青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

女王陛下のアルバイト探偵 原作:大沢在昌(アドベンチャーロード)

作品:女王陛下のアルバイト探偵
番組:アドベンチャーロード
格付:AA-
分類:活劇
初出:1989年7月17日~7月21日(全5回)
原作:大沢在昌
脚色:高谷信之
演出:伊藤豊英
主演:松田洋治

私立探偵・冴木涼介のもとに、“国家権力”こと、内閣査察室の副室長・島津が現れる。
東南アジアの小国ライールの王女ミオが日本に留学することになり、お忍びで下見にやってくるというのだ。
日本政府は、ライール政府との外交関係上の理由から公式にはミオ王女の護衛ができない。
そのため、島津はミオ王女の護衛を旧知の冴木に依頼することにしたのである。
この依頼を受けた冴木は、護衛としてミオ王女と同年配の息子・隆(りゅう)をボディガードに付ける。
しかし、実は王位継承を巡る争いの渦中にあったミオには敵が多く、次々を暗殺の魔の手が伸びる。
日本からライールへ。
ミオを守るための冴木親子の戦いが始まる。

―――――――――――――――――――

アドベンチャーロードで合計3作品が制作された大沢在昌さん原作の「アルバイト探偵」シリーズ。
本作品「女王陛下のアルバイト探偵」は、その最後を飾る、初の長編作品のラジオドラマ化でした。
ちなみに、原作者である大沢在昌さんが本作品が放送された1989年当時、まだヒット作に恵まれていなかったことは、「アルバイト探偵 第1期」の記事で書いたとおりですが、この「女王陛下のアルバイト探偵」は「このミステリーがすごい!」ランキング15位となり、大沢さんの浮上のきっかけとなった作品です。
大沢さんの思い入れも強かったからか、その後、「不思議の国のアルバイト探偵」、「アルバイト探偵 拷問遊園地」、「帰ってきたアルバイト探偵」の3作品が発表されているようですが、ラジオドラマ化したのは本作品まで。
2015年9月に放送された「今日は一日ラジオドラマ三昧」を聞いていると主演の松田洋治さんの声はまだまだ十分に隆君として通用します。
是非、今からでも続編を期待したいところですが、さすがに四半世紀を経て続編を希望するのは無謀ですかね。

さて、本作品は今までの2作品「アルバイト探偵」と「アルバイト探偵 第2期」と異なり全5回がひとつながりの長編です。
しかも、違いはそれだけではなく、テーマ曲、タイトルコールなども一新しており、内容もかなりシリアスになっています。
また、ヒロインのミオ王女も、今までの作品のヒロインだった元女暴走族やスケ番と違ってあくまで素直で可憐。
そしてストーリーも今までよりダイナミックであり、終盤に冴木親子は東京を飛び出し架空の国であるライールへと舞台は移ります。
ちなみに、このライールという国のモデルは名前からはラオスっぽいですが、王政であること、反政府運動が活発であることなどを考えるとカンボジアかタイとも思います。
同じくアドベンチャーロードでラジオドラマ化された「謀殺の弾丸特急」の舞台はあからさまにカンボジアがモデルでしたが、こちらは明確なモデルはないと言ったほうが良いのかもしれません。
何はともあれ、ここまで多くのコメディタッチの小事件を通じて、すっかり冴木親子と顔なじみ?になっていたリスナーに、最後にこのようなシリアスな長編をぶつけてくるあたり、NHK-FMのスタッフもなかなか味なことをするものです。

ところで、この作品のタイトルは言うまでもなく「女王陛下の007」のパロディだと思いますが、実は少しだけネタバレを含んだタイトルでもあります。
あまり書くと読む(聴く)楽しみがなくなってしまうので、この辺にしたいと思います。

さて、本作品の出演者ですが、レギュラー陣は前作、前々作と変わりがありません。
主人公の隆役の松田洋治さんと、父親の涼介役の谷隼人さんのほか、島津副室長役の勝部演之さんや圭子ママ役の高林由紀子さんも変わらず出演しています。
なお、先に書いたとおりタイトルコールが前作までの千葉繁さんから女性に変わったのですが、この女性の声、良く聴いてみると圭子ママ役の高林さんではないですか。
圭子ママ役ではかなりコミカルな演技の高林さんですが、タイトルコールは全く違った落ち着いた雰囲気でびっくり。
てっきりNHKのアナウンサーのどなたかが担当されているのかと思っていましたが、さすがは女優さん、演技の幅が広いですね。

また、ヒロインのミオ王女を演じるのは歌手・女優のHIROKO(湊広子)さん。
HIROKOさんは、元々、本名の湊広子で子役・アイドルとして活動されていた方で、1988年に渡米後、1989年11月に歌手として再デビューされた方なのだそうです。
本作品は1989年7月に放送されており、子役・アイドルの「湊広子」さんが歌手「HIROKO」さんに生まれ変わる直前の時期に制作された作品ということになります。
実際の本作品中では、キャストとして「湊広子」とコールされる一方で、エンディングテーマ曲に歌手としての湊さんの歌が採用されているという微妙な状況にあります。
本作品放送のわずか4カ月後に「HIROKO」さんがデビューされたことを考えると、これは一種のタイアップだったといえるのかも知れませんね。

一方、スタッフは脚色:高谷信之さん、演出:伊藤豊英さんのペアで、「アルバイト探偵」3作品を通して担当されています。
このペアは内野聖陽さんが主演した「モンテ・クリスト伯」のコンビでもあります。
ちなみに青春アドベンチャー系列の番組でラジオドラマ化された、もう1つの大沢在昌作品である「新宿鮫・氷舞」は、脚色:西山務さん、演出:保科義久さんと、全く違うペアで制作されています。

【伊藤豊英演出の他の作品】
多くの冒険ものの演出を手掛けられた伊藤豊英さんの演出作品の記事一覧は別の記事にまとめました。
詳しくはこちらをご参照ください。





★上記の原作に関する注意★
上記の画像リンク先のうち「アルバイト探偵 王女を守れ」はタイトルは異なりなすが、「女王陛下アルバイト探偵」の新装版であり、中身は同じものの様です。
ご注意下さい。

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