青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

二役は大変! 原作:ドナルド・E・ウェストレイク(青春アドベンチャー)

作品:二役は大変! (青春アドベンチャー)
番組:青春アドベンチャー
格付:A
分類:コメディ
初出:1996年2月5日~2月16日(全10回)
原作:ドナルド・E・ウェストレイク
脚色:吉田玲子
演出:川口泰典
主演:武岡淳一

俺の名前はアート・ドッジ。
ニューヨークで、グリーティングカードつくるちっぽけな会社を経営している。
自分で言うのも何だが、誘惑に弱く、欲望に忠実な性格だ。おまけにお調子者でもある。
ある日、リズという気の強い美人と一夜を共にした俺は、彼女が一卵性双生児の片割れであることを知り、例によって調子に乗って、自分も一卵性双生児だという嘘をついてしまった。
言い訳もするのも面倒くさい。
だから、リズとは早々に別れるつもりだったが、ある日、リズとその双子の妹ベティがカーナー家という大富豪の遺産相続人であることを知ってしまった。
何とか上手く立ち回って、大金をせしめることは出来ないものだろうか。

―――――――――――――――――――

ドナルド・E・ウェストレイク原作の小説のラジオドラマです。
なお、本作品のタイトルはNHKクロニクルなどの文字メディアでは「二役は大変」ですが、作品中では「TWO MUCH 二役は大変」と原題と日本版タイトルが併記される形でコールされます。
本ブログでは一応、「TWO MUCH」ではなく「二役は大変」の方を正式タイトルとして採用しています。

さて、本作品の原作者のウェストレイクは、多作で知られる米国の人気作家です。
青春アドベンチャーでは1995年から1996年の短い期間に、ウエストレイクの3作品がラジオドラマ化されています。
当ブログでは既に「踊る黄金像」を紹介済みであり、残る「嘘じゃないんだ」もいずれ紹介したいと考えています。
ウェストレイク作品のイメージば、軽妙で、ずる賢い主人公が、犯罪すれすれ(というか犯罪行為そのもの)の巧妙な行動で、大都市ニューヨークを生き抜いていく、といったもののようです。
既に紹介した「踊る黄金像」も本作品「二役は大変!」も、この典型的なパターンの作品で、主人公達の粋な台詞と生き生きとした行動が印象的です。
特に本作品は、「踊る黄金像」と比較してもコメディー(というかユーモア?)の要素が強い作品です。
双子の姉妹に取り入るために、アートは、自分と架空の弟であるバートとの二役を演じることになるのですが、全10回のうち特に前半の5回は、その二重生活(作品中の言葉では「双子ゲーム」)のドタバタコメディがひたすら続きます。
そして、第5回の終盤である事件が発生...というよりアートが事件を引き起こしてしまい、事態は一層ややこしいことになっていきます。
そのため後半でもコメディ調の展開が続くのですが、しかし実は、第9話から突如、サスペンス風の展開になります。
結局、コメディとは言いつつ、最終的にアートと彼の友人達にはとっては一応のハッピーエンドにはなっているですが、一部の登場人物達の立場からみると結構、ダークな結末になっていたりもします。


出演者は主役のアート(とその架空の弟バート)を俳優の武岡淳一さんが演じています。
他の作品では名作「ブラジルから来た少年」などにも脇役として出演されていましたが、本作のほか「ウェディング・ウォーズ」、「ダーク・ウィザード~蘇りし闇の魔導士」では主役を演じられています。
一方、ヒロインのリズとベティの姉妹を演じられているのは、元宝塚歌劇団の“こだま愛”さん。
リズとベティはヒロインとは思えないちょっとひどい扱いをされており、同情します。
また、青春アドベンチャーではお馴染みの舵一星さんも出演されており、宝塚歌劇団出身者が多いのは川口泰典さん演出らしいところです。
また、「二の悲劇」や「精神分析ゲーム」で主演されていた俳優の山西惇さんもご出演されています。
山西さん、本作品の外にも、この時期の青春アドベンチャーで、結構、細かい役で出演されていたと思います。

本作品の演出は青春アドベンチャーで多くの名作を担当されていた川口泰典さん(川口さん担当作品の一覧はこちらをご覧下さい)です。
川口さんは主に1990年代にこの系列の番組で演出を担当されていた方です。
青春アドベンチャーでは平均して毎年、10数本の新作が制作されるため、とても一人の演出家がすべての作品を作れるわけがなく、多くの演出家の方が入れ代わり立ち代わり担当されています。
ただ、各時期ごとにメインとなる演出家はいらっしゃるようで、例えばこの記事を書いた前年である2013年は、全16作品の新作のうち「ツングース特命隊」など5作品が藤井靖さんの演出でした。
とはいえ、特に1994年から1996年あたりの川口さん演出作品の数は異常です。
共同名義を含め、1994年は17作品中12作品、1995年は全20作品中12作品、1996年は全16作品中10作品が、川口さんの演出です。
この間、8作品連続演出などということが2回もありした。
こんなに演出家が偏っていた時期は他にないと思います。

また脚色は、東野圭吾さん原作の「分身」や草上仁さん原作の「愛のふりかけ」なども担当されている吉田玲子さんです。
正直、「踊る黄金像」は展開が速すぎて付いていけない面があったのですが、この作品は適度なスピード感の作品だと思います。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。



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