青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

魔術師の大失敗 ランドオーヴァーpart2 原作:テリー・ブルックス(青春アドベンチャー)

作品:魔術師の大失敗 ランドオーヴァーpart2
番組:青春アドベンチャー
格付:AA-
分類:異世界
初出:1995年9月11日~9月22日(全10回)
原作:テリー・ブルックス
脚色:高山なおき
演出:川口泰典
主演:松本保典

妖魔の王・マルクの侵攻を食い止め、名実ともにランドオーヴァー王となったベン・ホリデイ。
しかし、ランドオーヴァーの統治には未だ難問が山積している。
特に頭が痛いのは、数少ない信頼できる腹心達が能力面では必ずしも信用できないこと。
今回も宮廷魔術師のクエスターが、昔、手違いで犬にしてしまった宮廷書記アバーナシーを元の人間に戻す魔法を発見したと言い出した。
その魔法に王の証であるメダルが必要なこと、クエスターの魔法はいつも肝心な時に失敗することから、ベンとアバーナシーは魔法の実行に躊躇せざるを得ない。
しかし、クエスター本人は自信満々だし、精霊ウィロウもアバーナシーを助けられると積極的だ。
どうしたものか…

―――――――――――――――――――

本作品「魔術師の大失敗」は、米国のファンタジー小説家テリー・ブルックスの異世界ファンタジー小説「ランドオーヴァー」シリーズのうちの一作を原作とするラジオドラマです。
同シリーズの第1作「魔法の王国売ります」が1995年4月にラジオドラマ化され、その後半年も経たない9月に本作品がラジオドラマ化されました。
ただし、本作品は、原作の並び順では第3作目に当たります。
原作の第2作にあたる「黒いユニコーン」は本作品のあと、翌1996年にラジオドラマ化されました。
なぜラジオドラマ化の順序が前後したのかはわかりませんが、どちらが先であっても問題のない構成になっています。
…ということは結局、アバーナシーが人間に戻れるかどうかの結論もでてしまっている気がします…
スミマセン、ちょっとしたネタバレですね。

さて、本作品では前作以上にベンの友人達(正確には臣下だがベンは友人として扱っている)がクローズアップされます。
いつもおっちょこちょいのクエスター(演:海津義孝さん)や、巻き込まれタイプで愚痴っぽいアバーナシー(演:井上和彦さん)、そしてベンとの出会いを運命と信じて彼のフォローを惜しまないウィロウ(演:前田悠衣)はもちろん本作でも健在。
それに加えて前作では、物語を動かしている割には一段、劣る扱いだったフィリップ&ソットのノームのコンビも大活躍です。
ただし、自分勝手で、手癖の悪いノームのことですから、どちらかという迷惑な方向での大活躍ではあります。
なお、このノームコンビのうち、ソット役は前作に引き続き千紘あいさん(今回はナレーションは毬藻えりさん)が演じていらっしゃいますが、フィリップ役は高橋克実さんから腹筋善之助さん(マイルズ役も兼任)に変わっています。
一般的に、シリーズもののキャストは変わらない方が良いのは言うまでもありませんし、青春アドベンチャーでも変わらないことが多いのです。
しかし、このランドオーヴァーシリーズは例外的にレギュラーキャラのキャストが変わることが多いシリーズであり、主役のベンを演じる松本保典さん(「あの夜が知っている」などでも主演)でさえ、次作では交代することになります。
ランドオーヴァーシリーズにおける配役の変遷はこちらにまとめています。

何はともあれ、この松本さん演じるベンはうまく危機を切り抜けることができるのか。
今回は何と、元々ベンが暮らしていた現代のアメリカにまで冒険の舞台が広がります。
第1作の冒頭に登場して以降、もう出番はないんだろうなあと思っていた弁護士時代の同僚マイルズも再び登場して大活躍します。
それにしてもこのマイルズ、いいヤツだよなあ。
それはともかく、今回もベン自身が言っているとおり、「最初から避けるべきだったトラブルにはまり込んで、行き当たりばったりにもがいてばかり」の状況が続きますが、考えようによってはリスナーにとっても思いがけない展開ともいえ、本作品の魅力になっています。
いつも役立たずなクエスターが終盤に思い切った作戦に打って出て、予想以上に上手くやってしまうあたりはなかなか意外な展開でした。
ただし、この現実社会をも舞台にしてしまったことにより、「異世界ファンタジー」としてはやや中途半端なストーリーになってしまった感は否めません。
とはいえ、本作品は本格的な異世界ファンタジーと言うより、ユーモアファンタジーとも言うべき作品なので、これも良しというところでしょうか。

最後に、本作品のスタッフは、演出が名手・川口泰典さんで、脚色が劇団ダブルエッジの高山なおきさんです。
川口さんは非常に多くの青春アドベンチャー作品の演出を担当されていますが、高山さんは短編以外では、ランドオーヴァーシリーズしかご担当されていない方です。

(高山なおきさんおブログ:外部リンク)
http://doubleedge.exblog.jp/

【ランドオーヴァーシリーズ】
第1作 魔法の王国売ります
第2作 魔術師の大失敗【本作品】
第3作 黒いユニコーン(次作品、以下第5作まであり)

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。



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