人公の吾郎は、アメリカで「ある事件」を起こし、父親からの信頼を失い(と本人は思っている)、自分自身も自信を失ったことから、逃げるように日本へやってきました。
そして、日本でもうまくいかず、さらなる失意のどん底にあった吾郎を迎え入れたのが下町の人情ホテル。
本作品は一言でいれば、冒頭に書いたように少年の成長物語であり、一種の人情ものでもあります。
正直、私としてはあまり得意なジャンルではないのですが、これがなかなか惹きつけられる作品でした。
その最大の原因は、上記の粗筋を見ても分かるとおり、殺人事件を絡めたサスペンス的な要素があることだと思います。
さらにサスペンスというだけではなく「殺人事件の真犯人は誰なのか」ということが終盤まで明らかにされない(大体想像はできちゃうのですが)点では一種の推理ものの雰囲気すらあります。
とにかくこの殺人事件を軸に、ストーリーはそれなりに緊張感ももって進むため飽きずに聞くことができました。
また、冒頭では頼りない一辺倒だった吾郎も、終盤は他人を思いやることや要所では維持を通すといった人間性の面での成長が見えますし、事件の真相を探り出すという知性面でもなかなかの力を発揮するようになります。
こういった吾郎の成長が見られるという意味でも気持ちの良い作品でした。
この辺、テレビドラマでも活躍された下川博さんの脚色が効いていると感じます。

ちなみにこの吾郎を演じたのは、2015年に女優の堀北真希さんと結婚したことで話題になった俳優の山本耕史さん。
くー、うらやましい!
…という話は置いておいて、2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」の土方歳三役でブレイクした山本耕史さんですが、本作品はその7年前の作品です。
山本さんは1995年の「オーバー・ザ・ハポン~空の彼方(かなた)へ」でも主演されていました。
有名俳優さんが出演されることもある青春アドベンチャーですが、これはブレイク前の俳優を先物買いしたパターン。
そういえば同じ「新選組!」でブレイクした堺雅人さんも同じパターンでしたね(「不思議屋薬品店」)。

さて、本作品の山本さんは、成長する主人公を好演しているわけですが、本作品のキャストの妙は実は別のところにあります。
それは「おじさん連中」を演じたみなさま。
特に名前を挙げるなら、ホテルの主人を演じた田山涼成さんと、そのご近所で花屋の主人を演じた大塚周夫さんでしょう。
田山さんといえば、禿げ上がった頭も印象的な、小役人・下っ端警官を演じさせたら右に出る人はいない役者さん。
そのなかなかにカッコいい声を生かして、「北壁の死闘」などの青春アドベンチャー作品ではかなり渋い役も演じているのですが、本作品は外見にあった(?)気弱な中年男役で、やはりこういう役もすばらしいです。

一方の大塚周夫さんは、「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男や、チャールズ・ブロンソンの吹き替えで有名な往年の名声優さん。
大塚周夫さんといえばアドベンチャーロード時代の名作「A-10奪還チーム出動せよ」。
その他「成層圏ファイター」、「脱獄山脈」なども印象深い。
青春アドベンチャーの最後の出演は2000年の「封神演義」かな?
2015年1月に惜しくも亡くなられましたが、最近では息子さんの大塚明夫さんが有名な声優さんになっています。

ちょっとコミカルな演技も得意な田山さん・大塚さんコンビですが、このふたりが起用されていることからもわかるように、本作品のキャストは木村季果さん、佐々木庸子さん、伊東由美子さん、中込佐知子さん、石田圭祐さん、津久井教生さん、島津冴子さんといった風に、俳優さん・声優さんの両方がまじりあって出演しているのが面白いところです。

最後におまけ。
本作品でもNHK恒例の固有名詞の普通名詞変換を見つけました。
それは「ディズニーランド」を「浦安の遊園地」と言い換えていること。
「まっかな車」(=ポルシェ)並みに苦しいですね。
一方で、puffyの「アジアの純真」はそのまま出てくるのですけどね。




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