青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

オーバー・ザ・ハポン ~空の彼方(かなた)へ 作:伊佐治弥生(青春アドベンチャー)

作品:オーバー・ザ・ハポン ~空の彼方(かなた)へ
番組:青春アドベンチャー
格付:C
分類:幻想(日本)
初出:1995年3月6日~3月10日(全5回)
作 :伊佐治弥生
演出:高橋練
主演:山本耕史

トキオは“真昼の国”に住む勇敢で心の正しい少年。
ある日、両親から目覚ましい経済発展を遂げた祖父の出身国“日いずる国”ハポンへ行くことを勧められる。
ハポンは誰もがお金持ちになれる夢のような国だという。
しかし、トキオはハポンに着くなりスズキという男にだまされてしまう。
これがトキオのハポンをさまよう日々の始まりだった。

―――――――――――――――――――

青春アドベンチャーで放送された、脚本家・伊佐治弥生さんの手によるオリジナル脚本のラジオドラマです。
青春アドベンチャーは、小説などの原作がある作品が多いことが特徴の番組です。
この点で、NHK-FMのもうひとつのラジオドラマ番組であるFMシアターとは対照的であり、続き物のオリジナル長編は、年間で1・2本あれば良い方です。
そのため、複数のオリジナル長編が採用されている脚本家さんはごくわずかなのですが、伊佐治さんはそのわずかな脚本家さんの一人で、本作品のほかにも「珊瑚の島の夢」が伊佐治さんの作品です。

さて、戦争の悲惨さをSF仕立てで描いている「珊瑚の島の夢」と比較すると、本作品「オーバー・ザ・ハポン~空の彼方」は伊佐治さんの作家性が前面に出た難解な作品です。
具体的には、作品の序盤は冒頭に書いた粗筋のとおり、日系人トキオが祖父の出身地であるハポン(=日本?)に出稼ぎにきたと思しき内容です。
トキオの出身国や時代設定を明示しなかったりする点から、どことなく非現実的な雰囲気を漂わせてはいます。
しかし、明確なファンタジー要素は、トキオにしか見えない羽の生えた少女・ウィスパの存在だけです。
そのため、若干ファンタジックな雰囲気はあるものの、基本的には日系人の出稼ぎを通して日本の現実を描いていく作品なのかと思っていたのですが、中盤から少しづつ現実と幻想が錯綜していきます。
そして最後の結論もかなり抽象的なものになっています。
正直言って、FMシアターっぽい作品といえます。
というより、NHK名古屋局らしい作品といったほうが良いでしょうか。
NHK名古屋局は、本作品のあと、翌年の「新・夢十夜」に始まり、「記憶の城」、「嘘の誘惑」・・・・・と、オリジナル短編集作品を制作していくことになります。
この一連のシリーズはファンの間では「名古屋競作シリーズ」と呼ばれているようで、その特徴を一言で述べると、「難解・陰鬱・大人向き」となります。
この作品はその名古屋競作シリーズの流れを先取りしたような作品です。
そのため、青春アドベンチャー枠にはどちらかというと娯楽要素を求めている私には、少しあわない作品でした。
しかし、さすがにオリジナル脚本だけあって全体のトーンが統一された美しい作品です。
また、脚本家さんの作家性が前面にでており、ラジオドラマらしいという意味ではとてもラジオドラマらしい作品でもあり、好きな人は好きな作品だと思います。
なお、全5回のサブタイトルは以下のとおりです。

第1回 こたつ
第2回 赤いりんご
第3回 ワンダーパーク
第4回 迷路
第5回 空の彼方(かなた)


さて、出演者に話を移しますと、まず主役のトキオを演じるのは俳優の山本耕史さんです。
山本耕史さんは、江口洋介さん主演のTVドラマ「ひとつ屋根の下」の文也役で有名になり、三谷幸喜さんが脚本を書いたNHKの大河ドラマ「新選組!」で土方歳三役を演じてブレイクされた方です。
青春アドベンチャーには意外と有名な俳優さんが出演されていますが、「ひとつ屋根の下」は1993年の放送、「新選組!」は2004年の放送ですので、本作品はこの両作品の間の時期の作品であり、山本さんはまだブレイク途上という時期でした。
ちなみに「新選組!」でブレイクした役者さんといえば、堺雅人さんも「新選組!」の前に
青春アドベンチャーの「不思議屋薬品店」(2002年)に出演されています。
その他の出演陣としては、ウィスパ役で畑詮子さん、キョウコ役で大矢志のぶさん、語りで松川佳澄さんなどが出演されています。



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