青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

ラジオの前で 作:北阪昌人(青春アドベンチャー)

作品:ラジオの前で
番組:青春アドベンチャー
格付:AA-
分類:日常
初出:2007年6月18日~6月29日(全10回)
作 :北阪昌人
演出:川野秀昭

出勤前のサーフィンが日課の若者。
妻を亡くして以降、娘との会話がなくなってしまった父親。
弟の不始末を償うために被害者に金銭を送り続ける男。
本当の名前を隠して強い女性を演じる弁護士。

どこにでもいる、でも言葉で気持ちを伝えることが少しだけ苦手な人たちの人生が、ラジオを通して少しずつ結びついていく。

―――――――――――――――――――

ラジオドラマの脚本で有名な脚本家・北阪昌人さんによるオリジナル脚本のラジオドラマです。
北阪さんの長編作品は青春アドベンチャーではこの「ラジオの前で」だけですが、短編であれば「不思議屋薬品店」、「不思議屋貿易商」でも脚本を書かれています。
しかし、どちらかといえば、青春アドベンチャーより、TOKYO-FMのラジオドラマ番組「NISSAN あ、安部礼司」やNHK-FMのラジオドラマ番組「AKB48のわたしたちの物語」でのご活躍が目立っている方だと思います。
なお、北阪さんは「月刊ドラマ」(こんな雑誌あるんだ…)で2013年10月号から「北阪昌人のラジオドラマ脚本入門」という記事を連載されているそうです。
ちょっと興味が湧きますね。

(北阪さん公式HP:外部リンク)http://homepage2.nifty.com/m-kitasaka/

さて、本作品は、様々な主人公達が入れ替わり立ち替わり登場し、相互に少しずつ関係を持ちながらストーリーが進行していく、青春アドベンチャーでは他に例を見ない、独特の作品です。
本作品を聴いていて思いだしたのは、昔、セガサターンやプレイステーションで発売されたチュンソフトのゲーム(サウンドノベル)「街~運命の交差点~」。
「街」は渋谷という街を舞台に、複数の主人公達の行動が相互に少しずつ影響を与えあって進んでいくゲームでしたが、本作品はラジオから流れてくる様々な番組 -ニュース、天気予報、人生相談、音楽等- をキーにして様々な主人公達がつながっていくストーリーです。
本作品の主人公達とそれを演じた俳優さん、それにその俳優さんの他の青春アドベンチャー作品への出演をざっと眺めると以下のとおりです。
佐戸井さん、三村さん、柳澤さんあたりは、多くの青春アドベンチャー作品に出演されている常連さんですね。
なお、この中から敢えてメインの主人を絞り込むならば、祐一、信介、圭吾、あかねあたりでしょうか。
逆に清人と太郎はかなり影が薄いです。

組合せ 登場人物 俳優 他の出演作品
一組目 サラリーマンサーファーの「佐伯祐一」 川久保拓司  -
祐一の車に突然乗り込んできた「吉永マリコ」 木下あゆ美  -
二組目 介護ホームで暮らす「比嘉サト」 久松夕子  -
サトを彼女を介護する「ユキ」 今井和子 顔に降りかかる雨
サトが愛聴する人生相談番組に出演する弁護士の「工藤あかね」 三原じゅん子 戦う女。
三組目 妻を亡くした警官の「速見信介」 佐戸井けん太 踊る黄金像夏への扉
信介の娘で女子高生の「速見彩加」(あやか) 三村ゆうな 光の島バスパニック
四組目 ホステスの「四宮玲子」 映美くらら  -
玲子の借金を必死に返済しているタクシー運転手の「鮫島圭吾」 小原雅人 死神の精度
五組目 元ジャズミュージシャンの老人「山城清人」 柳澤愼一 ごくらくちんみ南の島のティオ
清人の孫の「山城太郎」 渡辺直樹  -

※登場人物の「名」はNHKクロニクルで確認していますが、「姓」は音を聞き取って適当な漢字を当てただけですので間違いがあるかも知れません。

この5組・10人(11人)の主人公達は、物語開始時点では、他の組の主人公達とはお互いに面識がありません(ラジオ番組に出演しているあかねが多くの主人公達から知られているなど例外はある)。
それが第1話の最後に、「祐一」の乗った車が「信介」の車に軽く衝突することから始まって、徐々に各組の主人公達との間で接点が出来ていきます。
とは言っても全員が集合するような大事件が待っているわけではありません。
また、中盤に圭吾が起こすある事件を除いては目立った事件が起こるわけではなく、基本的にストーリーは淡々と進んでいきます。
その過程で、各登場人物達が少しずつ影響を与えあって、各人がそれぞれちょっとした人生の選択をしていきます。
そして、各人がそれぞれの場所でラジオから流れてくる「見上げてごらん夜の星を」を聴きながらエンディングを迎えます。

正直、この作品、聴く前に全く期待せずに聞き始めました(本作品以外の予想外に気に入った作品はこちら)。
また、結末に込められたメッセージに必ずしも納得できない部分もあります。
しかし、専業の脚本家さんが15分×10回という枠に併せてつくった凝ったシナリオの作品で、それだけでも価値のある作品だと思います。

ところで、青春アドベンチャーは本作品のようなオリジナル脚本の作品が比較的少ない番組です。
ところが、本作品の直前に小金丸大和さん作の「冷凍人間の復活」が制作されており、2作連続でオリジナル脚本の長編が放送されたことになります。
このようなことは、1992年から続く青春アドベンチャーの歴史の中での2度しかないレアな事態でした。
ちなみにもう1回は、2012年3月に起きており、作品は「屋上デモクラシー」と「私の彼はポアンカレー」の2つでした。


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