青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

ほろびた国の旅 原作:三木卓(青春アドベンチャー)

作品:ほろびた国の旅
番組:青春アドベンチャー
格付:C+
分類:タイムスリップ
初出:2011年7月25日~7月29日(5回)
原作:三木卓
脚色:たかはしさとみ
演出:佐藤譲

時は1954年。
満州に生まれ戦後は母とともに日本で暮らしていた「ぼく」は、その年、落第して生きる気力を失っていた。
そんな時、「ぼく」は、ふとしたきっかけで、昔、住んでいた満州にタイムスリップしてしまう。
そして、満州でスパイの疑いを掛けられ軍部から追われることになった「ぼく」は、「五族共和の夕べ」という満州国の子ども達のためのイベントに紛れ込み、更に満鉄超特急「あじあ」号に乗り込み満州を旅することになる。
懐かしい友人達や、数年後に死去してしまう父との出会いを通して「ぼく」は満州国の欺瞞と悲劇に直面することになる。

―――――――――――――――――――

三木卓さん原作の児童文学を原作とするラジオドラマです。
タイトルの「ほろびた国」とは満州国のことであり、太平洋戦争中の満州国の時代にタイムスリップする物語です。
ちなみにこの作品が放送されたのは2011年の7月末であり、この作品の次に放送された作品は伊佐治弥生さん作の「珊瑚の島の夢」でした。
実はこの「珊瑚の島の夢」も太平洋戦争中にタイムスリップするストーリーであり、その点で本作と完全に被った内容です。
しかも両作品とも名古屋放送局の制作で、演出も同じ佐藤譲さん。
確かに7月から8月にかけての時期は、戦争関係の特集の多い時期ではありますが、さすがに被りすぎだと思い、検索したところ、どうも2011年の大震災の影響で本作品の放送が延期になっていたためこのようになったようです。

(参考:外部リンク)http://r-kame.seesaa.net/article/215885757.html

ちなみに青春アドベンチャーではこの2作品の他に、「僕たちの戦争」も太平洋戦争中へタイムスリップする話しです。
こちらもなかなかの良作です。
機会があれば是非お聴き下さい。

さて、本作の各回のサブタイトルは以下のとおりです。

1. ふしぎな切符
2. ひみつの穴
3. 安治とぼく
4. 奉天まで
5. 林の中の一夜

作品中で「ぼく」は、かつて自分の住んでいた大連からハルピンまでを旅することになります。
その過程で様々な民族の子ども達の現実に接し、満州国の実情を再確認していくのですが、最初聴いた時にはどうもテーマがハッキリしない作品だと感じました。
開拓のために移住した一般人の思いがどうあれ、満州国が傀儡国家に過ぎなかったことは今更いうまでもないことです。
しかし、それは単なる歴史的事実に過ぎず、特に意外性があることでもないので、ことさらにそれを言い立てることがテーマになるとは思えませんでした。
作中で主人公がしたことと言えば、現実世界から逃げ出した先の満州国で色々な人と出会い、日本人として恥ずかしい体験-満州国内の差別-をして、最後に、他界する前の父親をなじる。
物語の最後には、過去にであった子ども達も立派になったようで、めでたしめでたし?
作中の体験を通じて主人公が成長したようにも見えず、これで作者は何を伝えたいのだろうかと思ってしまったのです。
ところが改めて調べると、これってもともと児童文学だったんですね。
どおりで全体的にファンタジックな雰囲気だったはずでした。
単に現代の子ども達に満州国というものを伝えたかっただけであれば、凝ったストーリーとか、スピーディーなシーン展開とか、人生の機微とか、主人公の成長とか、物語としての完成度を期待する方が間違っていたのかも知れません。
僕たちの戦争」とか「珊瑚の島の夢」はそういう要素が強かったので、少し勘違いをしていました。

主役の「ぼく」は俳優の森田直幸さんが演じています。
所属事務所を移籍?したりして色々大変そうですが、元気に頑張っていらっしゃるようです。

また、スタッフは脚色がたかはしさとみさんで、演出は佐藤譲さん。
短編までチェックしていないのですが、たかはしさとみさんはこれが青春アドベンチャーの初脚色だと思います(FMシアターの脚色の経験はおありのようです)。
一方の佐藤さんは番組がサウンド夢工房だった時代から演出にお名前があるベテランの方で、既に紹介した作品では「超能力はワインの香り」がとても印象的でした。
近年の記録を見ると「五つの夢」や「新・動物園物語」など名古屋局の制作作品でお名前を拝見しますので、名古屋の方なのかも知れません。



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