青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

ラジオドラマと小説の比較

はじめに」で書いたようにラジオドラマは今ではすっかり下火になっており、聴いたことがない方もいらっしゃると思います。
本記事ではラジオドラマなどのオーディオドラマを聴いたことがない方に、小説との比較で青春アドベンチャーの魅力をお伝えしたいと思います。
比較対象として小説を取り上げたのは、ラジオドラマの原作として最もポピュラーなのが小説であり、多くの青春アドベンチャー作品は原作小説と比較ができるからです。
また、例えば漫画と比較すると、絵という視覚からの直感的な情報がなく、受け手に想像力が必要とされる(逆に言うと想像力が刺激される)という点で小説の方がラジオドラマに類似していると思います。
実際、青春アドベンチャーで漫画原作の作品は決して多くはありません。
最近では「見かけの二重星」くらいでしょうか。
漫画がNHKのスタッフに軽く見られているのではないかという推測も成り立ちますが、漫画と同じように若年層向けと見られているライトノベルは原作として多く取り上げられており、制作陣が漫画に偏見を持っているとは思えません。
考えてみると、ラジオドラマの伝達媒体が「音」であるに対して漫画は「絵」、ラジオドラマは音で表現し切れない「絵」を日本語(ナレーション)で表現するのに対し、漫画は絵で表現し切れない「音」を日本語(擬音の書き文字)で表現しており、表現手段が正反対の関係にあることになります。
漫画原作の青春アドベンチャーが多くないのは、漫画とラジオドラマの表現手段の本質的な違いにより、そもそも漫画はラジオドラマ化しづらいという構造がある気がします。

さて、話しをラジオドラマと小説の比較に戻します。
二つを比較してみると、ラジオドラマはラジオドラマであるが故の制限があることに気がつきます。
例えばラジオドラマ中の会話スピードは、基本的には現実の会話スピードとほぼ同じにせざるを得ません。
また、台詞以外で状況描写をしようとすると、ナレーションや登場人物のモノローグを利用するしかありません。
ナレーションは多用しすぎると朗読のようになってしまい、できれば多用は避けたいところですが、状況を描写するのに最も手っ取り早いやり方ではあります。
しかし、ナレーションも結局人の声でありナレーションを多用したとしても、例えば15分の青春アドベンチャー1話で表現できる情報は、人間が15分で話すことができ、かつ、聞き取れる量が上限にならざるを得ません。
実際のラジオドラマは朗読とは異なり、効果音が入ったり、台詞の間が生じるので更に短くなります。
そのため、ラジオドラマの時間当たりの状況説明力はどうしても小説に劣り、小説と同じ内容を盛り込もうとすると時間が足りなくなり大作にしないと表現しきれなくなる傾向があると思います。
また、基本的に放送側のペースで話しが一方的に流れていくため、リスナー側はそのペースにあわせる必要があります。
具体的には放送を止めたり前に戻ったりができません。
録音すれば可能ですが実際いちいち聞き直すのは面倒くさいので、なかなかそこまではしないのが現実かと思います。
この欠点については推理系の作品で顕著になります。
放課後はミステリーとともに」や「二の悲劇」でも書きましたが、謎解きに直結する重要なシーンを聞き逃すと、致命的に話がわからなくなります。

一方、ラジオドラマで表現できて小説に再現できないのは何と言っても「音」です。
例えば効果音。
アイガー北壁に吹き荒れる吹雪(北壁の死闘)、息を詰めてじっとしている潜水艦に迫る魚雷や爆雷の音(幽霊海戦)左から右に吹っ飛んでいくジェット戦闘機(ドラゴン・ジェット・ファイター)、飛び降りて段々小さくなる声(妖精作戦)など、効果音の説得力は小説では絶対マネできない要素です。
もう一つ「音」といえば、出演者の「声」。
役にあった説得力のある声で演技されるととても心地よいものです。
その他に番組の雰囲気にあったテーマ曲や挿入歌なども含めて、実際の音を表現できない小説では決してマネできない領域です。
そのためラジオドラマの出来は効果音や選曲の担当者の腕が左右していると感じます。
その点で、青春アドベンチャーの選曲を長年担当されてきた伊藤守恵さんが他界された(らしい)ことは本当に残念です。
小説は文字という記号を頭で翻訳しないと決して理解できません。
一方、きちんとした音の表現が出来れば、ラジオドラマは直感的な楽しさの点で勝っていると思います。
その良さが特に発揮されるのが、SF系や冒険系(→ジャンル区分はこちら)の作品。
乗り物の移動や自然の音などがスピーディーに表現されるためラジオドラマに馴染みやすいジャンルだと思います。
また、私は個人的にはあまり好きなジャンルではないのですが、出演陣の声自体が出来の勝負の鍵を握る日常系もラジオドラマ向きだと思います。
あとはホラー系。
ヘッドホンで聴いている状態だと耳元で囁かれるようで、場合によってはかなりビビります。
音だけだからこそ恐怖感が増すということもあるのだと思います。

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