青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

「カフェテラスのふたり」の紹介作品一覧

「カフェテラスのふたり」は、1970年代から続いたNHK-FMの長寿ラジオドラマ番組「ふたりの部屋」を引き継いで放送された番組でした。
「ふたりの部屋」は「ふたり」という番組名でありながら、時にはたくさんの出演者を使って本格的なラジオドラマを放送していたのに対して、「カフェテラスのふたり」は原点回帰的に出演者を二人(基本的に男女)に絞り、ショートストーリーを中心に制作されました。
「幻想的」、「おしゃれ」あるいは「リリカル」という単語がふさわしい作品が多く、放送時間が各回10分だったこともあり、何となく"小品"という印象が強い番組でした。
放送された期間は1985年4月から1988年3月までと比較的短く、私が所有している音源も少ないことから、このブログで紹介できる作品数はかなり少なくなります。
そのため、放送年ごとにリンク集を作っている「青春アドベンチャー」や「アドベンチャーロード」などの番組とは違って、この記事に紹介したすべての作品へのリンクを作成することとします。

放送時期 回数 作品名 格付け
1985年4月15日~4月26日 10 伸坊の哲学的 C+
1986年4月21日~5月2日 10 星へ行く船 AA-
1986年5月19日~5月23日 5 さだまさしの自分症候群 B
1986年7月7日~7月10日 5 さだまさしの青春症候群 B
1986年10月13日~10月24日 10 ザ・素ちゃんズ・ワールド-"ひでおと素子の愛の交換日記"から A
1986年12月15日~12月19日 5 さっきまで優しかった人 C+
1986年11月9日~11月13日 5 韓国・鉄道・グルメの旅 B
1987年11月23日~11月27日 5 五つの魔法の物語 C
1987年12月7日~12月11日 5 夫婦というもの B-
1988年2月15日~2月26日 10 幻の動物園 B
1988年2月29日~3月11日 10 10人のシンデレラ パートⅢ B

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夜叉ヶ池で見つけた命 作:西脇良典(青春アドベンチャー)

作品:夜叉ヶ池で見つけた命
番組:青春アドベンチャー
格付:C+
分類:幻想(日本)
初出:2015年3月23日~3月27日(全5回)
作 :西脇良典
演出:秋山遼
主演:田中俊介

クラスでも孤立気味で冴えない男子高校生タカシ。
唯一の親友が意識不明で入院したことにショックを受けた彼は、親友が語っていた秘境「夜叉ヶ池」を尋ねることを決める。
しかし、冬の夜叉ヶ池への道のりは、ひ弱なタカシが行くにはあまりに過酷なものだった。
案の定、遭難しかけてしまったタケシの身体の中で、免疫機能の司令塔である「T細胞」が必死の活動を始める。

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本ラジオドラマ「夜叉ヶ池で見つけた命」のタイトルに入っている「夜叉ヶ池」は福井県と岐阜県の境界付近(福井県側)の山間部に実在する池です。
龍神の伝説があり、泉鏡花の戯曲「夜叉ヶ池」の舞台にもなっているそうです。
ちなみに、作中で登場する固有種「ヤシャゲンゴロウ」も実在するそうです。
本ラジオドラマを制作したのは、いつものNHKの本局ではなく福井局なので、まさに地元を題材としたご当地ドラマです。
青春アドベンチャーは大部分を本局が制作し、その他も大阪局・名古屋局のなどの大都市の局が多いので、これほどのマイナー局の制作作品はかなり例外的です。
他には岡山局が制作した「風になった男」くらいしか思いつきません。

さて、冒頭の作品紹介のとおり、本作品の主役は普通の男子高校生タカシですが、準主役ともいえるのが、タケシの身体の中にある免疫機能の司令塔である“T細胞”。
つまり、身体の一器官が、人間のようにしゃべるという奇抜なドラマであり、全体的に重苦しいトーンのタカシのドラマと、軽快にしゃべりまくるT細胞の活躍シーンのコントラストが妙に鮮明な作品です。
本作品は脚本家の西脇良典さんの「作」と表記されており、青春アドベンチャー用に書き下ろされたオリジナル作品だと思われます。
勝手ながら私としては、青春アドベンチャーはエンターテイメント作品に特化した枠だと思っています。
そのため、文芸色や奇抜さが色濃く打ち出されていることが多いオリジナル脚本の作品には違和感を感じることが多くあります。
本作品も娯楽作品としてのリスナーサービスよりは作家性の主張を感じる作品であり、西脇さんも参加されている1話完結の短編集作品、いわゆる「名古屋脚本家競作シリーズ」のロングバージョンのといって良い雰囲気の作品です。
個人的には、内容の唐突さを消化できずに「T細胞?なに?」と思っているうちに終わってしまったような感を受けました。
生きることの尊さ、それを体験を通して体感していく青年の成長、的なものがテーマだとは思うのですが、いみじくも最終話でT細胞が言った「結局なんだったんだ、この旅は。」の方が率直な印象でした。
ただ、途中からなぜか登山ものの雰囲気になった場面にはそれなりに迫力がありましたし、静謐でなかなか印象的な演出です。
また、全5話しかないのに、最終話はほぼエピローグ的なまとめに使っており、余韻のあるいい終わり方です。
正直、途中の展開が退屈で「これは格付Cかな」とも思っていたのですが、最終話でだいぶ印象が変わりました。
このブログにおける格付けの差なんて本当に小さいものだな、と我ながら再確認したところです。

あと、越冬型の蝶というのは初めて知りました。
探してみるとこんな写真も見つけました。
雪と蝶。なかなか新鮮組み合わせですね。

(外部リンク)http://www.tajima.or.jp/modules/nature/details.php?bid=313

主人公の男子高校生・タカシを演じるのは、東海地方のご当地アイドルグループ「BOYS AND MEN」のメンバーの田中俊介さん。
そしてT細胞を演じるのは、前週に放送された名古屋局制作の「カモメに飛ぶことを教えた猫」に続いて2作品連続で青春アドベンチャーに出演された吉沢悠さん。
本作品でも熱演です。
また、ヒロイン(白雪/ミユキ)は、元「ハロー!プロジェクト」メンバーの真野恵里菜さんが演じています。
NHK-FMでは、AKB48グループに関しては「AKB48の“私たちの物語”」(隔週金曜日)という専門のラジオドラマ番組で優遇(隔離?)されているですが、ハロー!プロジェクト関係の方がNHK-FMのラジオドラマに出演されるのは珍しいと思います。
真野恵里菜さんは特に福井のご出身でもないようですし、どういう経緯で選ばれたのか気になるところです。

さて、前で述べたとおり本作品の脚本は西脇良典さんが書かれています。
西脇さんは、第24回(平成20年度)NHK名古屋局創作ラジオドラマ脚本募集の入選作「手の中のコスモス」がFMシアターで放送され、NHK-FMデビュー。
青春アドベンチャーでは、長編の担当は初めてですが、過去、名古屋局が制作された
短編シリーズである「五つの夢」(2011年)、「新・新動物園物語」(2013年)、「秘密の花園」(2014年)の中の短編を担当されています。
それにしても、本作品、福井局の制作であるとはいえ、西脇さんが脚本を書いていることといい、田中俊介さん・吉沢悠さんが出演されていることといい、公式ホームページに掲載されている収録時の写真といい、そして効果音などの全体の雰囲気といい、何となく名古屋局の臭いを感じる作品です。
福井は中部地方ですので、名古屋局の影響下にあるのかも知れませんね。




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