青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

笑う20世紀パート2 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

作品:笑う20世紀 パート2
番組:青春アドベンチャー
格付:B
分類:コメディ
初出:1995年12月4日~12月8日(全5回)
作 :藤井青銅
演出:川口泰典
主演:海津義孝(その他下表のとおり)

脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるコメディ短編ラジオドラマ集である、「笑う」シリーズの第2作目が本作品「笑う20世紀パート2」です。
藤井青銅さんの公式HPによれば、第1作は、ラジオドラマの制作以前に藤井青銅さんが書いた原作本をもとにした作品でしたが、このパート2はラジオドラマオリジナル脚本として書き下ろされたもののようです。
ただし、第3話の「新聞が来た日」は原作本に掲載されていた作品のようですし、第4話の「現代人・入門」もタイトルからすると原作の「現代人は病んでいる」と同じなのかもしれません。
また、「北海道株式会社」と「夢見る瞳」についても、ホームページによれば、同名の短編が、小説春秋で掲載の後、電子書籍版の「笑う20世紀」に追加収録されたようですが、これは恐らくラジオドラマが先なのでしょう。
それにしても「小説春秋」って何でしょうか?
そんな小説雑誌、ありましたっけ?

なお、「笑う」というより「嗤う」という表現の方が相応しいブラックな作品が多い本シリーズですが、このパート2はシニカルさは抑え気味で、特に第4話「現代人・入門」はブラックな要素が殆どない人情ものです。
なお、この「笑う」シリーズは全10回の作品が多いのですが、本作品は1998年放送のパート5と並んで全5回と最も少ない回数の作品です。

各話の主演俳優、格付け、粗筋、一言は下表ののとおりです。
基本的に1回(15分)1話で構成されています。
出演者は、旺なつきさん、舵一星さん、千紘あいさん、大高洋夫さん、海津義孝さん、山西惇さんの6名で、このうち千紘さん、大高さん、山西さんが前作から続投しています。

話数 タイトル 主演 格付け 粗筋 一言
1 夢見る瞳 海津義孝 B 自分が主役の夢を見られる機械が開発された。中毒者が続出するのだが… 海津さん主演の「ジュラシック・パーク」や「踊る黄金像」を使った方が面白かったのに。
2 マルクス甲子園 大高洋夫 A 「もし高校野球の監督がマルクスの『資本論』を読んだら」(略称「もしマル」) 馬鹿馬鹿しい設定と展開だが、意外と面白い。オチらしいオチがなかったのが残念。
3 新聞が来た日 山西惇 B- 引越直後の気の弱い男が、押しに負けて、次から次へと新聞の契約をしてしまうが。 新聞拡張団という用語が本当にあるのを始めて知った。「団」だから先輩呼びなのか。
4 現代人・入門 海津義孝 B 短足・がに股、無骨で女っ気の全くなかった元ラグビー部の鈴木が30にして恋をした。 海津さんは鈴木を応援する友人の役。それにしても、これ、コメディじゃないよなあ。
5 北海道株式会社 大高洋夫 B- 民活の流れを受け全国183の自治体が上場した。北海道(株)に買収の魔の手がかかるが。 自治体同志の株の買収合戦。もっと思い切ったオチを期待したが…

第3回の「新聞が来た日」では、「ださひ新聞」、「読み捨て新聞」などNHKらしく本当の固有名詞を出さない処理がなされている一方で、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」が流れ始めたので、「このままだと『早稲田』という固有名詞が出ちゃうなあ」と思いながら聞いていたのですが、まさに「早稲田」と出る直前で止まりました(笑)。

なお、本作品は1995年12月に放送されましたが、1週間空けて、藤井青銅さん脚本ののもうひとつの代表的なシリーズである「年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズ」の1作である「ねずみのチュー告」が放送されました。
つまり1995年12月は藤井青銅さん作の作品が2作品も放送されたことになります。
青春アドベンチャーに最も多くの脚本を提供している藤井青銅さんならではの椿事です(ただし、両作品併せても階数は10回だけ)。

また、本作品の最終回は「21世紀になったらまたお会いしましょう」といって終わるのですが、実は21世紀になるのを待つことなく、約1年後の1996年10月「笑う20世紀 パート3」が放送されることになります。
ただし、演出は本作品までの2作品を担当された川口泰典さんから、松本順(まつもと・すなお)さんにバトンタッチされることになります。

【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。


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笑う20世紀 原作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

作品:笑う20世紀
番組:青春アドベンチャー
格付:B
分類:コメディ
初出:1994年10月24日~11月4日(全9回)
原作:藤井青銅
脚色:藤井青銅
演出:川口泰典
主演:小須田康人(その他下表のとおり)

青春アドベンチャーに最も多くの脚本を提供している脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるショート・ショート集「笑う20世紀」をラジオドラマ化した作品です。
原作本は15作品で構成されていましたが、そのうち9作品が本作品でラジオドラマ化されました。
原作本のうち本作品でラジオドラマ化されなかったのは、「新聞が来た日」、「火事男」、「古典芸能の夕べ」、「こおろぎ橋」、「現代人は病んでいる」、「たぬきのくじ」の6作品です。
なお、青春アドベンチャーは通常連続10回の番組ですが、本作品は9回という中途半端な回数の作品です。
これは第2週目の木曜日に特番が放送されたためのようです。

さて、藤井青銅さんと言えば、青春アドベンチャーの年末企画として17年間連続で制作されたコント作品「干支シリーズ」が有名ですが、本作品から始まった「笑う」・「踊る」シリーズも青春アドベンチャー屈指の長期シリーズです。
具体的には、翌年からオリジナル脚本に変更された「笑う」シリーズの続編が6作品が制作され、さらに21世紀に入ってからは「踊る21世紀」と改題されて2作品が制作されました。
いずれも、いわゆる「ショートショート」ですが、「笑う」のタイトルどおりコメディ色が強く、オープニングテーマ曲も和田アキ子さんの「笑って許して」です。
ただし、藤井青銅さんらしく、単純に笑ってお終い、というコメディではなく、ブラックユーモア的な風刺色が強くなっています。
また、「干支シリーズ」が登場人物や舞台の設定を必要としない、いわゆる“コント” 仕立てであるのに対して、本作品は短編とはいえきちんと“ドラマ”の体裁を保っている点では統一されており、その面ではむしろ「不思議屋シリーズ」や「ライフシリーズ」に近い作品です。
藤井青銅さんは「第一回星新一ショートショートコンテスト」に入選して作家デビューした方ですので、その意味では本作品こそが藤井青銅さんのルーツに近い作品なのかも知れません。

本作品の各回(各話)の主演俳優、格付け、粗筋、一言を紹介しますと下表ののとおりです。
基本的に1回(15分)1話で構成されています。
出演者は、大高洋夫さん、小須田康人さん、山西惇さん、千紘あいさん、前田悠衣さん、三矢直生さんの6人であり、下表のとおり持ち回りで各回の主役を演じています。
よく見ると前田悠衣さんだけ主演作がありませんが、準主役級の作品はいくつもあります。

話数 タイトル 主演 格付け 粗筋 一言
1 恐怖の駅前商店街 小須田康人 B+ 医師が過剰に増えた日本では、医師達が差別化を図りサービス合戦を繰り広げていた! 一種のディストピアもの。過剰なサービス内容にはちょっと笑えた。オチも悪くはない。
2 ヨセ・オブ・ドリームス 山西惇 B+ 「それを来れば彼はやってくる」。雑草だらけのアパート予定地で男はその声を聞いた。 ケビン・コスナー主演の「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)のパロディ。
3 南関東大地震 三矢直生 B 南関東大学が突然、急激な多角化に乗り出した。人呼んで「南関東大・地震」。 産学連携が当たり前の昨今では、さほど突飛な内容ではなくなってしまった。
4 メンデレビウム・カード 大高洋夫 B 友人が得意気にひけらかす特典に心奪われた男はゴールドカードの取得に向かうが… 笑いというよりブラックな結末の作品。メンデレビウムは原子番号101番の元素。
5 ゲンゴ十番勝負 小須田康人 B 廃墟と化して正しい日本語も失われた大東京シティ。聖典「コク・ゴジテン」はどこに? これもディストピアもの。失われた「アホ」という言葉の意味を探す話し。
6 ドラマチックな恋 小須田康人 B+ 相手に関する希望は聞かないがドラマチックな出逢いを演出するという結婚相談所。 OMGMC、大高さんがマスター、熱海は貫一お宮など小ネタ多し。オチは読める。
7 清き一票 大高洋夫 B- 選挙は国民の娯楽!選挙期間を延ばそう!そう考えた官僚たちだが… 贈賄を富の再分配方策にするのは画期的な方法ではある。
8 借りもの競走 小須田康人 B- 所有から利用へ。世の中のあらゆるものはレンタルで済む時代がやってきた。 序盤からひたすら続く駄洒落は何なのだろうと思ったら、一応オチにつながっていた。
9 パパのガイガー 大高洋夫 C 何が放射線を発しているかわからない。ガイガーカウンターを買ってきた父親だが。 この作品は東日本大震災(福島原発事故)前の作品です。

なお、原作本は一旦、絶版になった後に、2013年に「笑う20世紀 赤」、「笑う20世紀 黄」、「笑う20世紀 青」の3つに分けてamazonのKindle版で復刊されました。
その際、「笑う20世紀 紫」、「笑う20世紀 ピンク」、「笑う20世紀 緑」の3集が追加されていますが、これらは様々な媒体に藤井さんが書いていた短編を集めたもののようです。
そのため、同じ続編でも、青春アドベンチャー版のパート2以降の内容と、この「紫」、「ピンク」、「緑」の内容は直接の対応関係はないようです。

【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。

【川口泰典演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
こちらをご覧ください。
傑作がたくさんありますよ。


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