青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

びりっかすの神さま 原作:岡田淳(青春アドベンチャー)

作品:びりっかすの神さま
番組:青春アドベンチャー
格付:AA
分類:幻想(日本)
初出:2014年12月15日~12月19日(全5回)
原作:岡田淳
脚色:今井雅子
演出:吉田努
主演:田村睦心

「頑張れ。」
その一言を残して始(はじめ)の父親は死んだ。
どういう意味で父親がその言葉を始に残したのか。
いくら考えても、始には答えは出ない。
そんな始は、転校した新しい小学校で不思議な“おじさん”に出会う。
よれよれのスーツを着て天使みたいな羽をつけたおじさん。
でもよく見ると半透明だし、身長も筆箱にちょうど入るくらいしかない。
しかも始以外のクラスメイトには見えないようだ。
自分のことを「びりっかす」と名乗ったおじさんが言うには、自分はこのクラスの「びりはダメ気分」(=ビリになりたくないという恥ずかしい思い)が生んだ存在なのだという。
確かにこのクラスはちょっと雰囲気がおかしい。
やたらと頻繁に5分間テストをやるし、その成績で席順を決めているようなのだが。

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本ラジオドラマの原作である児童文学作品「びりっかすの神さま」は、小学校教師をしながら文筆活動も続けた岡田淳さんの作品です。
岡田さんの原作作品は、青春アドベンチャーでは2012年の「二分間の冒険」に次いで2作品目です。
主人公が小学生という意味で両作品は同じですが、異世界が主な舞台だった「二分間の冒険」と比較して、本作品は小学校内が舞台であり、まさに岡田さんの本領発揮の作品だと思います。

さて、冒頭に書いた本作品の粗筋を読んでどう思われましたか?
「どうせ説教臭い話なんだろう」と思いませんでしたか?
私は思いました。
「どうせ一番にならなくてもいいとか、個性が大事とか、必死に頑張るより自分らしく生きることが大切なんだとか、そんな『世界に一つだけの花』的な生ぬるい話なんだろう。」と。
正直言って、「二分間の冒険」もあまりピンと来る作品ではなかったですしね。
はっきり言います。
やっぱり説教臭いです。
でも、意外と面白い作品なのも事実なのです。
まず、“びりっかすさん”がクラスでビリの人にしか見えないという仕掛けを利用して、なかなか意外な展開が続くこと。
そして、それが終盤のクラス対抗リレーの盛り上がりにうまくつながり、先生の出番を経て、始の最後のセリフでタイトルをふと思い出させるところまで、短いながら締まった作品です。
全5話と短いことがむしろ良い印象につながっていると思います。
この辺は脚本の今井雅子さんの功績も大きいのでしょうか。
例の説教臭い部分についても、上記の『世界に一つだけの花』的な要素は少なく、説教であるのは確かにしろ、悪くない説教だったと思います。
個人的な思い出で恐縮ですが、ちょっと思い出したのが高校の数学の先生が卒業前の最後の授業で言ったこと。
その先生は「この後も一生ひたすら勉強を続けなさい。勉強だけがあなたの身を助けます。」と最後の授業を締めくくりました。
教師って「大切なのは勉強だけではない。色々なことを経験して人間的に成長して下さい。」的なきれいごとを言うのが大好きだと思います。
もちろん後者の発言も真実だとは思いますが、少なくともこれを前者の発言を否定するために使うのは間違いだと、大人になった今は思います。
...だいぶ臭い話になったので、真面目な話はここまでにしましょう。
この作品、そもそもそんなに真面目な作品ではありませんし、改めて考えると、結局、クラス全員でカンニングをしただけなのでは?という疑問もないわけではないですしね。

さて、本作品の出演者を紹介しますと、まず主役の始役を「二分間の冒険」でも主役を演じられていた田村睦心(たむら・むつみ)さんが、またもうひとりの主役?の“びりっかすさん”役を俳優の小林顕作さんが演じています。
青春アドベンチャーの場合、少年役に未成年の子役を起用することも多いのですが、本作品は少年全員を女性陣が演じています。
特にアニメ畑の声優さんが多く、主演の田村さんのほか、久野美咲さん、渡辺明乃さん、川澄綾子さんが該当します。
特に川澄綾子さんは「Fate」のセイバー、「のだめカンタービレ」の野田恵など多くのアニメで、主役又はヒロインを務められた有名声優さんのようです。
青春アドベンチャーでは恐らく「二分間の冒険」に次いで2度目のご出演なのではないかと思いますが、両作品とも端役に近い役。
すでに2015年の放送予定の「ニコルの塔」でも出演が予定されていますが、これも並び順からするとあまり重要な役はないようです。
青春アドベンチャーでは、アニメ声優さんが上手くフィットするアニメっぽい作品は、多くても年間数作品しかないのですが、川澄さんは「星界の紋章」シリーズ(ラフィール役)でオーディオドラマの経験も豊富のようです。
この辺で川澄さんの凛々しい声を生かしてバーンと主役級をやって頂いても面白いのではないかと思います。

さて、2014年最後の放送作品が「びりっかす」というタイトルなんて、ちょっと出来すぎのような気がしますが、期待していなかった分、気持ちの良い作品で終わってうれしいところです。
演出の吉田努さんは、もともと「少年漂流伝」や「645~大化の改新・青春記」など凝った企画のオリジナル脚本作品が多かった印象が強い方ですが、ここ10年ほどのエンターテイメント性の高い作品(「DIVE!!」「スピリット・リング」「リテイク・シックスティーン」、「旅猫リポート」、「砂漠の王子とタンムズの樹」など)も期待を裏切らない作品が多いと感じています。





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