青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

【「今日は一日ラジオドラマ三昧」の放送内容紹介】第二部

番組:今日は一日ラジオドラマ三昧(第二部)
初出:2015年9月23日午後7時20分~午後10時45分

この記事は2015年に9月23日に放送された「今日は一日ラジオドラマ三昧」を紹介する記事の第3回目です。
第1回第2回では午後0時15分から午後6時50分までの第一部を紹介しました。
この第3回ではニュースと天気予報で中断後の午後7時20分から再開された第二部を紹介します。

時刻分類内容
19:20-ドラマ「平成浮世床」(今日は一日ラジオドラマ三昧特別生ドラマ)
脚本:大橋泰彦、演出:川口泰典
出演:松田洋治、長谷川真弓、進藤理恵
再就職の面接に行く前に髪を切ろうと思い立った男。しかし、なじみの床屋が閉店していたため、やむなく近くにあった「美容室ウエルカム」なる店に入ってみた。偶然入った店だが店主の女性は男のことを知っているようなのだが…

第二部は、この日の目玉の一つ、19分間の生(ナマ)ドラマからスタート。出演者のみならず、効果音もナマとのこと。日本でラジオ放送が始まった90年前からラジオドラマはあったが、当時はこのように全てナマだったらしい。
なお、本ラジオドラマの3人の出演者のうち進藤理恵さんは出番が少なく、ほとんど松田さんと長谷川さんの2人の会話だけでストーリーは進む。開始前は緊張している風の二人(特に長谷川さん)だったが、MCをしているときより演技の方が滑らかで、噛むことも全くなく、さすがの役者さん。
19:40-トークとはいえやはりホッとした様子の松田さんと長谷川さん。トークにも一山登り終えた感が漂う。
一山登り終えた二人が紹介する、次に放送されるドラマは「一山登る」ストーリーの「ザイルの二人」。
「一丁目一番地の主題歌」
1953年から8年間で全2025回放送されたラジオドラマの主題歌。
19:55-ドラマ「ザイルの二人」第3回(ふたりの部屋)1983年1月
原作:鴨満則・鴨秋子、脚本:馬場民子、演出:伊与田静弘(名古屋局制作)
エギーユ・デュ・ミディ北壁。ペルラン氷河からそそり立つ1300mの岩場に挑む鴨満則・鴨秋子夫婦。その恐怖、葛藤、岩場の夜の語らい、そして登攀の感動等。
原作は「ザイルの二人 満則・秋子の青春登攀記」。
出演は樋捕勉(ひうら・べん)さんと小山茉美さんのお二人のみ。そもそも登場人物も鴨満則・鴨秋子のお二人のみのシンプルな作品。磯部勉さんといえば「A-10奪還チーム出動せよ」や「魔弾の射手」、小山さんといえば「オルガニスト」や「サハラの涙」など多くの出演作品を紹介済み。 松田さんは「登山ものをラジオドラマでやるのはチャレンジ」というが、山登りものは効果音の威力が特に発揮されるジャンルであり、ラジオドラマに山登りはよく似合う。実際、「垂直の記憶」、「北壁の死闘」、「脱獄山脈」など山岳ものには名作が多い。
それにしても1回分だけではなく全回聴きたいところ
20:05-トーク「ザイルの二人」の感想と、次の「『気分はだぼだぼソース』日本の異様な結婚式について」の紹介。
両作品とも視聴者が保存していたカセットテープから音源を再生したものとのこと。残念ながら後者はモノラル音源だが、かなりきれいな音質。
ふたりの部屋」は、青春アドベンチャーほどではないが、1978年から85年まで(後継の「カフェテラスのふたり」まで含めれば88年まで)続いた長寿番組だったが、古すぎるため、現在、聴くことはなかなか困難な番組。
20:10-ドラマ「『気分はだぼだぼソース』日本の異様な結婚式について」第2回(ふたりの部屋)1982年5月
原作:椎名誠、脚本:津川泉、演出:大沼悠哉
椎名誠さんのスーパーエッセイを原作としたエッセイ風のドラマ。出演者は、伊武雅刀さん、佐々木允さん、島津冴子さんの3人(「ふたりの部屋」だけど3人)
この日放送された第2回のテーマは「式場写真の美の研究」で、結婚式場に集う人々の服装と集合写真の風景を椎名流に面白おかしくかつ辛辣に切り取ったもの。
「中年男性が略礼服を着るとなぜか酔っ払っているように見える。これは最高にコーディネートされている伝統の美。」
20:25-トーク長谷川さんの「伊武雅刀」愛(あるいは「スネークマンショー」愛)が語られる。その他、視聴者からのメッセージの紹介など。
なお、「スーパーエッセイ」という呼称の由来については、同じ「ふたりの部屋」で放送された「さらば国分寺書店のオババ、かつをぶしの時代なのだ」の記事を参照のこと。
20:35-トークこの日、3組目の生ゲストである作家の村山由佳さん登場。村山さんは現在、NHK-FMで「眠れない貴方へ」というトーク番組のMCを隔週で担当されており、当番組の出演にも慌てた様子は全くなし。
なお、村山さんご自身、中学高校と放送劇をやっており、ラジオドラマは大好き。自身の作品として初めて「天使の卵」(エンジェルス・エッグ)が青春アドベンチャーで放送された際には正座して聴いたとのこと。
20:45-ドラマ「おいしいコーヒーのいれ方 メモリーズ」第1回(青春アドベンチャー)2006年11月
原作:村山由佳、脚色:佐藤ひろみ、音楽:梶本芳孝、演出:千葉守(メモリーズ演出:大久保篤)
メモリーズの詳細はすでに紹介済みのこちらの記事を、さらにその元となっている「おいしいコーヒーのいれ方Ⅰ~キスまでの距離」についてはこちらの記事を参照。
なお、本放送時のメモリーズには主演の内田健介さん、長谷川真弓さんのフリートークが付いていたが、この日の放送では省略されていた。
20:55-トーク引き続き村山由佳さん出演。ドラマを聴いた直後で原作者の村山さんも、主演の長谷川さんも照れまくり。さらに東京都在住の○○○○さんからのメッセージも読み上げられ、一層賑やかに。
なお、村山さんは「おいしいコーヒーのいれ方」の原作続編の執筆継続を明言されていた。さてラジオドラマの続編はどうなることやら。
そういえば、内田健介さんおめでとうございます。
以下の曲を挟んで「シュナの旅」の紹介。
「夢と君にありがとう」(kotone)「おいしいコーヒーのいれ方」エンディング曲
21:20-ドラマ「シュナの旅」(ドラマスペシャル)1987年5月
原作:宮崎駿、脚色:宮田雪、音楽:AKIRA、演出:保科義久
「シュナの旅」もすでに紹介済みなので、内容はこちらの記事を参照のこと。
世界で最初に放送電波に乗って放送されたPCMサラウンドの作品とのことで、この日放送された音源もとても綺麗であった。
22:20-トーク「シュナの旅」の放送を受けて、スタジオジブリの鈴木敏夫氏へのインタビュー(録音)を紹介。「シュナの旅」はル・グウィンの「ゲド戦記」から着想を受けた作品、宮崎駿はラジオドラマ好き、などの面白い情報もあった。
それにしてもこの鈴木氏、ぺらぺらしゃべるのでマスコミ受けするのかも知れないが、ジブリ関係の報道でやたらと前に出てくる。
この日も「私はわかっていた」「吾朗君とつくっているときに」「こういうときに宮崎駿に聞けるのは僕しかいない」など、いつもどおり「自分が自分が…」。岡田斗司夫氏とガイナックスの関係でも同種の印象を受けるが、プロデューサー気質なのだろうか、どうにもうさんくささを禁じ得ない。本人は「宮崎駿を使いこなしている」と思っているのだろうが、実はこのような人物を自分の作品作りのために利用している宮崎さんの器の大きさをより感じる。
それにしても手塚治虫さんという戦後日本の大衆文化における巨人を失ったのがこの「シュナの旅」放送の2年後の1989年。1989年は宮崎さんの「魔女の宅急便」が公開された年だが、この頃からスタジオジブリが会社として体制が強化されていく。偶然ではあるが、手塚さんの退場と宮崎さんの名声の確立がほぼ同時期であり、最高のタイミングで手塚治虫から宮崎駿へバトンタッチが実現していたことを考えると、なかなか感慨深い。
なお、このトークパートで流された曲は、その手塚治虫さん原作で「連続ラジオ小説」でラジオドラマ化された「火の鳥 鳳凰編」の主題歌。
曲の後、メッセージの紹介と、第2回の「ラジオドラマ三昧」を期待する松田さん、長谷川さんお二人の言葉で終了。

番組終了直後に、ラジオドラマ番組である青春アドベンチャーの「双子島の秘密」(第3回)が放送されるたのは、なかなかよくできた流れでした。
個人的には自分が送ったメッセージが読み上がられたことも記念になりました(どのメッセージかはナイショです)。

全体を聴き終わってみると、作品チョイスといい、ゲストといい、全体構成といい、そしてMCの選択といい、よくできた番組だったと思います。
是非、第2回の放送をお願いしたいところです。
また、このブログ的には「ラジオドラマ三昧」ではなく「青春アドベンチャー三昧」も期待したいところ。
今回、90年代青春アドベンチャーの象徴とも言える演出の川口泰典さんのお声を聞けたのは予想外の成果でしたが、まだまだ四半世紀に及ぶ青春アドベンチャーの歴史には多くの名物男(名物女)がいます。
「青春アドベンチャーで最も多く脚本を書いた男」藤井青銅さんや、「ヒロインとして最多出演し、脚色まで手がけた」前田悠衣(真里)さん、「青春アドベンチャー出身の出世頭」上川隆也さん・渡辺いっけいさん・松重豊さんなどなど。
また、インタビューも良いのですが、今回で入門編が終わったと言うことで、がっつりとラジオドラマを流す形の番組も期待したいところ。
リクエスト受付も楽しみです。
でもラジオドラマを流しっぱなしにするのだったらやはり特番ではなく、レギュラーの専用枠が必要なのかも知れません。
深夜でも良いのでお願いできませんかねえ。


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