青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

吸血鬼ドラキュラ 原作:ブラム・ストーカー(青春アドベンチャー)

作品:吸血鬼ドラキュラ
番組:青春アドベンチャー
格付:A+
分類:ホラー
初出:1995年2月13日~2月24日(全10回)
原作:ブラム・ストーカー
脚色:下川博
演出:岩谷可奈子
主演:瀬下和久

19世紀末。
イギリス人の青年ジョナサン・ハーカーは、ロンドンの不動産を取得しようとしているドラキュラ伯爵なる人物に会うために、彼の領地のあるヨーロッパの辺境トランシルヴァニアへと赴く。
しかし、彼の城で出会ったドラキュラ伯爵は夜しか出歩かない不気味な人物であり、仲介を依頼された10つの物件はすべて墓地に隣接するいわくつきの物件だった。
そしてドラキュラ伯爵は、恐れおののくハーカーを城に監禁し、単身、ロンドンへと渡ってしまう。
ドラキュラ伯爵の目的は一体...

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言わずと知れた恐怖小説の古典「吸血鬼ドラキュラ」を原作とするラジオドラマです。
今やドラキュラという言葉自体が吸血鬼の代名詞になっていますが、その原因となったのがこの小説でした。
この小説が1897年に世に出てからすでに100年以上が経過しています。
その間に「吸血鬼ドラキュラ」は、多くの人々に影響を与え、数えきれないほど多くのフィクションの元ネタとされました。
青春アドベンチャーでラジオドラマ化された作品でも、田中芳樹さん原作の「カルパチア綺想曲」は舞台設定の点で「吸血鬼ドラキュラ」を下敷きにした作品ですし、柴田よしきさん原作の「レッドレイン」に登場する怪物“Dタイプ”の“D”は「ドラキュラの “D”」とされています。
私も小学生のころに、年上のいとこから創元推理文庫(多分)版の原作本をもらい、何度も読んだ覚えがあります。
当時の私には難しくて長い小説でしたが、時には怖くなって本を伏せたりしながらも、何とか読破しました。
しかし、何度も読んだはずのストーリーも大人になった今ではすっかり忘れてしまっていました。
そのため、特に根拠もなくトランシルヴァニアが舞台の作品だと思い込んでいたのですが、改めて聴いてみると舞台のほとんどがロンドンだったことに気が付きました。
また、もっと淫靡な雰囲気の作品だと思い込んでいたのですが、意外と正当的な冒険ものだったりすることを含めて、結構、新鮮な気持ちで聴くことができました。
ただし、私の感受性が磨滅してしまったのか、子供のころに読んだとき感じたような恐怖感を感じることができなかったのは残念なところです。
なお、青春アドベンチャーでは「吸血鬼」という作品も制作されていますが、これは江戸川乱歩さん原作の明智小五郎シリーズの一作で、いわゆるヴァンパイアは登場しません。

さて、本作品のストーリーですが、上記の作品紹介のように、作品冒頭では竹本孝之さんが演じるジョナサン・ハーカーが主人公のようにみえます。
しかし、彼は物語の序盤には早くもグロッキー状態になってしまい、かわりに主役格で登場するのが、瀬下和久さん演じるヴァン・ヘルシング教授です。
このヘルシング教授も、ヴァンパイアハンターの代名詞として、ドラキュラと同様に後の時代の多くのパスティーシュ作品で登場することになるキャラクターです。
そしてなんと言っても存在感抜群なのは、柴田秀勝さん演じるドラキュラ伯爵。
柴田さんといえば、多くの特撮やアニメで、強大な悪役の声を当てられてきた方です。
「マジンガーZ」のあしゅら男爵や、「銀河鉄道999」の機械伯爵、などといって声がイメージできるのは相当なおじさんですね。
そういえば、本作品を含めて「伯爵」や「男爵」が多いのが、柴田さんの声に威厳があることの証左といってよいと思います。

ところでこのラジオドラマは、全10回と青春アドベンチャーとしては標準的な長さで、文庫版で550頁を超える原作をラジオドラマ化するためには、ややボリューム不足です。
しかも本ラジオドラマは、各回の最後数分がヘルシング教授が解説する「ドラキュラをもっと知りたい」という豆知識コーナーになっており、ネットのドラマ時間は更に短くなっています(ちなみにこのコーナーで東の横綱「ドラキュラ」に対して、西の横綱と紹介している「フランケンシュタイン」も青春アドベンチャーでラジオドラマ化されています)。
この短い枠でストーリーを完結させるためか、本作品では登場人物がほぼ7人に絞られています。
前で述べたハーカーとヘルシング、そしてドラキュラ伯爵。
そのほかには、ハーカーの婚約者のミナ(演:山下容莉枝さん)、その友人のルーシー(演:那須佐代子さん)、ルーシーに求婚者しているアメリカ人キンシー(演:山田佳伸さん)と医師のジャック(演:中村彰男)。
なお、淫靡さはほとんど感じられない本ラジオドラマですが、山下容莉枝さんの「私は穢されてしまった」という台詞だけは、ちょっと「来る」ものがありますね~
それはともかく、この7人はそれぞれ十分にキャラが立っており、彼らだけで物語は十分に進行します。
逆に彼ら以外の登場人物をほとんどカットしたことによって、ラジオドラマとしてわかり安い作品になったと思います。
本作品を脚色している下川博さんは、個人的にはNHK新大型時代劇「武蔵坊弁慶」が印象的な方です。
青春アドベンチャー系列の番組でも、楽しく気軽に聞ける「少女探偵に明日はない」や、毎回ハラハラドキドキの引きが魅力な「成層圏ファイター」のほか、「家族ホテル」、「Meg」などの脚色を担当されています。
ちなみに、「家族ホテル」は、本作品と同様、演出の岩谷可奈子さんとのコンビ作品です。




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