青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

精霊の守り人 原作:上橋菜穂子(青春アドベンチャー)

作品:精霊の守り人
番組:青春アドベンチャー
格付:AAA-
分類:異世界
初出:2006年8月7日~8月18日(全10回)
原作:上橋菜穂子
脚色:丸尾聡
演出:真銅健嗣
主演:唐沢潤

深夜の王宮の一角に、年齢も性別も社会的な立場も違う3人の男女が集っていた。
3人とは、新ヨゴ皇国の第2王妃“二ノ妃”、その息子で第2皇子のチャグム、そして“短槍使い”として知られる名うての女傭兵バルサ。
母親の切なる願いを聞き入れたバルサは、この日この時より、皇子を守り、命をかけた冒険の旅に乗り出すことになる。

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 本作品は当ブログの200作品目の紹介作品となりました。
 200作品紹介を記念した記事を作成したいますので、
 併せて、ご覧下さい。
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上橋菜穂子さん原作のファンタジー小説をラジオドラマ化した作品です。
原作は「守り人シリーズ」(もりびとシリーズ)として知られる全10巻の大長編シリーズで、「獣の奏者シリーズ」と並ぶ上橋さんの代表作です。
青春アドベンチャーではその第1作である本作品「精霊の守り人」と、その続編である「闇の守り人」がラジオドラマ化されています。
ちなみに「精霊の守り人」はテレビアニメ化もされているのですが、こちらもNHK(BS2)で放送されました。

さて、本作品の魅力言えば、やはり主人公バルサ。これに尽きます。
もともと用心棒を生業としているとはいえ、半ば強制される形で皇子の護衛を引き受けさせられるバルサ。
それでもバルサがこの仕事を気持ちよく引き受けたのは、「幼い子供を追っ手から守る」というこの仕事についての、バルサ自身の生い立ちとも関係ある、ある因縁がありました。
この辺はネタバレになると面白くないので、聴いてのお楽しみということにしたいと思います。
ちなみに、このラジオドラマでは、バルサの役を、演劇集団円所属の女優の唐沢潤さんが演じていますが、これがなかなか絶妙な配役です。
本作品におけるバルサの年齢設定は30歳ですが、様々な苦難を乗り越えてきた百戦錬磨のバルサですので、ラジオドラマ制作当時45歳の唐沢さんの声で丁度良いと感じました。
哲ねこ七つの冒険」など、青春アドベンチャーでは印象的な脇役の多い唐沢さんですが、本作品では堂々たる主役ぶりです。
その他にも、主人公サイドの老呪術師トロガイ(演:渡辺美佐子さん)・薬師タンダ(演:建蔵さん)、皇国サイドの聖導師(演:草薙幸二郎さん)・星読博士見習いシュガ(演:織田優成さん)の、両師弟コンビなどもなかなかキャラが立っていますが、やはり本作品はバルサのための作品としかいいようがありません。
といいつつ、もう一人の主役である皇子チャグムについて書きますと、チャグムを演じるのは大久保祥太郎さんです。
後にジャニーズJr.の一員を経て、現在はワタナベエンターテイメントに所属する若手俳優さんですが、本作品の制作時(当時10歳!)は劇団ひまわりに所属する子役さんでした。

ところでストーリーですが、これはもう聴いてのお楽しみとしか言いようがない話し。
血湧き肉躍る冒険物語に、細やかな情緒も描かれており、気持ちの良い作品です。
本作品を演出している真銅健嗣さんは、青春アドベンチャーでは「妖異金瓶梅」や「光の島」、「垂直の記憶」など、癖のある多くの作品を上手く料理されている方という印象があります。
しかし、本作品のようなストレートなアドベンチャーものも意外と上手い。
戦闘シーンの演出などもなかなかのスピード感です。
これは真銅さんだけではなく、技術(藤井芳保さん、水野友晴さん)、音響効果(西ノ宮金之助さん、稲葉護さん)などのスタッフの力もあるのでしょうが、いきなりBGMを切ったり、感動的な場面に上手く音楽を乗せたり、ラジオドラマらしい演出が効果的です。
さらに、伊藤守恵さんの選曲もいつもながらお見事。
作品によく合った雰囲気のテーマ曲です。

最後に、脚本は「バッテリー」などが印象的な丸尾聡さんですが、丸尾さんといえば、青春アドベンチャーに出演者としても名を連ねることが特徴。
本作品でも(端役ですが)随所にご出演されています。
どこにご出演されているかを探すのも一興でしょう。
シナリオ的には、舞台設定の説明を詳細にしなければいけないという、異世界ファンタジーならではウィークポイントもあり、どうしても説明調のナレーションが多い印象です(カタカナの固有名詞って音だけだと覚えづらいですよね)。
また、例えば、第1話でなぜチャグムが王に追われなければいけないのかわからない、第9話で戦っていたはずのバルサがいつの間にか戻っているなど、微妙に説明不足な部分もあります。
しかし、全体的には全10回という枠内に上手く収めていると思います。
ちなみに、本作品の原作は新潮文庫版で338ページと、やや薄めの文庫本程度のボリュームです。
青春アドベンチャー15分×10回にはこの程度のボリュームの原作が限界なのかも知れません。





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2016/3/19追記

2016年3月19日にスタートするTVドラマ版「精霊の守り人」については、こちらの記事をご参照ください。

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テーマ:ラジオドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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