青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

おしまいの日 原作:新井素子(青春アドベンチャー)

作品:おしまいの日
番組:青春アドベンチャー
格付:A
分類:ホラー
初出:1993年1月4日~1月15日(10回)
原作:新井素子
脚色:内田史子
演出:岩崎健

三津子は平凡な専業主婦。
もともと人付き合いがあまり得意ではなく、優しい夫・忠春(=ハルさん)を家で待つ生活に幸せを感じている。
しかし、ハルさんは社内の出世頭で、帰宅が深夜になるのは当たり前。
「ハルさんは今日も帰らない」と日記に書く毎日の中で、三津子の精神は徐々に蝕まれていく...

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新井素子さん原作のサイコホラー
新井さんといえば、とても読みやすい(でも入念に構成された)独特な一人称の口語表現の文体で有名です。
文体がラジオドラマにあっていたからか1980年代に盛んにラジオドラマ化されました。
私が聞いたことがあるものだけでも本作のほかに「いつか猫になる日まで」「絶句」「二分割幽霊奇譚」「グリーン・レクイエム」がラジオドラマ化されていました。
当時NHK-FMにはラジオドラマが2系統(この辺の番組の変遷については別記事にて簡単に説明します)ありましたが、その双方で採用されています。

また、新井作品は基本的には女の子が主人公のスラップスティックな物語(ドタバタ劇)で、話が進むにつれSF的な大がかりな背景が明らかになっていく、というパターンが定番だったと記憶しています。
しかしSF的な背景が明らかになった後でも、新井作品の主人公達は一般人(※)の視点から行動・発言を続けます。
それがとても新鮮でした。
最近では笹本祐一さん(妖精作戦)などとともにライトノベルの元祖などという呼ばれ方もされているようです。

(※)舞台が新井さんの出身地の東京都練馬区であったりします。
知らない方に説明すると練馬区は、東京の中でも山の手でも下町でもない「普通の住宅地、ちょっと田舎」というイメージの地域です。
ドラえもんの舞台といえばイメージしやすいでしょうか。

本作は、これらの新井さんの初期の作品とはやや毛色の違うサイコホラーです。
本作では作中の台詞のかなりの部分を三津子の独白が占めます。
そのため、視聴者は主として三津子のフィルターを通して情報を得ることになります。
当初はまともな内容だった三津子の台詞が、徐々に違和感を帯びてきて、台詞の内容が事実なのか、精神を病んだ三津子の妄想なのかが、わからなくなっていく仕掛けです。

主人公・三津子を演じているのはシンガーソングライターの谷山浩子さん。
その他、物まね芸人の清水ミチコさん(「黒蜥蜴」にもご出演)も出演されています。
谷山さんといえば、ご自身が原作+主演をされた「悲しみの時計少女」(サウンド夢工房)もファンの間では有名なようです。
谷山さん、長年、ラジオのパーソナリティをされていましたし、台詞回しは上手、というか、いつもどおりという感じで、非常にかわいい、和む感じの話しぶりです。
でも和む声であるからこそ、その後の破局への恐怖感が増すのですけど。
谷山さんは、一般的にはファンタジーな曲が有名ですが、暗いどろどろした内容の曲もあります。
それを知っているのでなおさらそう感じるのかも知れません。
本作のテーマ曲「会いたくて」も一途な恋愛の曲ですが、一途過ぎて少し怖い曲です。

ただし、個人的にはこの作品で一番怖いと感じたのは、前半の「にゃおんはひょっとして、もう...」と思うあたりまででした。
その後も狂気は徐々にエスカレートしていくのですが、物語が破滅的に急展開していくわけでもなく、特にラスト部分に妙に理性的な要素があり、少し拍子抜けしました。
説明を放り投げたような非合理的なラストも好みではないのですが、折角のホラーですのでもう少し破滅的で良かった気もします。

<新井素子原作の他の作品>
・プシキャット翔んでも大冒険(聴いたことがありません。聴かせても良いという方は是非ご連絡ください。)
絶句
二分割幽霊綺譚
グリーン・レクイエム
・ひとめあなたに(ほとんど聴いたことがありません。聴かせても良いという方は是非ご連絡ください。)
星へ行く船
ザ・素ちゃんズ・ワールド~ひでおと素子の愛の交換日記から~
いつか猫になる日まで
・おしまいの日(本作品)




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