青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

虹を操る少年 原作:東野圭吾(青春アドベンチャー)

作品:虹を操る少年
番組:青春アドベンチャー
格付:B+
分類:SF(日本)
初出:1998年1月5日~1月16日(10回)
原作:東野圭吾
脚色:鶴谷あずさ
演出:江澤俊彦


光瑠(みつる)は高校生の少年。
聡明で運動神経も良くしかも美男子。学校にはファンクラブもある。
しかし、彼には幼なじみの輝美などしか知らない特殊な能力があった。
それは、微妙な光の差異を感知する能力。
そしてある日、彼は遂にその能力を積極的に行使し始める。
光を調節することにより人の感情に直接、メッセージを送る「音楽」ならぬ「光楽」(こうがく)の演奏を始めたのだ。
麻薬的な魅力を持つ新しい芸術手段である「光楽」は急速に社会に影響を与え始める。
それとともに、光楽を商売に積極的に利用しようとする者、光楽を社会を乱す危険な活動として弾圧しようとする者など、多くの大人達の思惑が光瑠を巻き込んでいく。
人一倍聡明な光瑠が敢えて光楽を始めた理由は何なのか。
彼は何を目指しているのか。

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2013年3月5日に亡くなられた納谷悟朗さんの追悼企画は、前々回の「ロスト・ワールド」、前回の「完璧な涙」で終わるつもりでしたが、急遽、もう一作、この「虹を操る少年」をご紹介することにしました。
本作は光をメッセージを伝達する手段として自由に操れる若者の話ですが、実はこの次の記事をこの記事の直前まで(~2013年3月22日)放送していた「」(道尾秀介さん原作)にする予定なので、「光」つながりでちょっと面白いかと思ったからです。
作品内容自体は本作と道尾さんの「光」は全く関係ありません。あしからず。

さて、本作は今や国民的作家と言っても過言ではない東野圭吾さん原作のラジオドラマです。
青春アドベンチャーでは本作の他、「分身」が同じ年に青春アドベンチャーで取りあげられています。
本作が放送されたのが1998年1月、「分身」が放送されたのが1998年6月。
ちなみに東野さん小説の発表時期をみると東野さんのブレイクの切欠となった「秘密」の単行本が刊行されたのが1998年9月であり、後に福山雅治さん主演でTVシリーズ化され大人気になる、探偵ガリレオシリーズの第1作短編集が刊行されたのが1998年5月。
そして、東野さんの名を不動のものにする「白夜行」が1999年。
まさに東野さん大ブレイク前夜にこれらの青春アドベンチャーは放送されていたことになります。
ここでも発揮されている番組スタッフの目端の利き具合と小回りのよさ。いつもながら見事です。
ちなみにその後、東野さんの作品は一作も取り上げられていません。
東野さんがラジオドラマなど見向きもしなくなってしまったのか、有名になりすぎた原作者さんを番組スタッフが避けているのか。
さて、どっちでしょう。

さて、本作の紹介に戻ります。
東野さんといえばミステリー作家として有名ですが、本作はミステリー色は薄く、サスペンス調又はSF調の作品です。
既に本ブログで紹介した他の作品に例えて言うならば、前半は「青の時間」に雰囲気がよく似たサスペンス作品、後半はテーマが「イカロスの誕生日」に近いSF作品です。
この作品をSF作品と分類するのは少し飛躍かも知れませんが、後半のテーマはSFと称するに相応しいと思いますので、本ブログでは敢えてSFとして見ました(本ブログのジャンル分けはこの記事をご参照下さい)。
大まかなストーリーとしては、前半は光楽が徐々に広がっていく過程が描かれます。
光瑠の行動原理があまりはっきりとしないのと、光楽の原理がこれまたよく分からないため、全般に謎をはらんだまま進んでいきます。
後半は光楽を巡る両派の動きが一気にめまぐるしくなり、エンディングへと進んでいきます。
個人的には、ある人物があっさり救出されてしまったり、悪役?があっさり負けてしまったり、最終回の妙にあっさりした展開にはやや疑問が残るのですが、全般的に興味深い話しでした。

本作品の主役である白河光瑠を演じているのは笠原秀幸さんですが、作品の印象を良くしているのがやはり魅力的な脇役陣。
光楽を巡って暗闘するふたつの勢力の黒幕を演じているのが、納谷悟朗さんと久米明さん。
納谷悟朗さんはもはや言わずもがなの名優。
憎々しげな役を気持ちよさそうに演じています。
一方の久米さんも超ベテランらしい味のあるお声。
青春アドベンチャーでは「妖精作戦」、「失われた地平線」などでも活躍されています。
個人的にはやはり「妖精作戦」でジルベスター博士を楽しげに演じていらっしゃったのが一番印象的かな。
あと、本作の出演陣で特筆すべきはヒロインの輝美役の菊地百合子さん。
wikipediaによると後に映画「バベル」で女優として世界的な評価を得ることになる菊地凛子さんその人だとか。
菊地百合子さんはこの前年の「フルネルソン」にも出演されているそうですが、もし菊地凛子さん本人だとすると、青春アドベンチャーは菊地凛子さんのほぼ女優デビューに近い舞台だったことになります。




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