青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

1993年の青春アドベンチャー放送作品一覧

【1993年に放送された青春アドベンチャーの総括】

本ブログでは、各年ごとの初出作品で、紹介可能な(=音源を持っている)作品全てを紹介し終えた段階で、各年ごとの一覧記事を作成しています。
1993年についても、2017年6月27日にアップした「ザ・マンボスパイズ」の記事をもって、再放送を除く全作品を紹介することができましたので、この度、一覧の記事を公開します。
今回紹介する「1993年」は、番組名が「サウンド夢工房」から「青春アドベンチャー」に変わって2年目の年。
「青春アドベンチャー最初の黄金期でどの作品も傑作ばかり」だと思っていたのですが、改めて一覧にしてみると、各作品の「格付け」はバラバラです。
格付け“A”を3点とした場合の平均的な評点も、2.89と特別に高くはなく、少し意外な感を受けました。
一覧で示すと以下のとおりの19作品となります。

番号 放送時期 回数 作品名 格付け
1 1月4日~1月15日 10 おしまいの日 A
2 1月18日~1月29日 10 五番目のサリー AA
3 2月15日~2月26日 10 オズ B
4 4月5日~4月16日 10 夢の木 A-
5 4月19日~4月30日 10 猫のゆりかご C+
6 5月10日~5月21日 10 春休み少年探偵団 B+
7 5月24日~6月4日 10 テレヴィジョン・シティ C+
8 6月7日~6月11日 5 ハリーとアキラ AA
9 6月14日~7月2日 15 ジュラシック・パーク AAA-
10 7月5日~7月16日 10 ふたり AAA
11 7月19日~7月30日 10 スフィア AAA-
12 8月16日~9月3日 15 ブルボンの封印 AA-
13 9月6日~9月17日 10 くたばれ!ビジネスボーグ A-
14 9月20日~10月1日 10 武蔵野蹴球団 C+
15 10月4日~10月8日 5 ザ・マンボスパイズ B-
16 11月1日~11月5日 4 草上仁のミラクルワールド B+
17 11月8日~11月19日 10 都立高校独立国 A
18 12月6日~12月17日 10 サンタクロースが歌ってくれた A+
19 12月20日~12月24日 5 我輩は犬である B

全19作品・179回と、分量としては「やや多め」と言ったところでしょうか。
先ほど格付けは高くないと書きましたが、6月から9月にかけての「ハリーとアキラ」、「ジュラシック・パーク」、「ふたり」、「スフィア」、「ブルボンの封印」の5連続はやはり圧巻です。
ここだけみればやはり「黄金期」と言っても過言ではないでしょう。
その割に平均評価が上がらなかったのは、“C+”と低格付けの作品が3作品もあることが主な原因です。
ただ、その中でも「猫のゆりかご」のように実験的で訳が分からないため“C+”にしているような作品は、むしろその意気込みを買いたい面もあったりします。
この評価はあくまで私個人の感想。
評価が極端に分かれていることは、平均的な作品が多い年よりも、「あるリスナーにとって最高の作品が多かった」のだと考えて良いのかも知れません。

その他のトピックを挙げるとすれば、マイクル・クライトンの作品がなぜか2作品(「ジュラシック・パーク」、「スフィア」)も採用されています。
2作品のインターバルは1カ月程度なので敢えて並べたようにも見えますが、演出家は別ですので、単なる偶然かも知れません。 「ジュラシック・パーク」は映画の公開とほぼ同時期に放送した点でも随分挑戦的でした。
また、青春アドベンチャーの「年末の風物詩」として、これ以降、長年に亘って親しまれることになる「年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズ」が始まったのもこの年です。
第1弾は「我輩は犬である」でした。

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ザ・マンボスパイズ 作:マキノノゾミ(青春アドベンチャー)

作品:ザ・マンボスパイズ
番組:青春アドベンチャー
格付:B-
分類:コメディ
初出:1993年10月4日~10月8日(全5回)
作 :マキノノゾミ
演出:加藤択
主演:三上壱郎

大ヒット間違いなしとレコード会社に自分の曲を売り込みに行ったジロウ、サブ、ゲンの“マンボボーイズ”の3人。
しかし、レコードデビューはけんもほろろに断られた。
マンボは時代遅れなのか。
いや間違っているのはレコード会社の方だ。世間の方だ。
荒れる3人だが、自宅に戻り、届いていた小包を開けたときに状況は一変する。
実はジロウは3年前まで外務省の秘密諜報員だったのだ。
そして、人手不足の外務省は、ジロウとその仲間に、中南米サンチョ王国のお姫様を救出する密命を授けるという。
ジロウ以外の2名には何の受ける義理もない依頼。
しかし、報酬を聞いたとき、ふたりもこの提案に飛びつくことを決めた。
外務省の二階堂課長はいう「報酬は君たちのレコードデビューだ!」

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本作品「ザ・マンボスパイズ」は、劇団M.O.Pを主催していた俳優・劇作家のマキノノゾミさんによるオリジナル脚本のラジオドラマです。
マキノさんは、ヒロインを宇宙飛行士にしてしまうという、歴代の朝ドラの中でも怪作として知られるの「まんてん」(2002年下期)の脚本を担当した方で、「悪戯の楽園」に主演されたキムラ緑子さんの旦那さんでもあります。
本作品も「マンボ」+「スパイ」という何とも突飛な組み合わせを題材とした作品です。
ちなみに、「マキノ」と聞いて思い出すのは、「浪人街」や「次郎長三国志」などの監督として知られる「日本映画の父」マキノ雅弘さんや、その甥で映画監督としては「マキノ雅彦」と名乗っている津川雅彦さんですが、これらの方とマキノノゾミさんは特に関係はないようです。

さて、本作品「ザ・マンボスパイズ」は、「スリル、スピード、サスペンスという3つのキーワードを売り物に、本格スパイドラマの幕が上がる!」などという口上とともにスタートしますが、冒頭のあらすじどおり中身はコメディ
「反体制派から王女を救い出す」というプロットが同じ作品として、アドベンチャーロード時代の「女王陛下のアルバイト探偵」がありますが、軽い調子ながらキチンと冒険サスペンスをしていた「女王陛下のアルバイト探偵」と異なり、本作品はあくまで笑い、それもトホホ感満載の会話が作品の中心であり、両作品は性格が全く違います。
大体、マンボを愛するバンド、というあたりからすでにダメダメ感満載ですよね(マンボ好きの皆さん、ごめんなさい)。

ただ、個人的な感想を言うと、本作品のギャグジーンは脱力系のそれが多く、蜃気楼のところなどちょっと笑えるシーンもあったものの、残念ながら腹を抱えて爆笑できる場面はあまりありませんでした。
折角のラジオオリジナルのドラマ脚本。
演劇風の高尚で薄味なユーモアもよいのですが、「ロスト・タイム」のしりとりシーン、「ゴーゴー!チキンズ」の「え~~」のシーンような、何も考えずに音だけ聞いて爆笑できるコテコテのシーンも作って欲しかったものです。
全5話と、青春アドベンチャーでは短い構成でありながら、実質的に第4話で冒険が終わってしまうこともあり、何となく食い足りない感覚が残ってしまった作品でした。

なお、本作品で主役の「ジロウ」を演じたのは、牧野さん主宰の劇団M.O.Pに所属されていた三上壱郎さん(オリジナル脚本なので、この「ジロウ」が次郎なのか二郎なのか、確認する手段がありません…)。
また、ヒロインの「カサチョフ王女」を演じた濱田万葉(はまだ・まは)さんは違いますが、「サブ」を演じた小市慢太郎さん(「電気女護島」、「蜩ノ記」など)も劇団M.O.Pに所属されていました。
本作品のように、脚本家と主要な出演者などをセットでひとつの劇団に任せた作品は、ひとむかし前の青春アドベンチャーでは時折見かけました。
具体的には、多少役割分担は異なりますが、青春アドベンチャー随一の怪作「少年漂流伝」(劇団維新派)、有名劇団の役者が共演した「サンタクロースが歌ってくれた」(演劇集団キャラメルボックス)、原作者自らが出演した「怪人二十面相・伝」(劇団プロジェクト・ナビ)などが該当します。
本作品の場合は、加藤拓さんという、もともとテレビ畑(「八重の桜」、「天花」、TV版「精霊の守り人」などの演出)で、青春アドベンチャーではこれ一作しか担当されていない演出家が演出された作品だったからこその、凝ったスタッフ・キャスト構成だったように感じます。


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