青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

闇の守り人 原作:上橋菜穂子(青春アドベンチャー)

作品:闇の守り人
番組:青春アドベンチャー
格付:AAA-
分類:異世界
初出:2007年4月16日~4月27日(全10回)
原作:上橋菜穂子
脚色:丸尾聡
演出:真銅健嗣
主演:唐沢潤

聖ヨゴ皇国の皇子チャグムを巡る冒険を終えた女用心棒バルサは、ついに故郷のカンバル王国へ帰ることを決意した。
父の親友であった養父のジグロに守られ、カンバル王国を後にしてから25年。
二度と戻らないと思っていた故郷に戻ることを決意したのは、バルサを守って逆賊の汚名を着せられたまま死去したジグロの名誉を回復するためだ。
そして、聖ヨゴ皇国からカンバル王国へと通じる洞窟に潜ったバルサは、カッサとジナという幼い兄妹に出会う。

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上橋菜穂子さん原作の異世界ファンタジー小説の第2弾をラジオドラマ化した作品です。
第1弾「精霊の守り人」が放送された2006年の翌年である2007年4月16日から放送されました。
ちなみにこの2007年4月16日という放送日は、何とアニメ版「精霊の守り人」の初回放送日である2007年4月7日のわずか9日後です。
明らかに狙ってやっています。
この辺の計算高さも青春アドベンチャーの放送スケジュールのひとつの特徴です。

前作はバルサが皇子チャグムを守る用心棒らしいストーリーでした。
それに対して本作品「闇の守り人」は、終盤に申し訳程度に用心棒はするものの、基本的には、バルサと彼女の故郷カンバル王国の過去の因縁を巡るストーリーで、バルサは自らのための短槍を振るうことになります、
25年前にカンバル王国で何があったのか。
そしてその後のカンバル王国に何が起きていたのか。
さらに養父ジグロの秘めた思いと、その弟ユグロの陰謀。

本作品はタイトルのとおり「闇」が舞台です。
闇とは直接的に洞窟を示すのと同時に、登場人物達の心の闇、陰謀や恨み、心残りなどを示すものでもあると思います。
つまり地下への旅は登場人物達の内面への旅でもあり、本作品はバルサとジグロの心の闇からの開放を巡る物語であるともいえます。
20年間の因縁に決着が付き、バルサが過去の因縁から解放されるときが来るのか。
その辺は聴いてのお楽しみにしたいと思います。

さて、青春アドベンチャー版「守り人シリーズ」といえば、主役のバルサ役を演じる女優の唐沢潤さん。
本作品でも熱演で、個人的にはこの2作品への出演で、もうバルサの声は唐沢さんの声でしか再生されなくなってしまいました。
そのくらいの適役だと思います。
そして本作品のラスボスである“王の槍・筆頭”ユグロを演じる無名塾出身の俳優・隆大介さんと、養父ジグロを演じる酒向芳(さこう・よし)さんの演技も素晴らしい。
第9話の隆さんらしい緊張感のあるユグロの演技や、第10話でジグロが隠していた心の内を吐露する場面などなかなかの聴きごたえです。
私の中の隆大介さんのイメージはNHK大型時代劇「武蔵坊弁慶」の平知盛で形作られているわけですが、キレ気味の演技をさせたら隆さんはさすがですね。
本作品、丸尾聡さん脚色らしく、やや状況説明的な語りが多いな脚本で、もうちょっと演出や技術、音響効果を信頼して、語りは少なくしても良いのではないかとも感じます(一方で、なぜ儀式に行くのがカッサでなければならないのかよくわからない、など微妙に説明不足の点もあるのですが)。
しかし、出演陣の演技が細かい作りを気にしさせなくするような出来の作品です。
また、公式ホームページの出演者欄には記載がないのですが、実は第8話だけの特別出演(?)で、先頃他界された有名俳優・声優の納谷悟朗さんがご出演されています。
納谷さんといえば声優としては銭形警部(ルパン三世)などで有名な方です。
青春アドベンチャーでは「完璧な涙」、「王の眠る丘」など、重要な役でワンポイントで出演されることが多く、本作品もこのようなパターンです。
ちなみに本作品では、これまたベテランの熊倉一雄さんも出演されており、第8話には納谷さん(の演じるラルーグ)と熊倉さん(の演じるトト)が語り合うという、今では貴重となってしまったシーンがあります。
なお、前作ではもう一方の主役であった皇子チャグムは、本作品では出演しません。
その代わり、小野賢章さん演じるカッサと宮本侑芽さん演じるジナの兄妹が狂言回し的に登場します。
その他の登場人物も、ほとんど一新されているのですが、“語り”の“沢りつお”さんが前作から引き続きの登板なので、雰囲気の統一性は保たれています。
再登板といえば、本作品でも脚本家の丸尾聡さんがカメオ出演されています。

ところで、この「守り人シリーズ」の原作は全10巻の大作です。
しかし、青春アドベンチャーでラジオドラマ化されたのは前作「精霊の守り人」と本作品「闇の守り人」の2作品だけです。
折角、唐沢潤さんというぴったりの配役に恵まれたことですし、第1作が終わった後のチャグムの様子は完全に放置されたままです。
是非、続編のラジオドラマ化を希望したいところですが、この記事を書いている時点(2014年)で、すでに本作品から6年以上経過しています。
演出を担当していた真銅健嗣さんもどうも青春アドベンチャーを離れたよう(その後「幻坂」、「アグリーガール」など再び真銅さん演出作品が聴けるようになっています)ですし、各子役の皆さんは声変わりしてしまっていそうなので、実現は難しいのかも知れません。
残念です。



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