青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

夢源氏剣祭文 原作:小池一夫(青春アドベンチャー)

作品:夢源氏剣祭文
番組:青春アドベンチャー
格付:A+
分類:伝奇
初出:1998年10月26日~11月6日(全10回)
原作:小池一夫
脚色:湯本香樹実
音楽:栗山和樹
演出:千葉守
主演:皆口裕子

平安時代。
4歳の少女・茨木(いばらき)は、都にいる父を探して旅をしている途上で母を亡くし、天涯孤独の身の上になってしまう。
さらに、追い打ちを掛けるように鬼に襲われた茨木は、辛くも命を守ることができたものの、鬼に耳をかじられてしまう。
そして、茨木は、その後に出会った山姥から不吉な予言を受ける。
すなわち「鬼にかまれた者は、その毒により、徐々に鬼に変じていく」と。
多くの武人、陰陽師、貴族達との関わりの中で、少女・茨木にどんな運命が待ち受けているのか。

―――――――――――――――――――

漫画原作者として有名な小池一夫さんの小説を原作とするラジオドラマです。
なお、本作品「夢源氏剣祭文」の読み方は「ゆめげんじ・つるぎ・の・さいもん」です。
原作は、1993年に平安建都1200年を記念して毎日新聞紙上で連載された作品なのだそうです。
小池一夫さんといえば「子連れ狼」ですが、子供の頃からの私の印象としては、ちょっとエッチな漫画の原作を書かれている人、でした。

さて、本作品は平安時代を舞台にしたちょっと珍しい作品です。
本作品の他に平安時代を舞台にした青春アドベンチャーの作品としては、「風神秘抄」、「鬼の橋」、「小袖日記」、「タイムスリップ源平合戦」、「白狐魔記 源平の風」などがあります(「小袖日記」と「タイムスリップ源平合戦」はタイムスリップものなので厳密には現代と平安時代の二元中継ですが)。
しかし、一言で平安時代と言っても400年近い期間があります。
本作品を含めた5作品の舞台を時系列に並べると、以下のとおりになります。

「鬼の橋」         :9世紀前半
「夢源氏剣祭文」      :主に10世紀後半
「小袖日記」        :10世紀後半
「風神秘抄」        :12世紀後半
「タイムスリップ源平合戦」 :12世紀後半
「白狐魔記 源平の風」 :12世紀後半

これらの中でも、歴史的事実と超常現象が混在した伝奇物という意味で、本作品と似ているのは「鬼の橋」、「風神秘抄」と「白狐魔記 源平の風」です。
特に「鬼の橋」は中世(平安時代)の中でも古代(奈良時代)に近い時代だけあって、「人が鬼になる」(そして「鬼は人になれるのか」)ということが物語の重要なファクターになっており、本作品とイメージが近い作品です。
ちなみに「人が鬼になる」という点では、「昔、火星のあった場所」でも同じテーマが扱われていますが、話しが広がりすぎるのでここまでにします。
一方で「風神秘抄」も超常的な現象がキーになる作品ですが、より新しい時代を舞台にしているだけあって、小暗い雰囲気があまりなく明るい作品です。
また、本作品の特徴として、歴史上あるいは伝説上の著名な人物が多数登場することが挙げられます。
主人公の茨木自身が伝説上の有名な鬼なのですが、その他にも、武人としては藤原秀郷、平将門(首だけ登場)、源頼光、渡辺綱、坂田金時(いわゆる足柄山の金太郎)。
また、陰陽師としては加茂忠行、安倍晴明、芦屋道摩が出てきます。
また、藤原兼家、藤原道長といった著名な権力者、朱天太夫(酒呑童子)や八百比丘尼といった伝説上の人物まで登場します。
しかも、伝説では、源頼光の四天王として有名な渡辺綱や坂田金時が、本作品では源頼光と敵対する立場だったりしてなかなか面白い展開です。
終盤は、藤原兼家・道長+源頼光+芦屋道満チームvs渡辺綱+坂田金時+安倍晴明チームの総力戦になっていたりして興味深いです。
...かなりネタバレに近くなってきたので、紹介はこの辺まで。
詳しくは聴いてのお楽しみと言うことにします。


さて、出演者についてですが、主役の茨木役は、幼少時の第3回までは半田美保子さんが、第4回以降は皆口裕子さんが演じています。
半田さんは1988年12月生まれの方で、本作品制作時には9歳ですので、子役の方だったのだと思いますが、例によって子役の方の来歴はよくわかりませんね。
一方の皆口さんは、とんねるずが司会をしていたバラエティ番組「ねるとん紅鯨団」のナレーションと、TVアニメ「YAWARA!」の主人公・猪熊柔役で、1980年代から1990年代に掛けて有名になった方です。
最近ではゲーム「ラブプラス」の姉ヶ崎寧々役が有名のようですが、青春アドベンチャーでは1997年の「夢の木」でも主要キャストで登場されています。
その他、本作品は途中でかなり時間が飛んで、舞台となる時代が前半と後半の大きくふたつに分かれているのですが、前半の陰の主役的な位置づけの安倍晴明役はNHK-FMお馴染みの松田洋治さん、後半の陰の主役的な位置づけの渡辺綱役は木場勝巳さんが演じています。
ちなみに「タイムスリップ川中島」にも安倍晴明は登場するのですが、そちらで清明を演じているのは磯部勉さん。
松田さんと磯部さんはともにNHK-FMのラジオドラマによく出演される方ですが、印象は全然違いますよね。

そして本作品の出演陣で、何よりも豪華なのは語りを担当した仲代達矢さんでしょう。
NHK-FMのラジオドラマって、時々、妙に豪華な配役の時があります。
ただし、それはFMシアターや特集オーディオドラマに多い現象です。
青春アドベンチャーでも「ドラマ古事記 ~神代篇~」のような例外はありますが、これは特集オーディオドラマを青春アドベンチャーに再編集した作品です。
一般的に、若年層向きの青春アドベンチャーで高齢の大物俳優を配役することはあまりありません。
本作品はごく普通のレギュラー放送の青春アドベンチャーですので、仲代さんの起用はかなり例外的だと思います。
なお、通常、ナレーションの方はタイトルコールや出演者の紹介も担当するのですが、本作品では仲代さんは本当にナレーションだけで、ちょっとだけ特別扱いされています...
それにしても、仲代さんのような大物俳優を、突如として出演させてしまうのがNHKらしいところです。


本作品の演出は「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズで有名なベテランの千葉守さん、脚本もベテランの湯本香樹実さんです。
湯本さんはこのような叙情的な作品が得意な印象があります。
また、テーマ曲は本作品のためのオリジナル曲を栗山和樹さんが作曲しています。
「鬼の橋」と同様に幻想的な雰囲気の曲です。
そういえば「風神秘抄」もオリジナル曲の作品ですが、こちらは作品内容どおり、より爽やかな曲でした。
やはり音楽は重要で、オリジナルを作れればそれに越したことはないのでしょうね。





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