青春アドベンチャー雑記帳~オーディオドラマ・ラジオドラマの世界

NHK-FMのオーディオドラマ「青春アドベンチャー」の紹介ブログです。前身番組の「サウンド夢工房」・「アドベンチャーロード」等も含みます。一応「格付」するなど評価・評論風のことも書いていますが、堅い話はともかく雑談・脱線ありありで、オーディオドラマを中心とした楽しい世界を紹介します。リンクフリーです。

2008年の青春アドベンチャー放送作品一覧

【青春アドベンチャー放送作品一覧⑥】2008年の総括

2014年6月27日にアップした「らせん階段」の記事をもって、2008年に青春アドベンチャーで初放送された作品は、すべて紹介することができました。
年間の初出作品のコンプリートは2012年2009年2013年2011年2010年に続いて6年目です。
2008年の新作の一覧は以下のとおりです。

番号 放送時期 回数 作品名 格付け
1 2月4日~2月15日 10 ロズウェルなんか知らない B+
2 3月17日~3月28日 10 ゼンダ城の虜 A+
3 7月7日~7月11日 5 バスパニック AAA-
4 8月11日~8月22日 10 らせん階段 B-
5 9月15日~10月3日 15 ラジオ・キラー AAA-
6 11月3日~11月14日 10 有頂天家族 C
7 11月17日~11月28日 10 バードケージ 一億円を使い切れ! B+
8 12月15日~12月19日 5 モー、ギュゥー!っとして B+

何と2008年に初放送された作品は8作品のみ。
この8作品の合計放送回数もわずかに75回。
作品数も放送回数も、1993年から放送されている青春アドベンチャーの歴史だけではなく、その系列番組を含めた1980年代から2014年に至るまでの期間で最も少ない数です。
特に、1月及び4月~6月には新作が1作品も制作されておらず、2008年前半はわずかに2作品だったことになります。
これら8作品が放送されていた期間以外は、以前制作された作品が再放送されていましたので、この年は再放送ばっかりだったことになります。
まさに暗黒時代。
番組自体がいつ終了してもおかしくない状態ですが、何とかこの危機を乗り越え、翌2009年から作品数は徐々に回復していくことになります。

この8作品のうちで、当ブログでA以上の格付けとしたのは、「ゼンダ城の虜」(A+)、「バスパニック」(AAA-)、「ラジオ・キラー」(AAA-)の3作品。
100作記念の記事で採用したのと同様の方法で、A(=平均)を3点として各作品に評点を振って、2008年の8作品の平均を計算すると、実は2.75点となります。
これはA-を超える評点であり、あくまで私個人の意見ではありますが、2008年は作品数は少ないものの、評点は近年ではかなり高かったことになります。
その原因は、何といっても、ふたつの”AAA-”作品の存在。
ひとつは「普通より短い全5話構成」、「青春アドベンチャーでは少ないオリジナル脚本」という不利を跳ね返した「バスパニック」。
もう一つは2008年で唯一の全15回作品で、最近の青春アドベンチャーでは数少ない海外原作の硬派な作品である「ラジオ・キラー」。
いずれもなかなか好印象の作品でした。
ただし、作品数が8作品と少ないため、この2作品が平均評点を引っ張っただけで、全体として粒が揃っていた印象はありません。
やはり低調な時期だったということでしょう。

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次の特集は「めぞん一刻出演者つながり」です。
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らせん階段 原作:エセル・リナ・ホワイト(青春アドベンチャー)

作品:らせん階段
番組:青春アドベンチャー
格付:B-
分類:サスペンス
初出:2008年8月11日~8月22日(全10回)
原作:エセル・リナ・ホワイト
脚色:棚瀬美幸
演出:江澤俊彦
主演:花村怜美

1902年のウェールズの片田舎。
人里離れたウォーレン家の屋敷で住み込みのメイドとして働くヘレンは、屋敷への帰り道、林の中に不審な人物がいるのを目撃する。
折しも、このウェールズとイングランドの国境付近では若い女性の連続殺人事件が起きていた。
あの人物は連続殺人事件の犯人なのではないか。
不安に襲われる中、ヘレンは屋敷に住む人々とともに屋敷に閉じ込められることになる。

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イギリスの作家エセル・リナ・ホワイトのサスペンス小説「らせん階段」を原作とするラジオドラマです。
この原作は1946年の最初の映画化以降、何度もリメイクされた名作なのだそうです。

さて、物語の舞台は20世紀初頭のウェールズ。
屋敷の主人であるウォーレン教授は、近くで殺人事件が起きたことから、今夜一晩、厳重な戸締まりをし、屋敷の人々を誰ひとりとして外へ出さない、外から入らせない措置を執ります。
屋敷に集った人々とは、まず、ウォーレン教授の他、その母親のレディ・ウォーレン、教授の妹のブランシェ、教授の息子夫婦のニュートンとシモーン、といったウォーレン家の人々。
そして居候の学生でありながらシモーンとただならぬ関係にあるスティーブン。
そして使用人であるオーツ夫妻と主人公ヘレン、さらに、この日始めた屋敷にやってきた看護師のバーカー。
さらに、ヘレンが思いを寄せる通いの医師のバリーが出入りをします。

あからさまに怪しい「大奥様」レディ・ウォレンやバーカー看護師、それにスティーブンだけではなく、物語が進むにつれ、ウォーレン教授やミセス・オーツなども怪しい言動を始めます。
また、一番頼りになりそうなバリー医師も誹謗されるようになり、だれが信用できるのかわからなくなっていきます。
そして、様々な事情が重なり、事件があったときに頼りになりそうな成人男性や犬(スティーブンの飼い犬)が次々と屋敷からいなくなり、ヘレンの不安は募ります。
結局、誰が何を企んでいるのか、何が起こるのか、全くわからないまま終盤を迎えるのですが...
どうなるかは聴いてのお楽しみと言うことで。

さて、この作品、よく練られたサスペンスだと思うのですが、ラジオドラマとしてみると残念ながらあまりテンポの良い作品にはなっていません。
その原因としては、妙に翻訳調で硬い文語体のセリフが挙げられると思います。
もともと海外の小説なので翻訳調なのは当たり前ですし、小説として文字媒体で読んでいるとあまり気にならないと思います。
しかし、ラジオドラマで登場人物達の台詞として耳から聞くと、その言い回しの古めかしさや、微妙にこなれていない会話に違和感を感じてしまいました。
この辺、原作の雰囲気や舞台となっている時代・場所の風俗を重視して原形を残すか、ラジオドラマの特性を重視して現代会話に置き換えてしまうかは、難しいところだと思います。
本作品の脚本家である棚瀬美幸さんは、「ゼンダ城の虜」でもそうでしたが、前者の方針で臨まれたものと思います。
しかし、本作品を聴いてみると、台詞に引っかかっているうちに物語が先に進んでしまうことが多く、なかなか雰囲気を楽しむのは難しいと感じました。
この辺は、好き好きだとは思いますが。
また、事件の真相は最終話で急に明らかになるのですが、明らかになるやいなや、あまり深い説明や謎解きもなく慌ただしく終わってしまいます。
もう少し余韻があるような終わり方でも良かったと思います。

さてさて、話しを出演者に移しますと、主役のヘレンを演じるのは女優・声優の花村怜美(はなむら・さとみ)さんです。
青春アドベンチャーでは「碧眼の反逆児」や「移動都市」などにも出演されています。
その他、唐沢潤さん(精霊の守り人)、内田健介さん(おいしいコーヒーのいれ方シリーズ、ライフシリーズ)など、他の作品で主役を務める方々が脇役で出演されています。
そして、本作品で特に印象的なのは語り(ナレーション)を担当される千葉哲也さん。
演出家としての評価も高いらしい千葉さんですが、暗いトーンのナレーションが本作品の沈鬱な雰囲気によくあっています。




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