青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

モー、ギュッー!っとして 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

作品:モー、ギュッー!っとして
番組:青春アドベンチャー
格付:B
分類:コメディ
初出:2008年12月15日~12月19日(全5回)
作 :藤井青銅
演出:真銅健嗣
主演:松尾貴史、加藤夏希

この星の文明を監視するために、銀河連邦から派遣されている監視員。
彼らは毎年12月末になると、様々な動物に変装してやってきて前任の監視員と交代する。
交代に当たっては、前任の監視員から、その年にあった主な出来事のレクチャー受けるのが習わしだ。
さて、今日は、今年のネズミに変装していた監視員から、来年のウシに変装する監視への引継ぎが行われる。
今年、2008年の日本は、宇宙人からはどのように見えていたのであろうか。

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1年の出来事をコントで振り返る、藤井青銅さんの人気シリーズ「年忘れ年末アドベンチャー 干支シリーズ」の一作です。
干支シリーズの概要については「俵のねずみがマウスでチュー!」の記事をご参照ください。
本作品で取り上げている主な2008年のできごとは以下のとおりです。

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第1回:政治経済
「2代続けて総理の政権投げだし」「サブプライムローン破たん」
2007年の総理の辞め方も衝撃的でしたが、2008年に総理が、自分の子供くらいの年齢の新聞記者相手に「私は自分自身を客観的に見ることにはできるんです。あなたと違うんです。」と捨て台詞をはいて辞任したのも前代未聞でした。
さすがにこちらの方はカムバックしないようです。
そしてサブプライムローン。
この記事を書いている時点(2013年)でもまだ、その傷からは回復していません。

第2回:社会的な出来事
「事故米・汚染米」「蟹工船」
蟹工船のシナリオがアレンジされることによりヒーローものに変化していく様子は、サウンド夢工房時代の名作「愛と青春のサンバイマン」をほうふつとさせます。
「蟹工船ビーム!」「ワーキングプア・アタック!」。

第3回:スポーツ界
「北京五輪開会式のCG花火と口パク少女」「石井慧選手のビッグマウス」「清原選手の引退」
北京五輪もついこの間のような気がします。
もう2回前の大会だなんて嘘みたいですね。
それにしても、スポーツの話題は罪がなくてよいですね。

第4回:芸能界
「サザンオールスターズ活動休止」「小室哲哉の詐欺事件」
この回の放送でサザンの“TSUNAMI”を久しぶりに聞きました。
この曲、サザンオールスターズ最大のヒット曲(=サザンが最も儲けいている曲)なのに、大震災以降、全くなかったことにされていますよね。
「見つめあうと素直におしゃべりできない。TSUNAMIのような侘しさに~」という歌詞は「津波」の恐ろしさを見誤っていた気がしてなりません。
桑田佳祐さん自身は「いつか(東日本大震災の)悲しみの記憶が薄れてこの曲を歌ってくれという声があれば、復興の象徴として歌える日がきたらいいと思っている」とおっしゃっているそうですが、それだけで十分なのでしょうか。
私にもサザンには大好きな曲がたくさんあるので、こんなことを書くのは心苦しいのですが、“TSUNAMI”という曲の歌詞をどう考えるのか、今後のこの曲をどうしていきたいのかちゃんと総括して、逆に積極的に復興に関わって頂ければ嬉しかったなあ、という気持ちがあります。
実際問題として震災直後の時期に桑田さんは病上がりだったはずで、自由に動くこともできなかったでしょうし、あまり大きなことを期待できないことはわかっているつもりではあるのですが。
ファンの勝手な妄想ということにしておいてください。

第5回:文化的な出来事
「赤塚不二夫さん逝去」「ノーベル物理学賞・化学賞受賞」
タモリさんの赤塚さんへの“勧進帳”な弔辞は素晴らしかったですね。
また、この回にはスタッフ思われる人の声が入る珍しい演出がなされています。
なお、なぜ老人にならないとノーベル賞が取れないのかは、伊東乾さんの「日本にノーベル賞が来る理由」を読めばわかります。
こちらも是非。

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その他、このシリーズでは番組の終わりの12年前のヒット曲を少しだけ流すのが恒例で、この作品では以下の曲が流れています。

・「硝子の少年」KinkiKids
・「CAN YOU CELEBRATE?」安室奈美恵
・「ホワイトラブ」SPEED

メインの出演者は、昨年に引き続きネズミ役がタレントの松尾貴史(キッチュ)さんです。
また、ウシ役はグラビアアイドル・女優の加藤夏希さん。
アニメなどのサブカルチャー好きを公言されている方ですが、本作品でもフリートーク中に2008年一番の思い出を声優デビュー(スレイヤーズ)と語ったり、コント中でも「らき☆すた」、「ネオアンジェリーク」などと叫んだりして、キャラクターをうまく生かしています。
このシリーズの法則どおり、加藤さんは次年の「燃えよ虎の子」にも継続して出演されています。

最後に、本作品は伊藤守恵さんが選曲をされた最後の青春アドベンチャー作品のようです。
本作品が放送されたのが2008年の年末。
こちらのブログ(外部リンク)によれば2010年の年明け早々に亡くなられたそうです。
ラジオドラマは、作品の出来に音楽の善し悪しの占める割合が非常に大きい表現媒体です。
特に、青春アドベンチャーは作品ジャンルが非常に多様ですので、各作品の雰囲気を的確に表すためには、作品ごとに違った雰囲気の音楽を付けていなければいけない宿命にあります。
もちろん、すべての作品それぞれに良質なオリジナル音楽が作れればそれに越したことはないのかも知れませんが、1カ月に1作品以上のペースで新作をつくっている青春アドベンチャーでは時間の都合上、(恐らく予算の都合上も)、どうしてもオリジナル音楽の作品は少なくなってしまいます。
そのため、一部のオリジナル音楽の作品を除いて、青春アドベンチャーでは、作品毎の雰囲気にあった既存の曲を「選曲」してBGMに使うことが通例になっています。
といっても、作品ジャンルが多彩な青春アドベンチャーです。
各作品にあった曲を選んでくることは並大抵のことではありません。
伊藤さんはこの番組において、前身番組の時代から極めて長期に亘り、非常に多くの(というよりほとんどの)作品の選曲をされてきました。
私は音楽に造詣が深くないので、大抵の曲は元ネタが分からないのですが、たまに元ネタが分かる曲にであうと、「よくこんな曲をみつけてきたなあ」と思うことがしばしばでした。
恐らく、クラシックからアニメまで、また、ロックから民族音楽まで、あらゆるジャンルの音楽に詳しく、かつ、ラジオドラマにも精通させれていたのだと思います。
ちなみに、2009年以降は水津雅幸さん、黒田賢一さん、石原慎介さんの三方が交代で青春アドベンチャーの選曲を担当されています。
もちろん三方に不満はないですし、正直、質が落ちたとも思いませんが、伊藤さん亡き後の青春アドベンチャーがどこか元気がないと思うのは私だけでしょうか。
少なくとも「選曲、伊藤守恵」という、青春アドベンチャーでは、長い間、あって当たり前だったスッタフ紹介がないと言うだけで何とも言えない寂しさを感じます。

【年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズの一覧】
干支一巡を大きく上回る17年間も続いた、青春アドベンチャーの年末の風物詩「干支シリーズ」の一覧はこちらです。

【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。
こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。




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テーマ:ラジオドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント

伊藤守恵

以前、音楽がだれが担当したか載せて下さいとお願いしたラジオドラマが好きな者です。
タイトルに挙げた「伊藤守恵」さん、よく選曲で名前を聴いていました。
いつからかその名前を聴くことがなくなりまして、
ご病気で亡くなられたと知りました。
もしその情報が本当であるのなら非常に残念な事だと思います。
ちなみに下記のURLに伊藤守恵さんが担当した「ランドオーバーシリーズ」なるもののエンディングの曲が何なのか?教えて欲しいとの文章があり、私も非常に気になりました。こちらの管理人さんは非常に詳しい方だと思い、もしかしたら、ご存知かもしれないとコメント致します。

http://d.hatena.ne.jp/hikouseki/touch/20100203/1265204549

  • 2017/08/26(土) 15:24:32 |
  • URL |
  • アドベンチャー #mQop/nM.

Re: 伊藤守恵

アドベンチャーさま

コメントありがとうございます。
伊藤守恵さんが亡くなられたということは私もネットでの書き込みを見ただけなので真偽はわかりません。
ただ急にお名前を聞かなくなったので恐らく真実ではないかと思っています。
正直私は音楽に詳しくないのでその全貌はわからないのですが、気が付いただけでもクラシックからアニメの劇伴まで幅広く選曲対象になっており、この番組にはまさにぴったりの方だったと思います。
残念ですね。

ランドオーヴァーの件については私もわかりません。
番組が終わった後の時間調整の曲だったのでしょうか。
音源も残っていないようですし、残っていても音楽に詳しくないので聞いただけで判別するのはなかなか。
以下のサイトによればオープニング、エンディングは「マクロスプラス」と「フォーチュン・クエストL」のサントラからの曲らしいので、その辺を探すとよいのかもしれませんが、全く関係ない曲なのかも知れません。

http://csxjp.web.fc2.com/ds9/on-index.html

  • 2017/08/27(日) 12:23:58 |
  • URL |
  • Hirokazu #-

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