青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

旅猫リポート 原作:有川浩(青春アドベンチャー)

作品:旅猫リポート
番組:青春アドベンチャー
格付:AA-
分類:日常
初出:2014年3月31日~4月11日(全10回)
原作:有川浩
脚色:横山玲子
演出:吉田努
主演:細見大輔

僕の名前はナナ。
6歳のオス猫だ。
縁あってサトルのうちの猫になってから、もう随分と経った。
サトルはいい飼い主だったし、僕だって結構いい猫だったと思う。
サトルと暮らした毎日は楽しい思い出で一杯だ。
でもそれもお終い。
サトルが猫を飼えなくなってしまったんだ。
でも暗くなっても仕方がない。
新しい飼い主を探す旅、サトルと過ごす最後の旅を精一杯楽しまないとね。

―――――――――――――――――――

映画化された「図書館戦争」や「阪急電車」で有名な有川浩さん原作の小説をラジオドラマ化した作品です。
有川さんの作品が青春アドベンチャーでラジオドラマ化されたのは「三匹のおっさん」に続いて2作品目になります。
ただし、本ブログではFMシアター枠でラジオドラマ化された「レインツリーの国」もご紹介済みですので、3作品目の紹介ということになります。
ちなみに「三匹のおっさん」の原作には、続編「三匹のおっさん ふたたび」があります。
「三匹のおっさん」の続編ではなく、全くの別の有川作品である「旅猫リポート」が青春アドベンチャー化されたところをみると「三匹のおっさん」の続編が青春アドベンチャー化されることはもう望めないのか知れません。
「三匹のおっさん」は本作品放送直前の2014年1月~3月に、北大路欣也さん主演でTVドラマ化された人気作ですし、ラジオドラマで“おっさん”のひとりを演じていた石田太郎さんが亡くなられてしまったので、やむを得ない面もあると思います。
ちなみに、本作品の次に制作された「放課後はミステリーともに 探偵部への挑戦状」はめでたく続編が放送された例ではあるのですが、近年の青春アドベンチャーって、「三匹のおっさん」のように、シリーズ物が途中までしか制作されない場合も多いのです。
あまり人気がない作品を続けられても困るのも確かですが、「一瞬の風になれ」とか「バッテリー」とか「夏の魔術」とか(ああ、永井一郎さんが亡くなられたので「夏の魔術」ももう無理か)、きっと人気はあったのではないかと思うのです。
懐かしいキャラクターに会えるのは嬉しいものなので、なるべくなら続けて欲しいと思います。

さてさて脱線から戻りまして本作品「旅猫リポート」のレポート?です。
本作品は主人公である猫の“ナナ”と、その買い主の“サトル”が、銀色のワゴンに乗って、サトルの旧友達を尋ねる物語です。
旅の目的はナナの新しい買い主を探すこと。
なぜサトルがナナの新しい買い主を探さなければいけなくなったのか、その辺の事情はぼかされたまま、旅はスタートします。
そしてサトルの旧友たちと再会する度に、旧友たちとサトルとの間に過去にあった出来事と、各人の心の奥に残されていた思いがあきらかになっていき、最後にナナを手放す理由が明らかになります。
途中まではあまり大きな波乱はなく淡々と物語は進んでいきますし、隠された事情も概ね予想どおりではありますが、そうはいってもなかなか先が気になる展開です。
その他、旧友たちの思い出に出てくる彼らの親がいかにもフィクションくさいダメっぷりだったり、終盤が狙ったようなお涙ちょうだい展開だったりするなど少し気になる部分もあります。
しかし、有川さんの作品にでてくる若い男性に割と多い、如何にも作りものっぽく造形された感じはあまり受けませんし、気持ちよく聴ける作品でした。

それにしても動物を飼うというのはやはり難しいことですね。
動物って特別に「家族の一員」として扱わなくても、家族内の位置づけとしてはやはり被保護者=子供になってしまうと思うのです。
でも動物の寿命は人間より短く、かつ動物は一生飼い主の被保護者であり続ける。
この辺のギャップが本当の人間の子供との違いで、難しい部分なのだと思います。
あまり詳しく書くとネタバレになるのでこの辺で。

さて、出演者の話しに移りますと、主人公の猫・ナナ役を演じているのは「魔岩伝説」や「いまはむかし~竹取異聞~」での好演が記憶に新しい細見大輔さんです。
また、もう一方の主人公であるサトルを演じているのは、演劇集団キャラメルボックス所属の俳優・阿部丈二さんです。
お二人はキャラメルボックスコンビですが、何と、二人で舞台版「旅猫リポート」の主役を演じられているのだそうです。
その他の主要キャストも舞台のままとのこと。

http://unitskyrocket0814.blogspot.jp/2014/03/blog-post_31.html(外部URL)

実は青春アドベンチャーには、「645~大化の改新青春記」、「泥の子と狭い家の物語」、「サンタクロースが歌ってくれた」など舞台に縁のある作品が多くあります。
その中でも、舞台をそのまま持ってきたような配役をした作品は本作品の他は、「マドモアゼル・モーツァルト」などわずかな例しかないのですが、公共放送とはいえNHKもやるときは意外とやるものです。
なお、本作品におけるナナは“しゃべる猫”の役です。
(たぶん)現実の猫はしゃべらないので、「不思議要素アリ」ということで本ブログにおける本作品のジャンルは「幻想(日本)」にしようかとも思ったのですが、ナナの台詞はモノローグか動物同士の会話だけで、人間と直接会話することはないので「日常」にジャンル区分しました。
同じ「猫が話す系の作品」でも「シュレミールと小さな潜水艦」のシュレミール(猫)は潜水艦と会話していますので、「幻想(その他)」にジャンル分けしています。
それで、このナナの会話ですが、本作でナナを演じる細見さんはかなり男っぽい声をされている方です。
正直、あの声で「にゃんにゃん!」いうのは少し気持ち悪いと言わざるを得ません(「カモメに飛ぶことを教えた猫」も似たような印象がありました)。
シニカルな猫のイメージとしてはシュレミールを演じた加藤虎ノ介さんが、なかなか良かったのですが、ナナも基本的にはシニカルな猫らしい性格をしています。
そのため、細見さんが役に合っていないというわけではないのですが、音が全てのラジオ世界での細見さんの「にゃお~ん」は強烈すぎました。
アレだけは何とかならなかったのか???という気がしてなりません。
また、本作品は基本的にナナのモノローグでナレーションをする形式ですが、ナナとサトルが旅先に到着し、旧友との回想シーンが始まると、その旧友達にモノローグがバトンタッチされます。
つまり回想シーンは旧友側の視点で進むのですが、この旧友達が基本的にナナ(役の細見さん)やサトルと同じ若い男性なので、聞いていて一瞬混乱する感を受けました。
この辺は残念なところです。




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