青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

オーデュボンの祈り 原作:伊坂幸太郎(青春アドベンチャー)

作品:オーデュボンの祈り
番組:青春アドベンチャー
格付:B+
分類:幻想(日本)
初出:2004年4月12日~4月23日(全10回)
原作:伊坂幸太郎
脚色:山田珠美
演出:濱田裕之、出水有三
主演:草野康太

人生におけるすべてのことから逃げ続けていた男・伊藤。
やけになって強盗に入ったコンビニからも逃げ出して、旧知のサイコパス警官・城山に追われていたはずの彼は、ふと気が付くと江戸時代から鎖国を続けているという「荻島」(おぎしま)という不思議な島にいることに気がついた。
荻島には、犬そっくりの警官、熊そっくりの船頭、妻が死んで以来本当のことをしゃべらなくなった画家、死者の言葉を伝えることができる少女、秩序を守るために殺人を続ける男、そして、未来を知ることができる賢い案山子(かかし)といった奇妙な住民たちが暮らしていた。
案山子の全面的な指導のもと奇妙な秩序を保っていた荻島だが、伊藤の来訪を契機にその秩序が崩れ始める。
そして、伊藤を変質的につけまわす城山もまた、荻島に近づきつつあった...

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人気作家・伊坂幸太郎さんのデビュー作を原作とするラジオドラマです。
伊坂さんの作品は青春アドベンチャーで合計、3作品ラジオドラマ化されていますが、本作品「オーデュボンの祈り」は最も早くラジオドラマ化された作品です。
ちなみに、他の2作品(死神の精度終末のフール)はすでにこのブログで紹介済みですので、このブログでの紹介順では一番最後になりました。
なお、本作品を制作したのは、NHKの名古屋局。
名古屋局は、2000年前後の時期に、いち早く青春アドベンチャーにオリジナル短編集企画に取り込んだ実績があります。
また、原作付きの長編に関しても、古くは「謀殺の弾丸特急」や「銀河番外地、運び屋サム」、近年では「家守綺譚」や「有頂天家族」など、良くも悪くも?印象的な作品が多い印象の局です。

さて、本作品の原作は推理小説に分類されることもあるようですが、通常の推理小説とは全く違います。
伊藤がどのような方法で荻島に連れてこられたかの説明は最後までありませんし、「未来を知る案山子」という超越者の存在についての合理的な説明もありません。
島の住民たちも、基本的には最後まで浮世離れした言動を繰り返すため、独特の幻想的な雰囲気が醸し出されています。
いうなれば、「不思議の国の推理小説」といったところでしょうか。
そういえば、作中に登場する「うさぎ」は「不思議の国のアリス」を想像させられますし、「案山子」といえば「オズの魔法使い」でしょう。
特にこのラジオドラマ版は、全10回×15分という枠の制限があるためからか、この島独特の法則に則った範囲で「事件」の真相を推理するという要素はあるものの、基本的には不条理な世界設定を背景とした広義のファンタジー作品です。
そういった意味では「悲しみの時計少女」や「昔、火星のあった場所」に近い作品です。
こういった不思議感満載の作品は、聴く人によって、好き嫌いの別れるところかと思います。
正直言って、私はこういった不条理な作品があまり好きではないのですが、それでも本作品は、丹念に描かれた伊藤の考え方の変化や、先を予想できない展開は楽しめるものでした。
さすがはベストセラー作家さんの原作作品ですね。

さて、出演者についてはみますと、主役の伊藤役は俳優の草野康太さんが演じています。
その他、常にどもりながら話す日比野役の藤本英樹さんも印象的です。
一方、スタッフは、まず脚色は、青春アドベンチャーの長編ではこれ1本しか担当していない山田珠美さんが担当されています。
また、演出は「私の告白」などの名古屋脚本家競作シリーズのほか「エデン2185」も担当されていた濱田啓之さんなどです。

<伊坂幸太郎原作の他の作品>
死神の精度
終末のフール




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