青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

秘密の友人 原作:アンドリュー・クラヴァン(青春アドベンチャー)

作品:秘密の友人
番組:青春アドベンチャー
格付:A
分類:サスペンス
初出:1995年5月15日~5月26日(全10回)
原作:アンドリュー・クラヴァン
脚色:前田悠衣
演出:川口泰典
主演:加納幸和

小柄で髪が薄く、始終疲れているの中年男ネイサン・コンラッドは、妻アガサと娘ジェシカと3人で暮らす精神科の開業医である。
ある日、彼は、友人の精神科医サクスの押しの強さに負けて、殺人容疑者の娘・エリザベスを診察することになる。
エリザベスは信じられないほどの怪力で男を殺したのだという。
しかし、実際に会ってみたエリザベスは、緑色の瞳、黄金の髪、そして白い肌を持つ、まるで天使のように美しい女性であった。
そして、診察を始めたネイサンに対してエリザベスは「殺人を犯したのは自分ではなく自分にしか見えない『秘密の友人』だ。」と告白する。
多重人格か、それとも命令型の幻聴かと考えたネイサンだったが、事態は思いもよらぬ展開を見せ、彼の家族をも巻き込む事件へと発展していくのだった。

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米国の作家アンドリュー・クラヴァンのサイコ・サスペンスを原作とするラジオドラマです。
演出は、青春アドベンチャーで「五番目のサリー」(1993年)、「あの夜が知っている」・「アナスタシア・シンドローム」(ともに1994年)、「青の時間」(1996年)といった多くのサイコサスペンス・サイコファンタジーを演出した川口泰典さん。
精神科医は結構、特殊な職業であり、実際に、青春アドベンチャーで、川口作品以外で精神科医をクローズアップした作品は、「エンジェルス・エッグ」(原作:村山由香、演出:千葉守)くらいしか思いつかない中、川口さんは頻繁に題材に取り上げていました。
川口さん、よほど精神科医とサイコサスペンスに思い入れがあったのでしょうか。
なお、この作品、今までの紹介から「五番目のサリー」や「あの夜が知っている」のように、何らかの精神症状を治療することが作品の重要要素である作品と思われるかも知れませんが、必ずしもそうではありません。
主人公が精神科医であることはあくまで作品の一要素にすぎず、謎解きやアクションの要素が強いサスペンスものです。

さて、本作品の脚色をしているのは、「わたしは真悟」など、非常に多くの川口作品に出演されている元宝塚女優の前田悠衣さん。
本作品は前田さんが青春アドベンチャーに「脚本家」として関わった3番目の作品になります。
前田さんの脚色作品には、すでに紹介済みの「あの夜が知っている」のようにあくまで脚色のみを担当し出演はされていない作品と、本作品や「OZ(オズ)」のように出演もされている作品があります。
本作品では前田さんはヒロイン?のエリザベスと、主人公の娘ジェシカという重要な二役で出演されています。

さて、本作品は、冴えない中年男のネイサンが、事件に巻き込まれてしまった娘を助けるために悪戦苦闘する話です。
ネイサンを演じるのは、劇団「花組芝居」を主宰する舞台俳優・脚本家・演出家の加納幸和さん。何とも渋い配役です。
「巻き込まれた中年男」というとブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」を思い出しますが、ブルース・ウィリス演じるマクラーレンが警察官であるのに対して、ネイサンはあくまで医者。
修羅場に慣れているわけでも超人的な体力があるわけでもなく、結果、ネイサンは判断力はいまいち、行動力もいまいちな人物といわざるを得ません。
しかし、娘のために体を張る姿には、同じ子を持つ親としては涙なしには語れない...といいたいところですが、私が前田さんの演じる娘・ジェシカの演技に今一つ乗れなかったからか、あまりどこかのめり込んで聞けない部分がありました。
ただ、客観的にみると、向かいの窓の光、上層階の痰を吐いている老人、友人サクスの微妙に怪し行動、どこまで正気かわからなエリザベスの言葉などなど、なかなか面白い伏線が満載です。
先の見えないジェットコースター的な展開を楽しむエンターテイメント作品としてだけでも十分楽しめるとは思います。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。




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