青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

東京防衛軍 原作:よしもとよしとも(青春アドベンチャー)

作品:東京防衛軍
番組:青春アドベンチャー
格付:B
分類:コメディ
初出:1992年5月25日~6月5日(全10回)
原作:よしもとよしとも
脚色:藤井青銅
演出:佐藤譲
主演:蛍雪次朗

今、東京を未曾有の恐怖が襲う。
1992年5月、開発途上の湾岸ベイエリアで連続爆発事件が発生。
生存者は譫言のように「ヤスダ、ミシマ...」と謎の言葉を繰り返すのみ。
全く原因がわからない中、警視庁のジャイガ刑事と吉田刑事は、東京防衛軍なる珍妙な一団と共に事件解決の糸口を探ることになる。
「家業と東京防衛業の両立を目指すのがモットー」という東京防衛軍は本当に役に立つのか。
謎が謎を呼び、ついでに不安も呼ぶこの展開に、解決の時は来るのか。
それは聴いてのお楽しみ。

―――――――――――――――――――

寡作の漫画家“よしもとよしとも”さんの漫画作品を原作として1992年にラジオドラマ化された作品です。
番組が「青春アドベンチャー」という名前に変わってから4番目という古い作品であり、私の手元にある作品としては「王女アストライア」に次いで古い作品です(別途、アドベンチャーロードなどもっと古い番組の作品は除きます)。
原作の単行本が発刊されたのは1990年。
バブル真っ盛りの頃です。
そのため、ウォーターフロント開発や地下鉄新路線の建設、ディスコの隆盛、若貴ブームといったイケイケの東京の様子や、その一方で失われていく昭和の東京の風景や自然環境などが作品の背景になっています。
ちなみに、ほぼ同種の舞台背景を持つ押井守さん監督のアニメ映画「機動警察パトレイバー the Movie」の公開も1989年です。
この頃は、「自分はメッセージ性の強い作品を作る“作家”だ」という自意識の強いクリエイターにとって、急激な経済発展に疑問を持つことが“トレンディー”だったのかも知れません。
まさかその後20年間以上も経済が低迷するとは思いもよらずに。
今やトレンディーという言葉自体が一種のノスタルジックな雰囲気を帯びていますよね。

さて、そんな堅い話はさておき、この「東京防衛軍」は何だか訳のわからないメッセージ「的」なものがあるとはいえ、基本的にはギャグ作品です。
とくにこのラジオドラマは、干支シリーズや「愛と青春のサンバイマン」、「ゴー・ゴー!チキンズ」など青春アドベンチャー随一のコメディ作家として知られる藤井青銅さんの脚色によって徹底的なコメディラジオドラマ化がなされています。
ちなみにこの作品は、青春アドベンチャーで多くの「作」表記のオリジナル作品を手掛けた藤井さんにとって、唯一、脚色のみを担当した作品です(「作」と「原作」についてはこちら)。

さて、高円寺のインド雑貨店の2階を本部とし、クリーニング屋と兼業する隊長に指揮された東京防衛軍自体が“トホホ”感満載ですし、彼らが巻き込まれる事件も、東京自体の幽霊だの、昔話でもコメディ的な役回りが多い「あの」妖怪絡みだったりして、最初から珍妙な雰囲気です。
東京防衛軍がこれらの事件をいかに解決するかは聴いてのお楽しみではありますが、いうまでもなく格好いいというのとはちょっと違った手段ばかりです。

また、第1話の冒頭が映画の予告編的に作られているほか、第1話と最終話以外のほぼすべての回の最後に映画の予告編風の「次回の予告」がついています。
そして、これらは「スターウォーズ」や「ある愛の詩」、「サザエさん」、「北の国から」などのパロディーになっているのです。
パロディと言えば、(私は特撮に全く詳しくないのですが)どうもこの作品(原作)自体が「ウルトラQ」のパロディらしいので、そういう意味ではもう何でもありでしょう。
とはいえ「東京ディズニーランド」が「東京ミッキーランド」に言い換えられているあたありはNHKらしいところではあります。
ディズニーランドの宣伝にならないように固有名詞を伏せたのですが...って「ミッキー」という固有名詞は全然伏せていないんですけど、いいんですかね?

ちなみにこの次回予告、本編のキャストやスタッフの紹介、エンディングテーマも終わった後に始まります。
しかも次回予行の後にもう一度エンディングテーマが流れるという訳のわからない構成。
この次回予告を入れていることで、ただでさえ1回15分しかない青春アドベンチャーの実質的な放送枠をかなり狭めてしまっています。
ここまでしている以上、この次回予告自体も作品の一部としか言いようがありません。
すごい構成です。

で、肝心の、「この作品、笑えるか」という点ですが、実はこれが結構微妙だったりします。
というか、少なくとも一部は完全に滑っている観すらあります。
この作品、前半5回と後半5回で違う事件を描く2部構成なのですが、正直、両方とも...
「愛と青春のサンバイマン」はやり過ぎが良い方向にでた例だと思いますが、本作品はそういう面では残念な方の例。
でも、いいじゃないですか。
ダダ滑り結構。
思い切ってやった結果であれば、むしろ勲章ですよ。

さて、出演者は、まず、略称が某エステティックサロン(TBC)によく似ている東京防衛軍(TBG)関係では、隊長(キャップ)中島を蛍雪次朗さんが、前半の主役とおぼしき友義隊員を小松正一さんが演じています。
その他のメンバーは裕子隊員役の日下部江美さんと、中村隊員役の堀崎太郎さん。
一方の警視庁側はジャイガ刑事(原作を読んでいないのですけど一体どんな漢字何でしょう)役は不破万作さんで、吉田刑事役が前田悠衣さん。
でも彼ら以上に目立っているのが、「Meg」などでは主役も張っているナレーションの堀秀行さん。
堀さんの声が2枚目っぽいことが本作品のトホホ感を一層際立たせています。

【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。
こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。



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