青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

山田正紀「神狩り」

【特集:お勧め作品⑨】山田正紀「神狩り」

青春アドベンチャーでラジオドラマ化してくれたら嬉しいなあと思う作品を紹介するこのコーナー。
もともとラジオドラマの紹介ブログなのに、ラジオドラマ化されていない作品を取り上げるという異端の内容だったのですが、回を重ねるごとに、さらに本来の趣旨から外れ、単に「ちょっと古めで世間からは忘れられかけてるけど、個人的に忘れられない作品を取り上げるコーナー」と化しつつあるという非難が聞こえてきそうな今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
いや、確かにその通りなんですけど、一応、紹介する作品の選択には気を遣っているんですよ。
つまり、個人的に思い入れのあるマイナー作品であっても、敢えて取り上げていないものもあるのです。
例えば、「あろひろし」さん作の漫画作品「雲界の旅人」。
「とっても少年探検隊」などのギャグマンガやライトな雰囲気の作品で有名な方ですが、「雲界の旅人」は恐らくあろさん唯一のギャグ一切なし、シリアス一辺倒の作品。
全2巻しか出ておらず(しかも恐らく絶版)ストーリーも途中で中断しているし、これ知ってるいる人は少ないと思うのですが、面白いんですよ。
主人公二人の、故郷を、そしてお互いを思う気持ちが熱い!
一見、異世界ファンタジーなんですが、実はSFなんです。
今、「テラフォーマーズ」(原作:貴家悠さん、作画:橘賢一さん)も流行っているし、取りあげるには良いタイミングだとも思うのですが、「雲界の旅人」ってやっぱり絵があっての作品だと思うんですよね。
あの竜の背中に乗って島の真の姿を目にするシーンとか、やっぱりラジオドラマでは再現が難しいと思うのです。
と言うわけで、こういうのは紹介していないので、一応、企画の趣旨には未だ生きていると思うのですが、どうでしょう。
...と言いつつ、ここで十分紹介してしまった気もします。
とにかくお勧めです。

さて、グズグズと話を先延ばしてきましたが、「神狩り」です。
正直言いまして、今、紹介文を書きたいような、書いて自分の思いが伝わらないことが怖くて書きたくないような不思議な気分です。
この作品に関しては「単に好きだから紹介しているだけだろう」といわれてしまっても反論できないところがあります。
梅原克文さんの「二重螺旋の悪魔」の記事にも書いたのですが、単純に好きですからね、この作品。
それに正直、初期の山田SFであれば、「崑崙遊撃隊」や「襲撃のメロディ」、「謀殺のチェスゲーム」などの方がラジオドラマ化しやすいかも知れないとの思いもあります。
しかし、やはり1作品、紹介するのであれば「神狩り」は外せません。

それにしても、これ、作品紹介、要りますかね。
山田正紀さんのデビュー作にして出世作。
でも、発表から随分、経ってしまったし、最近、SF小説が退潮気味?のこともあって、若い人は知らない人も多いんだろうな。
それに、そもそもこの作品、(私もよく知りませんが)学生運動華やかなりし頃の雰囲気を濃厚に纏っているので、今の読者に受け入れられるかもわからないですよね。
...などとウジウジ書いていても仕方ないので、紹介してしまいます。

まあ、何というか、ずばり神と戦う話しです。
神と戦う、と言っても実体的な神様と超能力バトルをするという話しではありません。
主人公の島津が神の実在に気がつくきっかけは、遺跡に残された「13重に入り組んだ関係代名詞と、2つの論理記号のみの文字」。
人間には決して理解できない文字の存在は同時に、人間以上の存在=神、の存在を示すものでした。
そして、神にまつわる事件に巻き込まれているうちに、やがて、神が人類の歴史に悪意で干渉を続けてきたことを知った島津は、怒りを持って、神を狩り出すことを決意します。
人間には基本的に理解もできず、勝つことも出来ない相手に絶望的な戦いを始めた島津の運命はどうなるのか。

「神というのは全共闘世代にとっての体制(日本政府)の暗喩である」などという、ありきたりな評論はおいておくとしましょう。
この中2病的な紹介で萌えられた・燃えられた方は是非、手に取ってみて下さい。
中編ですのでボリュームもほどほどで、すぐに読めると思いますよ。
ラジオドラマにあっている作品かどうかは正直微妙なところだと思います。
目に見えない者と戦う話しなのでアニメよりはあっていると思う反面、面白さを音だけでうまく伝えられるだろうかという懸念もあります。
主人公の独白がやたら多い作品になってしまいそうだなあ。
山田さんの初期作品なら「氷河民族」や「弥勒戦争」も面白いんだけど、これらも神狩りと似た雰囲気の作品なので、ラジオドラマ化は少し難易度が高いかも知れません。

それにしても、やっぱり神と戦う人生は格好いいよなあ、と思う今日この頃です。
現実の疲れたサラリーマンにはそういう体験はできないし、したいとも思いませんが、それでも胸のどこかに「強大な体制的な何者か」に対する怒りはくすぶっている気がします。
今回の(今回も?)紹介は支離滅裂ですな。すみません。

ちなみに山田さんの作品は青春アドベンチャー系の番組で過去3回取り上げられています。
1987年放送の「謀殺の弾丸特急」と2013年放送(この記事をアップした日が最終回)の「ツングース特命隊」と2015年放送の「チョウたちの時間」です。
「謀殺の弾丸特急」と「ツングース特命隊」の間には何と25年以上もブランクがあります。
NHKさん、やればできるじゃないですか。
秘境冒険ものもいいですけど、次は是非、巨大な敵に戦いを挑む初期山田SF、特に「神狩り」に挑戦して見ましょうよ。

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次の特集は、青アドポーカー第2回「NHK連続テレビ小説(朝ドラ)の主演女優つながり」です。
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次のお勧め作品は小室孝太郎さんの「ワースト」です。
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【過去のお勧め作品シリーズ】
お勧め作品①:小川一水「天涯の砦」「疾走!千マイル急行」
お勧め作品②:小川一水(その他)
お勧め作品③:佐藤賢一「カエサルを撃て」
お勧め作品④:佐藤賢一(その他)
お勧め作品⑤:梅原克文「二重螺旋の悪魔」
お勧め作品⑥:笹本祐一「妖精作戦」シリーズ
お勧め作品⑦:尾瀬あきら「とべ!人類」「とべ!人類Ⅱ」
お勧め作品⑧:田中芳樹「マヴァール年代記」









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