青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

くたばれ!ビジネスボーグ 原作:草上仁(青春アドベンチャー)

作品:くたばれ!ビジネスボーグ
番組:青春アドベンチャー
格付:A-
分類:コメディ
初出:1993年9月6日~9月17日(全10回)
原作:草上仁
脚色:福田卓郎
演出:川口泰典、外山正恵

元詐欺師の大友が経営する「大友人材派遣有限会社」は、社員4人の小さな会社だ。
しかし、その4人は精鋭揃い。
天藤・麗子の美男美女コンビに、異常な記憶力の持ち主・後藤、そして数学の天才・菅谷。
これだけの人材が揃えば会社は順風満帆…のはずだったのだが、あれよあれよという間に、世の中に身体の一部をビジネス用に改造したサイボーグ人材(=ビジネスボーグ)があふれてしまい、生身の人間ばかりの大友人材派遣有限会社は開店休業状態になってしまった。
そんな中、大きなビジネスチャンスが舞い込んできた。
ある銀行が、送電システムのトラブルで、3日間、全てのコンピューターとサイボーグ部品が停止することになってしまったのだ。
早速、生身の人材による銀行業務の代行サービスを売り込みに出かけた大友だったのだが…

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SF小説家・草上仁さん原作の小説「くたばれ!ビジネスボーグ」をラジオドラマ化した作品です。
草上仁さんの小説では最も早く青春アドベンチャーに取り上げられた作品で、本作品が好評だったからか、その後、草上さんの小説4作品が原作として採用されることになります。
本ブログではこのうち「愛のふりかけ」をすでに紹介済みです。
なお、脚色の福田卓郎さんにとっても本作品は青春アドベンチャー初参加の作品。
「仮面ライダーゴースト」、「富豪刑事」(深田恭子さん主演)、「警部補 矢部謙三」(生瀬勝久さん主演)などのテレビドラマの脚本を手がけられている福田さんですが、青春アドベンチャーでは本作品以降、2014年の「放課後はミステリーとともに『探偵部への挑戦状』」まで20年以上に亘って断続的に脚色を担当されることになります。
そういえばちょい役ですが、本作品でも生瀬勝彦さんが出演されているのは面白いところですね。

ところで、本作品の原作者の草上さんはSFマガジンにも寄稿しているSF作家であり、本作品もビジネスマンが身体の一部をサイボーグ化した「ビジネスボーグ」になることが一般化している近未来の社会を舞台にしています。
その意味では一応SFではあるのですが、科学的なギミックよりも、トホホ感あふれる登場人物達のコミカルな演技と爽快なリベンジが印象的な作品ですので、本ブログでのジャンルは敢えてコメディにさせて頂きました。
それにしても本作品中で、記憶を拡張するための記憶装置として「20GBのMOディスク」がでてくるのですが、本放送から20年経った今では「20GB」も「MO」もかなり陳腐化したテクノロジーです。
SFはこの辺が怖いところですね。
陳腐化と言えば「有限会社」自体が陳腐化していますが(有限会社制度は2006年廃止)。

さて、本作品のタイトルは「くたばれ!ビジネスボーグ」な訳ですが、実際にはビジネスボーグと格闘する話しではなく、ビジネスボーグを頼りに小ずるく立ち回る雇い主と戦う内容です。
しかし、戦うとは言ってもスマートなものではありません。
冒頭の紹介を読むと一騎当千のビジネスマンにも見える大友人材派遣有限会社の面々ですが、実態は機械音痴で空気も読めない天藤(演:岩尾万太郎さん)と麗子(演:華村りこさん)、そして、記憶力の良さはギャンブルにしか活かしていない後藤(演:古田新太さん)に、暇があれば寝ている、まさに眠れる天才・菅谷(演:池田成志さん)といった状態。
どうにも困ったちゃんばかりで、元詐欺師の大友(演:渡辺いっけいさん)が常識人見えるほどです。
苦労性の大友が、顧客と社員に翻弄されつつ、それでも社員達の一芸で何とか事態を乗り越えていきます。
そして終盤には大友も本領を発揮。
策を巡らし“敵”を追い詰めていくのですが、この辺は聴いて(読んで)のお楽しみとしましょう。
なお、このような個性的なキャラクターが満載の本作品ですが、実は一番個性的なキャラクターは彼らではなく、序盤に銀行の客として登場する「倉田一」(くらたいち)です。
小須田康人さんが、高い声でハイテンションに演じるこの倉田一。
「16輪トラックに乗った射撃凶の億万長者」で「銀行の頒布品のティッシュと貯金箱」強いこだわりを持つ」という実にとんでもない男です。
インパクト重視の導入部のワンポイントキャラかと思ったら予想以上に大活躍してくれました。
小須田康人さんの快演に拍手です。

なお、主演の渡辺いっけいさんは、この時期の川口泰典さん演出作品の常連出演者さんでした。
北壁の死闘」や「五番目のサリー」のようなシリアスな作品もありましたが、本作品や「サンタクロースが歌ってくれた」のようなトホホ感あふれる役も多かったように思います。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。




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